未経験でもSaaS営業に転職できる?注目されている理由や仕事内容、転職のコツなど

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

SaaS転職

SaaS業界未経験からSaaS営業に転職!転職難易度や求められるスキルとは

「今後成長していく業界に身を置きたい」と考えている方の中には、SaaS業界への転職を視野に入れている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?SaaS業界はここ数年での成長が著しく、国内のSaaS市場は年平均成長率130%の成長を維持しているなど今後も期待ができる業界です。


しかし、SaaS業界への転職に興味はあるものの、未経験でもSaaS業界に転職できるか心配されているからも多いでしょう。


そこで今回は、未経験からSaaS業界に転職する場合の転職難易度や、求められるスキルなどをご紹介いたします。SaaS業界にご興味のある方は、ぜひ最後までご覧くださいませ!

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SaaSとは?

SaaS(サース)とは「Software as a Service」のことで、ソフトウェアの機能をインターネット経由で提供する形態のことを指します。


SaaSの代表的なサービスとしては、Microsoft 365(旧Office365)やAdobeのソフトウェア郡、Salesforce、Zoom、Slackなどが挙げられます。


SaaSは主にサブスクリプション型の課金モデルを採用しており、月額コストは高くないため導入ハードルは低い一方で、長く使ってもらうことで利益がでることから、サービスを長く使ってもらうことが重要指標となります。

SaaS業界の動向と注目されている理由

株式会社Sansanが手がける名刺管理アプリの導入数は2013年から2020年で約13倍に増加、また、株式会社ラクスが手がける楽楽清算は、2023年4月から9月の半年で2,000社以上の企業が新規に導入し、昨年度同期比223%の増加となるなど、SaaS企業が手がけるサービスの利用者数は増加傾向にあります。


このように、導入数が増加している理由には、サブスクリプション型であるため初期費用や月々のコストが抑えられるため導入ハードルが低いこと、人材不足などによりDX化を進めていきたい企業が多いことなどが挙げられます。


その他にも、リモートワークの普及による働き方の変化や、これまで業務にかけていた時間を、SaaSを利用することで大幅に短縮できることからSaaSの利用者数は増えてきています。

SaaS営業は未経験でも転職できる?

SaaS営業はインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの3つに分かれており、職種によって未経験でも転職できるかどうか変わります。


インサイドセールスは、対面ではなく電話営業がメインであるため、周りと助け合いながら業務ができること、そして契約ではなく商談獲得が目的のため、質問の幅の狭さや臨機応変に対応しなければいけない業務があまり多くないことから、SaaS業界未経験の方はもちろん、営業未経験の方でも転職できる可能性が高い職種です。


フィールドセールスは、営業経験が求められることが多く、人気企業となると法人営業経験も求められるでしょう。ただし、SaaS業界未経験でも転職することは可能です。


カスタマーサクセスは、インサイドセールスと同じように対面での営業ではなく、契約後のお客様に対して営業を行う職種ですが、転職難易度はやや高く、営業未経験の方の転職は難しいでしょう。

SaaS営業の仕事内容とは?一般的な営業との違いは?

顧客の要望に合わせてソフトウェアを提案・設計・開発するSIerと異なり、SaaS型ビジネスでは、基本的に売る商材は同じでカスタマイズする余地はあまりありません。


こうした環境では営業プロセスの標準化が可能であり、各段階での数値化・可視化が行われていることがSaaS型営業の特徴です。


ベストセラー書籍「THE MODEL」で知られるように、営業のプロセスをマーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4つに分け、分業・共業することで営業の効率化・最大化を目指すスタイルが一般的です。


分業し担当部分に専念することで、より集中し専門的なアプローチが可能になると期待されています。


「THE MODEL」の著者福田康隆さんはオラクル、Salesforceを経てマーケティングオートメーションツール「マルケト」の社長という経歴の持ち主で、日本のSalesforceを成長させた営業手法がまとめられています。


2,000円程で購入できるので、未経験からSaaS営業への転職を考えている方は、基礎知識として読んでみるのもよいでしょう。

SaaS業界の主な職種と特徴

SaaS業界では、主に以下の職種があります。


・マーケティング
・インサイドセールス
・フィールドセールス
・カスタマーサクセス
・フロントエンジニア
・サーバーエンジニア
・インフラエンジニア
・プロジェクトマネージャー


近年広がってきていますが、営業職が3つに分かれているなど、SaaS業界特有の職種もあります。では、職種ごとの特徴を見ていきましょう。

1.マーケティング

マーケティングにも色々ありますが、「THE MODEL」におけるマーケティングの役割は、見込み客(リード)を獲得することです。


メルマガや広告、オウンドメディアを通じた問い合わせ、セミナーなどを通じて顧客と接触し、サービスを認知してもらい、見込み客を獲得します。


大きな企業では営業部門とマーケティング部門が分かれていますが、人員が限られているベンチャーでは、両方を兼ねることもあります。

2.インサイドセールス

インサイドセールスは、内勤型営業とも訳されますが、直接顧客を訪問するフィールドセールスに対する言葉です。「THE MODEL」におけるインサイドセールスは、見込み客の購買意欲を高め、確度が高い状態になったら、営業へ引き渡す役割です。


B2Cでは店頭で服を見てその場で買うことも一般的ですが、B2Bではサービスの認知から契約までに時間がかかり、担当者と決定権者が別なこともあるので、複雑・長期化するのが一般的です。


いきなり対面で営業しても、非効率的なので、電話やメルマガなど非対面の手段で顧客の購買意欲を高める「リードナーチャリング(見込み客育成)」を行います。


例えばSalesforceにはMA(マーケティングオートメーション)機能もあって、適切なタイミングや手法で顧客にアプローチし、その反応をポイント化して購買意欲を評価します。


メルマガを開封しない人より、開封した人の方が購買意欲が高いはずで、電話に対応してくれたり、セミナーに参加してくれたり、そうした積み重ねで複数の反応をポイント化していくことで、購買意欲を測ることができるのです。

3.フィールドセールス

「マーケティング」が見込み客を獲得し、「インサイドセールス」が見込み客を育成したら、いよいよ「フィールドセールス」の出番です。フィールドセールスは、商談から契約のプロセスをメインで行います


また、商談後には顧客フォローを行い、お客様決断するにあたって何に悩んでいるのか、お客様に寄り添ったサービスの使い方などを説明し、契約に結び付けられるようフォローを行います。


営業経験のある方の中で、お客様に提案するプロセスが好きだったという方はフィールドセールスが向いているでしょう。

4.カスタマーサクセス

SaaSおよびサブスクリプション型のビジネスでは、「カスタマーサクセス」部門があるのも一般的です。カスタマーサクセスの役割は、契約継続を維持するとともに、アップセル・クロスセルなどで売上を拡大することです。


サブスクリプション型のビジネスでは、初期費用を抑えて気軽に導入できる代わりに、気軽に解約できるというデメリットもあります。


そこで、「解約率(チャーンレート)」「LTV(顧客生涯価値)」「オンボーディング完了率」「アップセル率」「クロスセル率」などの指標を用いて継続率やLTVを最大化させます。


カスタマーサクセスと似ている職種としてカスタマーサポートがありますが、カスタマーサポートは基本的に顧客からの問い合わせや不満・障害などに対応する受身的なポジションなのに対し、カスタマーサクセスでは顧客に働きかけ、顧客の成功を支援する能動的なポジションとなっています。

5:フロントエンジニア

フロントエンジニアは、SaaSのWebサービスやアプリの「見た目」と「操作性」を設計・実装する役割です。HTML、CSS、JavaScriptを駆使し、ReactやVue.jsといったフレームワークを用いて開発を行います。


単にデザインをコード化するだけでなく、ユーザー体験(UX)を意識した設計が求められます。バックエンドとのデータ通信を考慮し、API連携やパフォーマンス最適化にも関わることが多い職種です。

6:サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、SaaSサービスが安定して稼働するためのサーバー環境の構築・運用を担当します。LinuxやWindows Serverの知識が求められ、データベース管理や負荷分散、障害対応などが主な業務です。


近年ではクラウド(AWS、GCP、Azure)を活用したサーバー構築が主流となっており、オンプレミスだけでなくクラウド環境の設計・管理スキルも求められることが多くなっています。

7:インフラエンジニア

インフラエンジニアは、SaaSの基盤となるネットワークやサーバー、データベース、セキュリティなどの設計・運用を担当する職種です。


サーバーエンジニアと役割が重なる部分もありますが、よりシステム全体の安定稼働を意識し、ネットワーク設計や負荷対策、障害時の復旧対応などを行います。


近年ではクラウド環境の構築・運用スキルが必須となり、IaC(Infrastructure as Code)を活用した自動化の知識も求められます。

8:プロダクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、SaaS開発プロジェクトの進行管理を担う職種です。エンジニアやデザイナー、営業など多くの関係者と連携し、納期・予算・品質を調整しながらプロジェクトを成功に導きます。


スケジュール管理やリスクマネジメントが非常に重要な仕事となります。技術的な理解だけでなく、チームをまとめるリーダーシップやコミュニケーション能力も求められます。

SaaS営業から別ポジションへのキャリアパス

SaaS営業は様々な経験を積むことができるため、その後のキャリアの選択肢を広げることができます。


例えば、カスタマーサクセスへのキャリアパス。カスタマーサクセスは既存顧客に対し、契約後にオンボーディングを行いサービスの使い方をレクチャーしたり、解約率の低下、アップセル・クロスセルを目的としたサポートを行います。


SaaS営業で培った商品知識やIT知識、課題解決スキルなどを活かすことができるでしょう。


他にも、SaaS営業として顧客の声を聞いてきた経験を活かして、ユーザーに刺さる広告文を考えたりナーチャリングのためのメール文を考えたりすることができるため、マーケティングで活躍することも可能です。

SaaS企業・SaaS営業に転職するメリットとデメリット・注意点

未経験からSaaS企業やSaaS営業に転職する最大のメリットは、自身の市場価値を挙げられることです。


2019年頃より、SaaS業界の市場は急激に伸びてきており、今後もSaaS業界の市場は伸びていくと予想されます。また、SaaS営業は主に法人営業となり、法人営業は営業難易度が高いため営業スキルが身につきます。


今SaaS業界に転職することで、SaaS業界経験者として、そして営業としても市場価値を高めることができるでしょう。


一方で、近年伸びてきている業界であることから、比較的新しい企業も多く、転職した企業が倒産してしまうことも。SaaS業界に転職する際は、企業選びが重要となります。

未経験からSaaS営業への転職で評価される主なスキル・知識

未経験からSaaS営業に転職する場合、以下のようなスキルや知識があると、面接で評価されます。これらをアピールできるエピソードがあれば、積極的に面接時に伝えていけるといいでしょう。


・問題解決能力
・推進力
・瞬発力・スピード
・変化に対応する柔軟性
・商品に関する知識

1:問題解決能力

SaaS営業では、顧客が抱える複雑な課題や現状の問題を正確に捉え、その根本原因を明らかにする能力が極めて重要です。


たとえば、顧客の業務プロセスやシステム運用の中で発生している問題点をヒアリングし、現状の課題を整理・分析することで、最適な解決策を導き出すプロセスが求められます。


自社のSaaSプロダクトがどのように課題解決に貢献できるか、具体的な事例やデータを交えて提案できると、顧客からの信頼を得やすくなります。


また、問題解決の過程で得たフィードバックを次の提案に活かすなど、継続的な改善サイクルを構築できることも評価のポイントです。こうした経験をエピソードとして語ることで、実務での即戦力としてアピールできます。

2:推進力

マーケティング、エンジニア、インサイドセールス、カスタマーサクセスなど、多くの部門と連携しながら契約まで進めるため、各部署間の調整や関係者を巻き込む推進力が不可欠です。


自ら率先して業務をリードし、課題解決のために必要なアクションを迅速に起こす姿勢は、成果主義が根付く環境で大きく評価されます。


目標達成に向けた計画策定やスケジュール管理、問題発生時の柔軟な対応など、プロジェクト全体を牽引する力をエピソードとして語ることで、組織内でのリーダーシップや調整力を印象づけることができるでしょう。

3:瞬発力・スピード

SaaS業界は急速に変化する市場環境の中で、競合他社との競争が激しいため、瞬時の判断と迅速な実行力が求められます。


顧客からの問い合わせや市場のトレンドの変化に対し、即座に対応し、迅速な意思決定を下すことは、新たなビジネスチャンスを逃さないための鍵となります。


たとえば、顧客が提示するニーズに対して、どのタイミングでどのような提案を行うか、また、迅速なフィードバックを活かして提案内容を改善するプロセスなど、スピード感のある行動が評価されます。


実際の経験として、短期間で成果を上げたプロジェクトや、即断即決で問題を解決したエピソードを具体的に語ることで、現場での即戦力としての信頼を獲得できるでしょう。

4:変化に対応する柔軟性

SaaS製品は常に進化し続け、技術革新や市場のトレンド、法律改正、顧客ニーズの変化に合わせたアップデートが必要です。こうした環境下では、固定的な考え方にとらわれず、柔軟かつ迅速に状況に応じた戦略を転換する能力が求められます。


例えば、顧客との定期的なヒアリングを通じて最新の課題や要望を把握し、それに基づいて自社サービスの提案内容を柔軟に変更する姿勢が重要です。


また、内部プロセスや業務フローの改善を積極的に推進することで、組織全体の競争力向上に寄与できることも評価ポイントとなります。


変化に対する前向きな姿勢や、環境変化をチャンスと捉える柔軟性を具体的な事例を通じて示すことが、面接での強力なアピール材料となります。

5:商品に関する知識

自社が取り扱う商品はもちろん、その商品の競合となる商品の知識も必要です。SaaSはできることの幅が広いため、実際に自分でも使ってみて、色々なボタンを押してみながらどのようなことができるのかを確認しておくことをおすすめします。


自社の商品は何ができるのか、そして何ができないのか。また、今後どのような改善がされようとしているのかなどが分かっていると、提案の幅が広がります。


他にも、いくつかのサービスを比較していることが多いため、他社サービスではどのようなことができるのか、それは自社ではできるのかなど、それぞれのサービスのメリットデメリットが伝えられると、顧客から信頼してもらえるでしょう。

SaaS企業への転職でやっておきたいこと・覚えておきたいこと

未経験からSaaS企業に転職する場合、SaaSについて、そしてPaaSやIaaSとの違いなどを理解しておくようにしましょう。その他、選考を受ける企業が手掛けているSaaSプロダクトの特徴、競合との違いを調べておくことも大切です。


SaaSについて知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。


また、未経験からSaaS業界に転職する際に評価されるスキルについてご紹介しましたが、これらを具体的なエピソードとともに話せるよう、これまでのキャリアの棚卸しをしておくようにしましょう。


キャリアの棚卸しをした後には、

・なぜ現職(前職)に入社したのか
・なぜ退職するのか
・これから何をしたいのか
・なぜ選考企業に応募したのか

など、ほとんどの面接で聞かれる質問に、自分も納得のいく答えを話せるように面接練習をしておけると、面接で伝えたいことが伝えられずに落ちてしまったということがなくなります。

未経験からのSaaS業界への転職なら”キャリア・エックス”

SaaS業界は成長著しい企業が多いので、キャリアアップの選択肢として検討してみていただきたい業界の1つです。


しかし、近年伸びてきている業界であることから比較的新しい企業も多く、どの企業がいいのか分からないという方も多いでしょう。


私たちキャリア・エックスはSaaS業界への転職に強く、未経験からのSaaS業界への転職を多数支援しています。どのSaaS企業がどんな人に向いているのかを熟知しているので、あなたに合ったSaaS企業をご紹介可能です。


SaaS業界にご興味ある方は、お気軽にご相談ください。


3年〜5年後には、SaaS業界で活躍した経験がある方が転職市場に多く出てくることが予想されますので、SaaS業界にチャレンジしたいと考えている方は、なるべく早めにSaaS業界に転職することをおすすめします。

まとめ

SaaSのビジネスモデルや営業プロセスはよく整理され標準化されているものの、用語が多く、企業が違っても基礎知識となるので、未経験からSaaS業界にチャレンジされる方は、一通り理解しておくといいでしょう。


また、SaaSプロダクトの提供価値やプロダクトのフェーズ、マーケのリードの獲得の仕方によっては、クライアントの課題が顕在化してないケースも多いです。


大事なポイントは、「見込み客の課題をいかに顕在化させるか」。面接時にこの点についてアピールできるこれまでの経験などがあれば強みとなるでしょう。


市場価値を上げたい、今後需要の伸びる業界に身を置きたいという方は、ぜひSaaS営業への転職をご検討くださいませ!

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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