転職は若い方が有利で、年齢を重ねるにつれて難易度が上がる傾向があります。
30代になると、専門のスキルや経験、そして実績が重視されるようになり、応募の選択肢が限られてくると考えておきましょう。
1番最初に就職した企業や職種でそのまま生涯働くことが理想ですが、このご時世ではそれは非常に難しいことです。
20代半ばの新卒・第二新卒世代で、今後のキャリア、転職を考えている皆さん、SaaS企業の営業も検討してみませんか?
新卒・第二新卒枠で一般の求人とは別で募集をしているSaaS企業も多く、未経験でSaaS業界に入るには、良い機会です。
SaaS業界は近年、成長中の業界で努力次第でさらなるキャリアップも期待できます。
この記事では
- SaaSとは
- SaaS営業について
- SaaS業界の動向
- どんな人材が求められているのか
- SaaS営業のメリット・デメリット
を解説していきます。
ぜひ、最後まで読み進めて頂れば幸いです。
SaaSとは

SaaSとは、「Software as a Service」の略です。
一般的には「サース」や「サーズ」と呼ばれており、インターネットを通じてソフトウェアを利用できるサービスのことを指します。
従来のソフトウェアは、企業内のサーバーやコンピューターにインストールする必要がありましたが、SaaSの場合はサービスを提供する側のサーバーでソフトウェアを稼働させるので、ユーザーはインターネット経由でソフトウェアの機能を活用できます。
最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」というのは、SaaSを利用する料金形態の1つです。
チャーンレート(解約率)やLTV(顧客生涯価値)などが重要な指標になっており、顧客に継続して自社サービスを利用してもらうことで利益を得るビジネスモデルになっています。
近年では、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業が業務サービスのデジタル化が進み、ますます発展していると言われています。
代表的なSaaSのサービス例
それでは、SaaSの代表的な一例を紹介します。
Gmail
誰もが知っている企業であるGoogleが提供するメールサービスです。
基本的な仕組みは従来のEメールと変わらないですが、無料のGoogleアカウントを作成するだけで、メールの機能を使えるのが特徴です。
近年、国内の携帯通信会社の多くが、キャリアメール(~docomo.ne.jpのようなメールアドレス)が付いていない、格安プランを提供しています。
その対応策として、Gmailを利用している人も多いのではないでしょうか。
2018年時点で、世界中のユーザー数が15億人を超えたと公表しており、世界規模で利用されているサービスです。
Zoom
コロナ禍によるリモートワークなどの働き方の変化によってメジャーになったビデオ会議ツールです。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスにZoomアプリをインストールすれば利用でき、webカメラを利用したビデオ会議だけではなく、音声やチャットでのコミュニケーションも可能です。
日本法人のZVC Japan株式会社は2021年度に前年度と比べて売上が約10倍の100億円を超えたと発表しており、今後は日本社会のインフラとしてZoomを定着させていきたいという目標を掲げています。
サイボウズoffice
サイボウズ株式会社が提供している、中小企業向けのグループウェアです。
製造業・情報通信業・官公庁など国内の導入実績が豊富で、業界を問わずに約6,900社の導入実績を誇ります。
現職の職場で利用している人も多いのではないでしょうか。
他にも、webデータベース型業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」(キントーン)や大規模組織向けグループウェア「Garoon」(ガルーン)など複数のサービスを提供しています。
日本のSaaS企業売上ランキングでは、毎回トップに上がってくることが多く、抜きに出た存在感を示しています。
SaaS企業の特徴は営業を細分化している

SaaS企業の多くは営業を下記の3つに分けています。
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
インサイドセールス
電話やメール、web会議ツールなどを利用して、顧客と直接対面せずにアプローチをする職種です。
1番最初に顧客と接点を持つことになるので、企業やサービスの第一印象を決める大事なポジションです。
多くの顧客と接点を持つことで、マーケットの理解を深め、顧客規模やニーズごとにセグメント分けをし、顧客の意見をプロダクト組織にフィードバックすることもあります。
フィールドセールス
顧客の元へ出向き、直接対面でアプローチをする職種です。
従来の営業スタイルのようなポジションです。
しかし、従来の営業とは違う点があります。
インサイドセールスが得た、成約見込み顧客情報を元に営業先を決めており、成約の可能性が高い顧客と対面することが多いので、従来の営業より効率的に営業活動を行うことができます。
カスタマーサクセス
顧客の不満や課題をヒアリングし、自社サービスを継続して利用し続けてもらうように働きかける職種です。
SaaS企業の特徴的な職種で、SaaSビジネスの中で重要指数の1つである解約率(チャーンレート)の低下を防ぎ、顧客満足度やリピート率に貢献する役割を担っています。
今後、多くのSaaS企業がカスタマーサクセスチームへの投資が加速すると言われるほど重要視されており、ニーズが高まることが予想されます。
SaaS業界に飛び込むなら今のうちに!

冒頭でも述べましたが多くの企業で、一般の求人とは別に新卒枠や第二新卒枠での求人を出しています。
この新卒・第二新卒の条件に当てはまる人はこのチャンスを活かすべきです。
どの業界にも言えることなのですが30代で未経験の業界への転職することは、20代よりも難易度が上がります。
その理由の1つとして、「経験者も含めライバルが多く、競争率が高く手ごわい」ということもあります。
例えば、特に応募条件が決められていない(ハードルが低そうな)求人に応募する場合、幅広い年齢層の人が応募し、その中には関連性の高い仕事の経験がある人もいれば、自分よりも実績がある人もいるはずです。
その状況から採用を勝ち取るのは、かなりハードルが高いでしょう。
しかし、新卒・第二新卒で限定されている求人ならば、応募人数も一般ほど多くはなく、世代が限られている為、社会人経験や実績にも大差がありません。
企業も経験や実績ではなく、本人の成長する可能性や熱意を判断材料として考えるので、面接で自身のアピールが上手く出来れば採用の可能性は高まります。
新卒・第二新卒の資格はどんどん転職活動に活かしていきましょう。
気になるSaaS業界事情

特殊なビジネスモデル
SaaS企業の多くが自社サービスをサブスクリプション型の料金形態で提供しています。
継続して利用してもらうことで、利益を得るビジネス構造になっています。
従来の営業では押し売りや売って終わりといった考え方も存在しますが、そのようなその場しのぎの営業はSaaS業界では通用しません。
継続して自社サービスを利用してもらうためには、まず顧客からの信頼を得る必要があります。
今後も成長に期待できる業界
スマートキャンプ株式会社が公表している「SaaS業界レポート2020」によると、SaaSの国内市場は年平均13%の伸び率で成長しています。
特に2020年は、コロナウィルス感染症の流行により、企業のテレワーク化が進み、web会議システムやプロジェクト管理ツールなどのオンラインでのコミュニケーションを支援するサービスが伸びています。
2024年には約1兆1,200億円規模になると言われており、今後も成長が期待できる業界です。
今後の動向としては、飲食店や建設業界向けなどの特定分野に特化したSaaS企業の成長がより進んでいくと予測されています。
どんな人材が求められているか?

企業のビジョンに共感できる方
SaaS業界はまだ若く、日本ではまだ、業界大手と言われる企業も少なく、スタートアップが多い業界です。
そのため、社内ではビジョンへの共感度が高く、同じ方向を向いて仕事を進めたいという企業も多く、ビジョンや情熱に共感できる人材を求める傾向が多く見られます。
聞き上手で相手のニーズを察知することが得意な方
Saas営業は、なくてもなんとかなっている状況の中で、顧客の課題をヒアリングして、最適な解決方法を提案することが重要とされています。
普段から相手の悩みを聞くことが得意な方、相手の意図やニーズを察知することが得意な方は、SaaS営業に向いていると考えられます。潜在的な課題を察知して相手から聞き出すことが出来れば、SaaS営業で、活躍できる可能性が高いと言えます。
長期的な視点で顧客と向き合うことできる方
SaaS企業の成長で重要な要素の1つは解約率(チャーンレート)を低い水準で維持することです。
そのため、売り切り型ビジネスのように何がなんでも売上やノルマを達成できればよいということではなく、長期的な視点で、いかに顧客に価値を提供できるか、継続して自社サービスを利用してもらうための戦略を立てられるかが求められます。
SaaS企業で働くメリット・デメリット
メリット | デメリット |
押し売り営業が無い | 顧客に合わせてのカスタマイズが難しい |
市場価値の高い人材になれる | 単発の売上は多くない |
柔軟な働き方に対応している | 高いインセンティブは期待しづらい |
外資系企業への転職がイメージしやすい |
メリット
押し売り営業が無い
SaaS営業はどれだけ継続して自社サービスを利用してもらえるかが重要なので、押し売りのようなその場で終わるような売り方では意味がありません。
継続して利用してもらうため、顧客からの課題をヒアリングし、常にサービスの改善を行う必要があります。
市場価値の高い人材になれる
SaaSは、世界的にも圧倒的に成長している業界です。今後、SaaS営業のニーズが益々高まっていくと言われている一方で、海外と比べると日本は、SaaS経験者はまだまだ少ないと言われています。
そのため、早い段階で、SaaS企業での経験・スキル・実績を積むことによって、人材としての市場価値が上がり、中長期的に年収アップやキャリアアップも視野に入れることができるでしょう。
大幅な年収アップが期待できる、外資系SaaS企業への転職も実現できるかもしれません。
柔軟な働き方に対応している
SaaSビジネスを展開している企業は、ほとんどIT企業なので、古い考え方の企業はほぼありません。
近年のリモートワーク化や副業を許可していたり、勤務時の服装も自由などといった柔軟な働き方を推奨しているSaaS企業が多いです。
外資系企業への転職がイメージしやすい
近年、成長中のSaaS業界ですが、最先端はアメリカや中国といった海外です。
特にアメリカはかなりの勢いがあり、「シリコンバレーは日本の2年先を行く」とも言われています。
そんな外資系SaaS企業が日本でも多く参入しています。
外資系SaaS企業への転職は国内でのSaaS企業での経験があれは有利に進めることができるでしょう。
難易度が高いですがその分、年収アップも期待できます。
デメリット
顧客に合わせた商品のカスタマイズが難しい
SaaSは、インターネットを通じて同じサービスを利用してもらうビジネスモデルなので、性質上、顧客別に合わせてサービスをカスタマイズするということが難しいです。
顧客に合わせたサービスを提供したい、という人にはやりがいを感じることは難しいでしょう。
単発の売上は多くない
SaaS営業はサブスクリプション型の料金形態で月額の利用料金で利益を得ています。
そのため、売り切り営業のように単発で大きく稼ぐことはできません。
不動産や金融、人材紹介のような売り切り営業で大きな金額を動かすような営業をしたい方にはもの足りなさを感じてしまうかもしれません。
高いインセンティブは期待しづらい
数字として、単発での数字が小さいので、契約をとった報酬としてのインセンティブが大きくないのが現状のSaaS営業です。
売れば売るほど個人の報酬があがるといった成果報酬を重要視している方は、ややものたりなさを感じられるかもしれません。
(とはいえ、一部の外資系企業は、入社2年目でも1000万を超える高い報酬になっています)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまで、SaaSの解説から始まり、最後にはSaaS営業として働くことのメリット・デメリットを解説させていただきまし。
本記事がSaaS営業へご興味を持つきっかけになれば幸いです。
弊社キャリア・エックスでは、未経験からSaaS業界へのキャリアチェンジを多数支援しています。ご興味ある方は、以下よりぜひお気軽にご相談ください!
