「キャリアアップ」とは、昇進や転職などで、自身が置かれている環境や経歴がレベルアップすることです。
今の職場で昇進して役職になるのがベストではありますが、役職に空きがなかったり、正当な評価が得られない、もしくは自身に必要だと考える経験を積む機会が得られないなどの様々な理由で難しい場合があります。
その場合、他の方法として転職でキャリアアップを図るのも1つの手です。
そこで、この記事では転職先にSaas企業での営業職を選ぶメリットについてお話します。
この記事は
「Saasってなに?」
「Saas業界はどうなの?」
「どんな営業の仕事があるの?」
「どんなキャリアが考えられるの?」
と言ったことを解説していきます。
最後まで読んで頂ければ幸いです。
なぜ、Saas企業の営業職がおすすめなのか
近年、多くの企業がテレワーク化を進めるなど働き方が変化しつつあります。
それに伴いSaasが注目されるようになりました。
Saasは今後も市場が伸びる分野だと言われています。
現在も急成長中の業界なので、様々なことにチャレンジでき、幅広いスキルを身に着けられる機会が多いです。
また、日本のSaas業界は世界的に比べて、まだまだ経験者が少ないと言われていますので、実力次第では管理職になれる機会が多いとされてます。
Saasとは?
正式には「Software as a service」です。これを略してSaas(サース)と言います。インターネットを通じて、アプリやサービスを利用する形態のことをSaasと言います。
例えばGoogle社のGmail。近年、キャリアメール(~docomo.ne.jpのようなメールアドレス)使えない料金プランを出している携帯通信会社が増えてます。
その対応策としてGmailを利用している人も多いのではないでしょうか?このGmailはGoogle社がクラウド上に構築したメール用のアプリを利用しています。
他にも地図アプリやスマホゲーム等もSaasの一種です。最近、良く耳にする「サブスクリプション」というのはSaasを利用する料金形態のことです。
Saas業界について
Saasマーケティングプラットフォーム「BOXIL SaaS」を運営するスマートキャンプによって公開された「SaaS業界レポート2020」よると、国内Saas市場は年平均成長率約13%の勢いで急成長しています。
特に2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けてテレワーク化が進むなどの企業における働き方が変化していることでSaasが注目され、成長をさらに加速させていると言われています。
2024年には約1兆1,200億円の市場規模まで成長すると予想されています。
また、市場拡大に合わせて国内SaaSスタートアップによる資金調達金額も増加しています。
2017年の約400億円、2018年の約570億円から2019年には約750億円に達しています。
2019年以降、マーケティングオートメーションSaaSを提供するフロムスクラッチが100億円、労務管理SaaSを提供するSmartHRが61.5億円、建設プロジェクト管理SaaSを提供するアンドパッドが60億円、オンライン商談SaaSを提供するベルフェイスが52億円の資金調達を実施。
いずれも大型の資金調達が続いており、SaaSスタートアップ1社あたりの平均資金調達金額も2018年の3.0億円から、2019年には4.8億円へと上昇しています。
スマートキャンプとは?
スマートキャンプはSaas情報メディア「ボクシルマガジン」を運営するSaas企業です。
2014年に設立。
Saasプラットフォームを軸に事業展開をしており、東京、北海道、福岡に支社があります。
2017年から毎年、「Saas業界レポート」を有料公開しており、その内容は業界内で注目されてきました。
2020年は新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえ、より多くの人に情報が届くようにと無料で公開しています。
公式URL https://smartcamp.co.jp/
Saas営業の特徴
Saas営業は一般の「売り切り型営業」とは異なります。
特に自身のキャリアを活かし、これからSaas営業にチャレンジしたいと考えている現役営業職の人は、Saas営業の特徴を意識して、活動していくことが重要です。
Saas営業の特徴は以下の3つが挙げられます。
- 問題解決方型の提案をする
- 売ったら終わりではない
- 個人だけではなく、チームとして動くことが求められる
問題解決型の提案をする
「こんな新商品がでました」
「他より安くしますよ」
このような提案の仕方ではSass営業では通用しないでしょう。
顧客の課題を聞き出し、把握して、自社製品を利用すれば課題を解決できますよという提案の仕方でなければ契約はとれません。
売ったら終わりではない
Saas企業の製品は売る・契約までしたらそれで終わりというわけではありません。
Saasは月額料金や年額料金でサービスを提供することが多いため、顧客に不満を抱かれて解約されてしまうと利益がダウンしてしまいます。
売った後でも顧客の課題を解決できているか、新たな課題がでてきていないか、それを解決するために自社のサービスをどう活用していくべきか等の的確なリサーチと提案ができていなければ継続して利用してもらえないでしょう。
Saas営業では売るよりもむしろ、売った後のほうが大事だと言えます。
個人だけはなく、チームとして動く必要がある
一般の営業職は顧客へのアプローチやアポイントメントの連絡、訪問などの全てのプロセスを1人で担うことが多いです。
しかし、Saas企業の多くはプロセス毎に担当をつけて分業をしています。
そのため、個人としてだけではなく、それぞれの役割をもったメンバーと連携して営業を進めていかなければなりません。
チームとして正しく機能することで、「業務効率化」「メンバー同士の切磋琢磨」「情報共有の活性化」「アイデアの多様化」など、個人で成果を出すよりも多くの相乗効果を生み出すことが期待できます。
Saas営業の種類とキャリア
多くのSaas企業は営業を分業しています。
どのように分業しているかそれぞれ解説していきます。
マーケティング
主に見込み客を獲得することを役割としています。
メルマガや広告、オウンドメディアを通じた問い合わせ、セミナーなどを通じて顧客と接触し、サービスを認知してもらい、見込み客を獲得します。
企業によっては営業部門とは別にマーケティング部門と分かれている場合もあります。
マーケティングにはどんなキャリアの人がいるのか?
営業をかける前にまずは自社製品のことを知ってもらうことから始めるので、広告関連でのキャリアをもつ人や、別業界でのマーケティング経験者がキャリアを積むために転職する流れが多いようです。
特にデジタルマーケティング経験者は、幅広い領域で引く手数多の状況です。
インサイドセールス
「内勤営業」のことを指し、電話やメール、オンライン会議などを用いて、顧客と直接対面をせずに営業をかける仕事です。
インサイドセールスは新しい営業スタイルとして近年、脚光を浴びている仕事です。
アメリカでは急激な成長をしており、現在では訪問営業職の数を上回る程になっています。
日本ではまだ発展途中ですが、短期間でここまで成長できたのは、訪問営業と比べてメリットが多いからです。
例えば、従来の訪問営業ではあまりに遠方の顧客に対しては訪問できない為、契約を諦めていました。
しかし、インサイドセールスはそうした顧客にもアポイントメントが可能です。
顧客側でも、ネットを通じてお店に直接行かなくても物を購入できることが一般的になっている中、ユーザーの行動にマッチングした新しい営業形態といえるでしょう。
業務内容からテレアポをイメージされることが多いですが、大きな違いがおります。
テレアポは質より量が重視されていて、会話の内容もマニュアル化されていることがほとんどです。
しかし、インサイドセールスは会話の中で顧客のニーズや課題を引き出さなくてはなりません。
マニュアル通りの会話をすればいいわけではなく、いかに情報を引き出せるかの量より質を重視した仕事になります。
近年、働き方改革の影響で場所や時間にとらわれない自由な働き方が提唱されています。
インサイドセールスはテレワークが可能なので、近年の働き方と親和性が高いです。
今後も需要が伸びると予想されるでしょう。
インサイドセールスにはどんなキャリアの人がいるのか?
従来の営業職、事務職、カスタマーサポートといったキャリアの人が多いです。
やっていることが従来の営業職が担っていた業務の一部なので、営業職経験のキャリアはダイレクトに活かせます。
また、同じオフィスワークということで、事務職から転職も多いです。
それとカスタマーサポートのキャリアを持つ人も多いです。
電話やメールなどで顧客に対応する点は、インサイドセールスと同様なので前職のスキルを活かせます。
ただ、カスタマーサポートは受け身な部分が多いため、積極的に関わる営業の仕事に戸惑うこともあるそうです。
フィールドセールス
顧客のもとに訪問し、直接対面して営業を行う職種です。
従来通りの営業スタイルといえるでしょう。
しかし、マーケティングによって認知、見込み客を選別され、インサイドセールスによって契約見込みが高そうな顧客を選定された状態で訪問することになります。
従来の営業職と違って、実際に訪問するのは成約率が高い顧客のみとなるため、効率が良く、コスト削減にもなります。
また、これまでの営業の仕事は営業マン個人のスキルによるところが大きいものでした。
そのため、優秀な営業マンが異動や転職でいなくなってしまうと、一気にその部署の業績が下がるということが起きていました。
こういった営業の再現性の低さを分業し、数字で分析し易くして問題点を改善することで誰でも成果を出せる仕組みを構築できます。
働く側としても、決められた業務に注力できるため、働き易さを感じるでしょう。
フィールドセールスはどんなキャリアの人がいるのか?
法人営業経験者が多いです。
実際に法人営業経験を条件とした求人を出しているSaas企業も多いです。
また、インサイドセールスを経験してからフィールドセールスに異動するパターンも少なくありません。
営業として様々なスキルが身につくという理由から、新卒で入社したらまずインサイドセールスからスタートさせた後に他の営業部門も経験させる教育体制をとっているSaas企業もあります。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは、直訳すると「顧客の成功」です。
顧客の業績アップ(成功)、能動的に問題や課題の解決を支援する職種を指します。
顧客のビジネス上でサービスを導入・機能させ、継続的な関係性を築き、顧客満足度の向上を図るポジションです。
近年、Saasを中心とするサブスクリプション型のビジネスモデルの広がりとともに注目されるようになった職種です。
「カスタマーサポート」と誤解されることがありますが、業務内容は異なります。
顧客に対して、支援やサービスを行うという点ではカスタマーサクセスとカスタマーサービスは共通しています。
カスタマーサポートは顧客の認識した問題について、分からないこと、解決できないことがあっときに顧客からの問い合わせを受けて行動します。
カスタマーサクセスも同じ対応をしますが、顧客に発生する可能性がある問題や課題を先読みして、防止策や対策を考えた支援も行います。
顧客の業績を上げるために、顧客が知らない(求められていない)ことも提案する点が大きな違いです。
”攻め”のカスタマーサクセスに”守り”のカスタマーサポートとも言えるでしょう。
カスタマーサクセスにはどんなキャリアの人がいるのか?
似たような仕事ということで、カスタマーサポート経験者。
また、営業職やIT企業のコンサルティング業務に携わった経験がある人もいるようです。
Saas業界が急成長して、ここ数年でできたポジションなので、今後ますます需要が増えて様々なキャリアを持つ人が出てくると予想されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では
- Saasとは、インターネットを通じて、アプリやサービスを利用する形態のこと
- Saas業界は、2024年には約1兆1,200億円の市場規模まで成長する可能性がある
- Saas営業はそれぞれ「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」のポジションがある。
ということを解説してきました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
この記事の内容が皆さんのお役に立てれば幸いです。
日本のSaas業界はここ数年で急成長を遂げた業界で、海外に比べるとまだまだ経験者が少ないと言われています。
Saas営業になりたいのにそれに関わるキャリアがないと悩んでいる人は、経験者が増えないうちに、行動することをおすすめします。
弊社では未経験からのSaaS業界への転職を多数支援しています。ご興味ある方は以下よりお気軽にご相談ください。