SaaS業界は今後も伸び続ける?特徴や年収、転職難易度を解説

SaaS転職

転職先の業界を決めるに当たって重視されるポイントの一つとして、業界自体の未来が明るいかどうかが挙げられます。


今後も伸びていく業界に転職すると、

・需要が増えて企業の売上が上がり、自身の年収も上がる

・同じく企業の売上が上がることで挑戦できることが増える

・次に転職するときに自分の市場価値が上がる

など、嬉しいことが沢山あります。


こちらの記事ではSaaS業界に焦点をあて、SaaS業界の今後についてや特徴、転職難易度を紹介していきます。


転職したいけどどの業界に転職するかはまだ検討中の方、SaaS業界にご興味のある方はぜひご覧ください。


SaaS業界の現状は?


SaaS業界の今後を知る前に、まずはSaaS業界の現状を見てみましょう。


ITR市場調査によると、2022年度のSaaS市場規模は760億円となり、前年対比128%と増加傾向にあると予想されています。

また、2021年度までの市場規模を見てみても、SaaS市場は伸び続けていることがわかります。

*出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2022」

SaaS企業別の現状


SaaS業界全体が伸びてきていることが分かった上で、企業別の現状も見てみましょう。

株式会社ラクス

バックオフィス業務が効率化されるサービス、「楽楽精算」などを提供している株式会社ラクスでは、2022年3月末に、累計導入者数が10,000社を突破したことを報告しました。(PRtimesより


画像を見ると、サービスの提供を開始してから右肩上がりで成長していることがわかります。

株式会社スマレジ

iPadなどのタブレットを利用したクラウドPOSレジを提供している株式会社スマレジでは、累計取り扱い額が5兆円を突破。(PRtimesより


取引額に比例して登録店舗数も増加しており、2022年12月末時点では12万店舗が導入をしています。


サービスがリリースされたのは2011年9月であるため、約11年で12万店舗を突破しており、スピード感のある成長を遂げていることがわかります。


ご紹介した2つの企業だけでなく、SaaS企業は現在、右肩上がりに売上やサービス提供数を伸ばしている企業が多くあります。


企業別に見ても、SaaS業界が今伸びていることがわかるでしょう。

SaaS業界は今後も伸び続けるのか


ここ最近で成長が著しいSaaS業界ですが、今後も伸び続けていくのでしょうか。


結論からお伝えすると、SaaS業界は今後も成長が期待できる業界です。


Omdiaによると、世界のSaaS市場規模は2019年から2020年にかけて130%の成長率を遂げており、今後も以下のグラフのように成長をしていくと予測されています。

世界のSaaS市場規模の推移(出所:Omdia


画像では2021年以降は予測値となっていますが、SaaSを提供している企業の有価証券報告書を確認してみると、2021年から2022年にかけての売り上げ推移は130%前後となっておりますので、予測値と同程度、もしくは予測以上の成長率かもしれません。

働き方改革による業務効率化の必要性


2019年に施行された働き方改革では、残業時間の上限の規制が取り上げられました。


月45時間以内の残業時間が上限となり、違反した場合は刑事罰となる可能性も出てくるため、企業が残業時間を減らすべく目をつけたのが業務効率化です。

業務効率化では、業務で起きている「無駄」をなくし、その時間を別の作業にあてたり残業時間を削ることができます。


SaaSはマネーフォワードやサイボウズofficeなど、これまで時間がかかっていたものを簡単に、かつ短い時間で完了させることができる業務効率化のためのサービスが多く存在します。


そのため、働き方改革により残業時間を減らしたい、業務効率化を推進したい企業のニーズとマッチしていることから導入数が増えてきております。

増えているとはいっても、特定の業界やサービスにおいては業務効率化ツールの導入率が30%を切っていることもありますので、さらなる導入数増加が期待できるでしょう。

リモートワーク普及によるSaaSの需要増加


2020年の初頭に広まり始めたコロナウイルスの影響により、これまでマイノリティだったリモートワークが多くの企業で導入されました。


そして、リモートワークをするにあたって、インターネットがあればどこからでもアクセス可能なSaaSの需要が伸びていきました。


例えばZoom。Zoom blogによると、​​世界の1日あたりのZoomミーティング参加者数は、2019年12月時点の1,000万人から2020年4月には3億人に上り、日本国内では、フリープランの利用者数は63倍、有償顧客数は17倍に増加したそうです。


リモートワーク需要は高く、コロナウイルスによる外出制限が緩和された今でもそのまま導入している企業や、週5日間ではなくともリモートワークと出社を掛け合わせたハイブリット勤務が導入されている企業も多く見られます。


このように引き続きリモートワークを導入する企業や、一度リモートワークを開始してSaaSを導入した結果、リモートワーク終了後もSaaSを使い続ける企業が多いことから、SaaSの利用者数は減ることはなく、今後も伸びていくと考えられます。

今後も伸び続けるSaaSの特徴とは


なぜSaaS業界はこれまで成長し続けているのか。


メインの理由として、提供しているサービスが「あったらいいな」「これを待っていた」といったような求められているものばかりであったことが挙げられます。


ただ、求められていたとしても費用が高い・使い方が難しいなどユーザーにとって良いものでなければここまで広まりません。


そこで、成長し続けている理由であるSaaSの特徴を解説します。

無料版があるなど導入ハードルが低い


SaaSの特徴の1つ目は、提供しているサービスの導入ハードルが低いことです。


例えばオンラインMTGツールのzoom。

アカウントの作成は基本情報のみなので簡単に作成でき、アカウントを作成すれば支払い不要ですぐにMTGを始めることができます。


40分以内という制限はあるものの無料で始められるため、無料プランで利用しているという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


このように無料で初めは使ってもらい、利用開始に対するハードルを下げることで利用者数を伸ばしていくことができます。

利用目的によってプランが異なる

前述したzoomを例に挙げると、有料にした場合は個人プランとビジネスプランがあり、例えばビジネスプランの場合は利用人数や利用できるサービスの量によって料金プランが分かれています。


その他のSaaSサービスでも、利用目的やボリュームによって料金プランが分かれており、料金もサブスクリプションタイプなので「まずは試しに1ヶ月有料で…」と気軽に始めやすくなっています。


さらに、SaaS企業が提供するサービスはどれも便利なツールであるため、仕事をする上で必須アイテムとなる(解約率減少)→社内全体で使い始める(利用者数UP)と良いサイクルができており、利用者数も売上も増加傾向にあります。

クラウド上で複数人が同時に作業できる


次に紹介したいSaaSの特徴は、クラウド上で複数人が同時に作業できることです。


営業職で外回りを行っている人など、常にオフィスにいるわけではない社員も多くいます。

そんな遠く離れた社員とも、MTGをしながら同じように変更されていく資料をみて会話をすることができることは、リモートワークも普及し始めた今とても重宝される特徴です。


SaaSがなければ、電話をしながら「3枚目の右上を見て!そこがAからBに変わるから〜」といって諸々変更し、その後保存し忘れてしまった、見ているところが違った…と落ち込むこともあったでしょう。


SaaSを使うことで電話は不要となり、Aさんが変更してくれた資料をそのまま引き出すことができます。


さらにクラウド上に保存されるため、保存し忘れて1からまたやり直しということもありません。

サブスクリプションタイプでコストや時間の削減ができる


最後に紹介するSaaSの特徴は、コストや時間の削減ができることです。

SaaSはサブスクリプションタイプでユーザー数ごとに購入できることが多く、

「1人しか使わないけど高い費用を払わないといけない」

「1人退職してしまったけど半年プランだから残りの3ヶ月分も払わないと…」

と言ったことはありません。


月ごとに更新され、好きなときに契約・解約ができ、月の途中で契約した場合は日割りで計算して請求してくれる、コスト削減に協力的なサービスばかりです。


もちろん年間契約の方が安くなることが多いですが、最初の3ヶ月は月額で使ってみて、今後も使いそうであれば年間契約に変更する。といったことが可能なので、安いからといって年間契約にする必要はありません。


またSaaSは効率化を目的として作られているものが多く、面倒だったものが簡単にでき時間の削減にも繋がります。

最近ではマネーフォワードや楽楽精算など、バックオフィス部門の効率化サービスの広告を見かけることが増えてきました。


バックオフィス業務では、大量の申請書やレシートを保管し、給料日前に一つずつエクセルに手打ちで入力していくであったり、交通費申請を承認する際に、その人の定期区間を確認し、定期区間を除外して交通費を計算するなどの非効率な部分がありました。


SaaSはそのような非効率な時間を削減してくれ、無駄な残業を減らすことができます。


今後SaaS業界への転職難易度は高くなる?


提供しているサービスは人のためになるものばかりで、今後も伸びていくとわかればSaaS業界に転職したいと考える方も多いのではないでしょうか?

SaaS業界への転職難易度は高いのか、そして今後転職難易度は高くなるのか見てみましょう。

学歴はあまり重視されない


有名企業となると大学卒業以上など学歴が見られることもありますが、SaaS業界に限らず、転職で一番重視されるのはこれまでの経験や実績です。


今いる企業でどのような経験をしてきたか、成果を出すために何を頑張ってきたかが大切ですので、大学のレベルなど学歴はあまり気にしなくていいでしょう。


面接では、「なぜ大学に行かなかったのですか?」「なぜその大学に行ったのですか?」という質問よりも、「前職ではどのような目標を持ち、その目標を達成するためにどんなことを行ってきましたか?」といったような仕事に関する質問がされるため、面接前には自分が現在の企業で行ってきたことを振り返っておくことをおすすめします。

SaaS業界未経験でも転職可能


SaaS業界が活発になってきたのはここ最近でもあり、SaaS業界経験がある方がまだ少ないため、業界未経験の方でも不利になることなく転職できます


不動産業界など昔からある業界では「不動産営業経験 3年以上」などが必須条件項目に入ってきますが、SaaS業界ではSaaS営業経験が必須条件項目に入ってくる方が珍しいので、転職できる人の間口が広いという意味では転職難易度は高くないでしょう。


その代わり、受ける職種の経験が求められることはあります。エンジニア職に応募する場合はエンジニア経験、営業職に応募する際には法人営業経験などは有利になるでしょう。


併せて読みたい:未経験でも大丈夫?SaaS系企業の営業職に求められるスキル

SaaS業界に転職するに向けて必要な資格


SaaS業界に転職するにあたって、必須となる資格はありません。前述したとおり、職種によっては経験が求められますが、必須条件に資格が記載されていることは少ないようです。


ただし海外展開をしている、もしくは検討している企業では英語力があるとプラスになったり、サービスを理解/提供する上でITの知識があるとよりスムーズに行えるため、ITパスポートを持っているとプラスになることもあるでしょう。

結論、SaaS業界の転職難易度は・・・


このように見ていくと、SaaS業界は業界未経験の方や高卒の方も活躍できる業界であり、転職難易度はそれほど高くないことがわかります。


転職難易度が高くないと聞くと、退職者が多いから誰でも入れる業界なのかと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんがそうではなく、SaaS業界が活発になり始めたのはここ最近であるため、採用要件の幅が広がっています。

SaaS業界は今後転職難易度が上がる可能性がある


現在はあまり転職難易度が高くないSaaS業界ですが、昨今SaaS業界が盛り上がってきておりますので、ここ数年でSaaS業界の転職難易度が上がる可能性が高いです。


転職難易度が上がる理由としては、

・SaaS業界経験者が増えてきているので、経験者と未経験者に分かれてしまう

・SaaS企業の知名度が上がっているため転職希望者が増える

などが挙げられ、「SaaS業界経験○年以上」が応募時の必須条件になったり、書類選考が厳しくなってくる可能性があるでしょう。


SaaS業界への転職をご検討されている方がいらっしゃる場合は、ぜひ採用要件の幅が広がっている今、転職活動をすることをおすすめします!


今後も伸び続けるSaaS業界に転職しよう


本記事では、SaaS業界が今後伸びていくのかどうか、その理由やSaaS業界の特徴についてご紹介してきました。

理解すればするほど、SaaS業界が今後も伸びていくことに納得されたのではないでしょうか。

これからもどんどん新しいサービスが生まれ、そのサービスが革命的なものになるかもしれません。ぜひそんなワクワクできる業界にチャレンジしてみませんか?

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