カスタマーサクセスマネージャー(CSM)とは?役割、仕事内容、年収を解説!

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

SaaS転職

最近、カスタマーサクセスという言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか?


カスタマーサポートと同じような意味だとイメージしている方もいるかもしれませんが、その役割やミッションは明確に異なります。


本記事では、カスタマーサクセス全体の意味などと合わせて、その責任者であるカスタマーサクセスマネージャ―について詳細に解説を行っていきます。

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カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、直訳すると「顧客の成功」を意味する言葉となります。


大まかに言えば、それを実現するためのポジションとなるわけですが、基本的にはセールスフォースが提唱してきた営業プロセスモデル=「The Model」の一部を構成。


マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスという、他の営業部門と連携しながら成果を目指していきます。

カスタマーサクセスマネージャーの仕事


カスタマーサクセスマネージャ―の説明をする前に、カスタマーサクセス自体の業務内容を紹介します。


まず重要になってくるのがオンボーディングのフェーズです。サービスの導入に向けて基本的な使い方から応用まで、段階的にクライアントへ説明していきます。この初期段階でしっかりとサポートすることで、顧客との信頼関係性を構築します。


そのうえで、あくまでも営業の一部として、より上位のプランやサービスの提案を行うアップセルや、現在利用しているサービスと互換性の高いサービスを紹介するクロスセルを実施。


また、カスタマーサクセスは主に“サブスクリプション型”でサービスを提供しているSaaS企業で導入されていることもあって、チャーンレート(解約率)を下げることも大切に。評価の指標としても、アップセル・クロスセル率やチャーンレートは重要度の高いものになります。


こうしたカスタマーサクセス部門の業務のマネジメントを行うのがカスタマーサクセスマネージャ―です。


前述したようなアップセル・クロスセル率やチャーンレートに加えて、NPS(ネットプロモータースコア※製品やサービスに対する顧客の信頼・愛着)、アクティブユーザー数といった指標も組み合わせながら、カスタマーサクセス全体の目標(KGI ・ KPI)を設定。


それを達成するために、PDCAサイクルを回して各指標の改善に取り組んだり、ときにはプロダクトチームにサービスの見直しの提案を行ったりしていきます。

カスタマーサクセスマネージャー(CSM)が注目されている理由とは?

カスタマーサクセスは主にSaaS企業で設置されていることが多いポジションです。


SaaSは、サブスクリプション型の契約がメインとなるため、契約の継続率、チャーンレートが収益に直結することに。だからこそ、カスタマーサクセスマネージャ―は非常に重要な仕事だと言えます。


さらに、SaaS業界全体のマーケット規模が拡大し、スタートアップも続々と立ち上げられているという状況も生まれているため、この職種の注目度は年々高まっています。

カスタマーサクセスマネージャーの年収は?

SaaS企業を中心に、多くの企業でカスタマーサクセスマネージャ―のニーズがあることから、年収も高めに設定されています。


下限でも年収500万円ほどに設定している企業がほとんどで、年収700万円、800万円以上を提示していることも珍しくありません。


カスタマーサクセスマネージャ―は、十分に高収入を目指せる職種だと言えるでしょう。

カスタマーサクセスマネージャーのミッション


カスタマーサクセスマネージャ―(CSM)は、インサイドセールス・フィールドセールスと自らのチームの橋渡し役を担います。


その実務においては、カスタマージャーニーの様々なフェーズに関わることとなり、状況に合わせた的確な対応・課題解決が求められます。


顧客のライフサイクルを俯瞰の視点で観察し業務を進めながら、クライアントに貢献すると同時に、自社の事業成長を加速させることがミッションとなる仕事です。

営業とカスタマーサービスのギャップを調整

カスタマーサクセスマネージャーは、既存顧客との関係性を戦略的に発展させ、取引規模の拡大、継続利用率の向上、顧客満足度の最大化を目指します。


クライアントとの関係において、特に重要な2つのマイルストーンがあります。それは、製品の利用開始時期と最初の成功体験の獲得時期です。


ここで指す成功体験は、サービス導入による売上目標の達成や業務効率の大幅な改善など、顧客によって異なります。


そして、CSMが特に意識すべきなのが、このタイミングです。なぜなら製品の利用がうまくいかなければ、製品自体への関心も下がり、逆に成功してしまうとそれで製品の価値を感じなくなってしまう可能性があるからです。


そこでカスタマーサクセスが的確に対応できるようにすることがCSMには求められます。

付加価値を与えて解約率を抑える

カスタマーサクセスマネージャーは、製品導入の初期段階において適切なガイダンスを行い、チャーンレートの減少に貢献しますが、それだけでなく導入後の継続的な関係構築も重要なミッションです。


クライアントと積極的にコミュニケーションを取り、製品利用状況を定期的に確認。必要に応じてフォローアップを行います。実は、SaaSを導入しても、多くの企業が実際にはほとんど利用していないというデータもあるのです。


製品の価値を十分に理解してもらい、活用してもらうためにも、クライアントニーズを把握したうえで、製品活用のベストプラクティスを共有していくことが重要です。

サポートプロセス全体を俯瞰的に捉える

カスタマーサクセスマネージャーは、顧客ライフサイクルの様々なフェーズにまたがって対応を推進するうえ、それが複数企業で同時に進行することもあるため俯瞰的な視点が欠かせません。


個別のカスタマーサクセス担当であれば、各問合せ・クライアントのみに目を向ければ問題ありませんが、マネージャ―は全体に目を向ける必要があります。


たとえば、一つの製品の一部の仕様により複数のクライアントに影響を与えることもあり、それがどう解約率に影響するのか予測・対応しなければいけないことも。


同時に開発部門と連携して、なぜそのような仕様になっているのか確認したうえで、顧客のニーズとビジネス全体を天秤にかけて判断を行ったり、対応策を練るというシーンも発生します。

カスタマーサクセスマネージャーの必須要件


自社の事業の発展に大きな影響力を与えるカスタマーサクセスマネージャ―(CSM)。その仕事やミッションは多岐にわたります。それを遂行するためには以下4つのスキルが必須となります。


・業界知識
・KPIマネジメント力
・コミュニケーション能力(関係構築力)
・プロジェクトマネジメント力

カスタマーサクセスマネージャーに求められるスキル

【業界知識】

CSMには、自社製品やサービスに関する深い理解に加え、業界全体の動向を把握し、ビジネスに与える影響を理解する必要があります。


また、顧客企業の業界特性や課題も理解していなければなりません。これらの知識を総合的に活用することで、顧客に対して適切な提案やアドバイスを行うことができるようになります。

【KPIマネジメント力】 

CSMには、数値を用いて継続的にチーム運営・業務などを改善していくことが求められます。


そのために、重要な指標であるチャーンレートやNPS、クロスセル・アップセル率をもとにKPIを正しく設定しマネジメントするスキルを欠かすことはできません。

【コミュニケーション能力(関係構築力)】

クライアントの実務担当や経営層、部署のメンバー、自社の開発チーム、フィールドセールス・インサイドセールスなど、CSMは様々なレベルの関係者とコミュニケーションをとります。


さらにはただ連携をとるだけでなく、信頼関係を築けることが重要になってきます。

【プロジェクトマネジメント力】

 CSMは、複数のクライアントを同時にマネジメントしながら、それぞれのオンボーディングや活用を促進するプロジェクトを実行する必要があります。


そのため、優先順位の設定、リソースの配分、スケジュール管理などのプロジェクトマネジメントスキルは必須になると言えるでしょう。

カスタマーサクセスマネージャーの主要な職務

カスタマーサクセスマネージャーの主な業務内容は、以下の3つになります。


・長期的な顧客関係の管理
・ブランドと製品のプロモーション
・先回りでの問題の解決


ここでは上記の3つの視点からカスタマーサクセスマネージャ―の主要な職務を解説します。

長期的な顧客関係の管理

SaaSの普及に伴って、ソフトウェア市場のビジネス形態は“買い切り型”から“サブスクリプション型”へ変化するようになりました。つまり、契約がゴールではなくスタート地点になるのです。


そのため、顧客の成功をサポートすることで、長期的にサービスを利用してもらえるように顧客との信頼関係を構築する必要があります。


顧客との信頼関係を構築するためには、定期的なチェックインやビジネスレビューを通じて、顧客の課題や目標を把握し、最適な活用方法を提案したりします。


特に、顧客のビジネス成長に寄り添い、アップセルやクロスセルの機会を見極めることが重要です。

ブランドと製品のプロモーション

顧客に新製品や機能のリリース情報を共有し、そのプロモーションから導入までをサポートするのもCSMの職務の一つです。


顧客に新しい製品や機能に関心を持ってもらい、アップセル・クロスセルを進め、かつ進化を続ける自社に興味を持ってもらい続けることはチャーンレートにもつながってくると考えられるでしょう。


他にも、ウェビナーやユーザーコミュニティの運営を通じて、顧客同士の成功事例を共有し、エンゲージメントを向上させるための施策を行うこともあります。

先回りでの問題の解決

チャーンレートを減少させるには、顧客と信頼関係を築き、課題を最短で解決し続けることが重要です。


そのためにCSMは定期的に顧客とミーティングを行って、要望や質問に答えると同時に、顧客満足度を調査。なにかネックとなる問題があればスピーディに対応し、その解消を目指します。


最近では、データ分析を活用することで利用頻度の低下や異常な動きを検知し、トラブルが起こる前にフォローアップを行える体制が整えられています。

カスタマーサクセスマネージャーは様々な面から魅力を感じられるポジション

カスタマーサクセスマネージャ―は、特にSaaS企業にとっては非常に重要度の高い、つまり求職者にとっては大きなやりがいを実感できるポジションです。


その分、求められる要件のレベルは低くないものの、待遇も整っていることが多く、少しでも興味を持たれた読者の方には、ぜひ転職先として検討していただきたいと思います。

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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