SaaS業界への転職を「やめとけ」と言われる理由とは?向いている人の特徴も併せて解説

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SaaS転職

近年、右肩上がりの成長が続いているSaaS業界。業績好調を受け、SaaS系企業各社の採用ニーズは旺盛で、インサイドセールスやフィールドセールスなどを中心に求人件数も増えています。


将来性が高い業界とも言われており、転職先の候補としてSaaS業界が挙がることも多いでしょう。


しかし、ポジティブな話を聞く一方で「SaaS業界はキツイからやめとけ」などという言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。


そこで今回は、なぜ「SaaS業界はやめとけ」と言われてしまうのか、実際のところSaaS業界で働くことはどうなのかについて、これまでSaaS業界への転職サポートを数多く行ってきた『キャリア・エックス』が詳しく解説します。


SaaS業界に興味を持っている方は、ぜひご覧ください。

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SaaSとは?

SaaSとは「Software as a service」の略で、インターネットを通じてアプリやサービスを利用する形態を指します。


数多くあるクラウドサービスの1つで、クラウド上で使用できるソフトウェアの総称でもあります。


従来のソフトウェアは、PCやスマホなどのデバイスにインストールして使用されていたのに対し、、SaaSはクラウドにアクセスしてソフトウェアを利用するため、特定のデバイスがなくてもソフトウェアを扱うことができます。


さらに詳しく知りたいという方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

SaaSとは?代表例とともに分かりやすく解説!PaaSやIaaSとの違いも

代表的なSaaSプロダクト

代表的な例として、Googleが提供しているメールアプリ「Gmail」や、チャットツールの「Slack」、オンラインストレージサービス「Dropbox」、会計ソフトの「freee」などが挙げられます。


いずれも、専用のソフトウェアやアプリをインストールしなくても、インターネット環境があればどんな場所でもどのデバイスからでもアクセスが可能です。

SaaS業界の営業職の種類

SaaS業界の営業は、企業によって違いはありますが、ほとんどの企業はインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの3つの職種に分けています。


このようにプロセスごとに職種を分けることで、業務の効率化や成果の最大化に繋げられるようになっています。


それでは、それぞれの職種について簡単に見ていきましょう。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、電話やメール、オンラインツールなどを活用して、クライアントと対面せずに営業を行う「内勤営業」を担当する職種です。


主な役割は、マーケティング部門がリストアップした見込み顧客リストをもとにアプローチを行い、信頼関係を構築しながら購入意欲を高めるといった「リードナーチャリング(顧客の育成)」を行い、商談のアポイントを獲得して、フィールドセールスにトスアップします。

併せて読みたい:インサイドセールスは楽しい?それとも大変?インサイドセールスの魅力や向いてる人の特徴とは

フィールドセールス

フィールドセールスは顧客に対して対面で営業を行う「訪問型営業」のこと。


インサイドセールスがアポイント獲得した顧客のもとに足を運び、製品やサービスの商談を行い、成約につなげるまでのフェーズを担っています。


営業プロセスの中でも、「新規顧客から契約を獲得する」という中核の役割を担うため、高い商品やサービスの知識、商談スキルが求められます。

併せて読みたい:インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?仕事内容や役割の違いを詳しく解説!

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、自社の商品やサービスを購入した既存顧客に対し、「顧客の成功体験」を実現するための取り組みを行う職種です。


契約後の導入サポート(オンボーディング)のほか、定期的に顧客とコミュニケーションを取り、信頼関係を築きながら、継続利用いただくためのフォローを行います。


日々の疑問や不安点を潰したり活用事例を共有したりするなど、離脱を防ぐためのフォローも重要な役割です。


場合によっては、上位プランへのアップセルや、関連商品・サービスのクロスセル提案も行います。

併せて読みたい:SaaS業界で話題のカスタマーサクセスとは?目標や転職する方法も解説

SaaS業界の求人動向

次に、SaaS業界の転職市場の動向について見ていきましょう。

業界全体の拡大で求人ニーズは旺盛

SaaS市場のトレンドをまとめた「Japan SaaS Insights 2024」によると、日本のSaaS市場は2023年に1.4兆円に達したと見込まれ、2027年には2兆円を超えると予想されています。


SaaS市場の成長の勢いにかげりは見られず、SaaS系企業の拡大傾向は今後も続くと見られます。


それに伴い、営業を中心に各社とも採用を強化しています。


SaaSビジネスは、BtoBがメインです。そして多くは、ユーザー数が増えるほど収益も増えるというサブスクリプション型(継続課金モデル)の料金体系であるため、収益拡大のために企業規模の大きい大手を狙うSaaS企業が増えています


これらの営業プロセスを、1人の営業担当者が担うのは難易度が高く、特に営業工数が多くなりがちな大手企業ターゲットの場合は、非常に非効率と言えます。


そのため、見込み顧客(リード)の育成を担うインサイドセールスや、商談・クロージングを担うフィールドセールス、契約後のオンボーディングやフォローなどを担うカスタマーサクセスなどに、営業プロセスを分業化する企業が増えており、それに伴い採用職種・採用人数ともに増加しています。 

未経験者にも門戸を開く企業が多い

旺盛な求人ニーズを背景に、業界・職種経験が豊富な人材は各社とも取り合いになっており、未経験者にも対象を広げて募集している企業も増えつつあります。


特に見込み客の育成とアポ獲得を担うインサイドセールスや、契約後の顧客と長期的な関係性を築くカスタマーサクセスは、顧客と非対面で信頼関係を築くためのコミュニケーション力や、顧客の課題やニーズを引き出すヒアリング力・傾聴力・洞察力などがあれば力を発揮できる可能性が高く、インサイドセールス未経験であってもポテンシャルを評価し、採用するケースは少なくありません。

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SaaS業界への転職が「やめとけ」と言われる理由

営業をプロセスごとに分けることで業務効率化を行っていたり、SaaS業界の求人動向を見てみると、成長中のSaaS業界で働くのはやりがいがありそうですが、なぜ「SaaS業界はやめとけ」という声があるのでしょうか?


考えられる理由をピックアップしてみましょう。

業績好調企業が多くハードワークと言われているから

前述のように、SaaS業界は右肩上がりで拡大しています。


そのため、1人当たりの業務量が多くなりがちと考えられ、ハードワークだと思われているようです。


また、SaaS業界は比較的新しい業界です。


国内では数少ない成長分野であり、新たに参入するスタートアップ企業も増えつつあります。


立ち上げ間もない時期は、社内の態勢も整備し切れておらず、ハードワークだと感じる人も少なくないのかもしれません。

企業間競争が激しく営業難易度が高いと言われているから

SaaS分野に新たに参入する企業は多く、企業間競争が激化しつつあります。


各社とも、商品・サービスの機能やフォロー体制、価格などでしのぎを削っていますが、特に新規参入したばかりで知名度が低いスタートアップや、商品・サービスの機能や価格が競合に劣る場合は、どうしても営業難易度が高くなります。


こういう企業に属している人が、「いくら頑張っても成果が上がりにくい」としんどさを覚えている可能性があります。

目標管理が細かく、厳しい傾向にあるから

SaaS業界の営業職は、細かい数値目標を課せられるケースが多いようです。


例えば、インサイドセールスならば1日当たりの架電数やアポ獲得件数、有効商談獲得件数などが設定されています。


フィールドセールスも、1日当たりの訪問件数のほか、新規契約件数や契約率、契約額、提案回数や顧客単価なども細かく管理されているケースもあります。


このように日々の細かい数値目標に追われることに、辛さを感じる人も少なからずいるようです。

SaaS業界に向いている人・向いていない人の特徴

「やめとけ」との声があるSaaS業界においても、向いている人・向いていない人のタイプがあります。


それぞれの特徴を、解説します。

向いているのは「営業力を磨きたい人」「中長期視点で臨める人」

SaaS業界に向いている人としてまず挙げられるのは、自身の営業力を磨きたいと考えている人です。


前述のように、SaaS業界では営業の分業化が進んでいます。


インサイドセールスは顧客との関係性構築とリード育成に、フィールドセールスは商談とクロージングにと、それぞれの工程に集中することができます。


成長中の業界で、得意分野のスキルをとことん磨き上げたいという人には、SaaS業界はうってつけです。


また、中長期的な視野で物事を捉え、行動できる人も向いていると言えます。


SaaS業界では、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化が重視されています。


これは、将来にわたって1つの顧客が生み出す予想収益の総額のことで、継続的な購入や課金が見込める商品・サービスでは、非常に重要な数値です。


したがって、SaaS業界で働く場合は、顧客とともに未来を見据えながら、顧客の今後の事業展開などを考えたうえで、情報共有や提案を行ったり、商談を実行したり、継続フォローしてアップセル・クロスセルを展開したりする必要があります


そしてエンタープライズ営業の場合は、そもそも契約までが長期戦です。


大手になればなるほど、ターゲット企業に入り込むまでに時間がかかりますし、決裁者にたどり着くまでには、さまざまな関係者とじっくり信頼関係を築く必要があります。


商談・クロージングに至るまでに年単位でかかるケースもあり、目先ではなくじっくり腰を据えて物事に取り組む姿勢が必要とされます。

向いていない人は「チームワークが苦手な人」「数字が不得意な人」

SaaS業界の仕事は「チームワーク」が必須です。


多くのSaaS企業が営業の分業化を取り入れていますが、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスが連携を取り、情報や進捗を共有しながら業務を進めています。


すべての営業プロセスを一人で行う従来型の営業に慣れていて、分業や連携に面倒くささを感じる人には、SaaS業界は向いていないかもしれません


また、前述したように、SaaS業界の営業職は細かい数値目標を課せられるケースが多いです。


日次、週次、月次の目標を把握し、達成のために行動するのはもちろん、「月次目標を達成するためには、週当たり何件の商談アポを取ればいいのか、そのためには1日当たり何件にアプローチすればいいのか」などと行動計画を算出する「逆算思考」も重要。


数字に縛られたくない人や、そもそも数字に苦手意識がある人は、SaaS業界では働きにくいかもしれません。

SaaS業界がビジネスパーソンにとって魅力的である理由

ここまで、SaaS業界がやめとけと言われる理由や、向いている人・向いていない人などについて解説してきました。


SaaS業界は成長中の業界であり、ハードワークの企業もあることから、「やめとけ」という声が挙がるのはわかりますが、成長意欲の高いビジネスパーソンにとっては非常に魅力的な業界とも言えます。

その理由をご紹介いたします。

成長業界でスキルアップできる

SaaS業界は右肩上がりの成長を続けており、今後も当面は旺盛な求人ニーズが続くと見られます。


また、SaaS業界は比較的新しい業界であり、業界経験者もまだそれほど多くありません。


今のうちにSaaS業界に飛び込み、経験を積みスキルを磨いておくことで、自身の市場価値を高めることが可能になるでしょう。


国内では少子高齢化が進み、シュリンクする市場が多い中で、継続的な成長が見込める業界は希少です。


現場の最前線で、成長業界ならではの勢いを感じながら働けるのも、SaaS業界の魅力と言えるでしょう。

キャリアパスが幅広い

SaaS業界の営業職を経験すると、その後さまざまなキャリアパスが考えられます。


インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとも、まずは自社で職務経験を積み、リーダーやマネージャー職へのステップアップが考えられます。


SaaS業界は成長中の企業が多く、事業拡大とともにポストも増えるため、比較的昇進・昇格しやすいのが特徴です。


また、互いに連携を取りながら業務を進める必要があるため、インサイドセールスからマーケティング、フィールドセールス、カスタマーサクセスに異動するなど、営業プロセス間の異動も考えられるでしょう。


なお、インサイドセールス、カスタマーサクセスの場合、顧客とじっくり向き合って課題をつかみ、アプローチ方法を考えたり、提案内容を組み立てたりする力が磨かれるため、事業企画などに転身するケースもあります。


フィールドセールスの場合は、新規顧客への商談経験を活かして営業企画や営業コンサルタントへの転身が考えられます。

おすすめのSaaS企業3選

キャリア・エックスがおすすめするSaaS企業を3社、ご紹介します。

1:Sansan株式会社

国内約8,000社が導入する業界シェアトップの名刺管理「Sansan」や、300万人以上が使う個人向け名刺管理「Eight」、請求書に関する業務のデジタル化を推進する「Bill One」などを手がけるSansan株式会社。


サービスの利用者数は着実と伸びている一方でサービス解約率は0.5%(有価証券報告書より)と低水準で、今後もSansanが手がけるサービスの利用者数は伸びていくと予想されます。


平均年収は640万円と、転職サービスdodaが調査したIT業界の平均年収436万円よりも高水準。


職種ごとに昇格や昇給のテーブルが明確化されており、評価が公平である点も魅力と言えます。


参考:Sansan株式会社の平均年収は640万円!ユニークな福利厚生がたくさん


2:株式会社ラクス

クラウド事業とIT人材事業を手掛ける株式会社ラクス。


クラウド事業では、経理業務のDX化・効率化を実現できる「楽楽精算」や、請求書、納品書などの帳票を電子発行できる「楽楽明細」などのサービスを展開しています。


IT人材事業では、エンジニア不足が深刻化するIT業界に向け、自社でエンジニアの採用・教育を行い、育った優秀なIT人材を企業に派遣(常用型)するサービスを運営しています。


中途入社社員の多くはIT業界出身ではなく、異業種出身者が約65%であり、平均年齢が32歳と若いのも特徴。


ラクスが公表している有価証券報告書によると、従業員の平均年収は619.9万円で、IT業界の平均年収よりも高いことが分かります。


残業も20時間以内であり、働きやすい環境が整っているといえます。


参考:株式会社ラクスの平均年収は619万円!残業20時間以内の東証プライム上場企業


3:株式会社ユーザベース

経済情報プラットホーム「SPEEDA」や国内最大級のスタートアップ情報プラットホーム「INITIAL」など、次々と新しいサービスを立ち上げ、シンガポールや上海などへの海外進出も行う株式会社ユーザベース。


スーパーフレックス制度などを活用し働き方を自分でデザインできる点や、グループ内副業制度や新規事業を立案できる制度など新しいことに挑戦しやすい環境がある点が魅力です。


平均年収は759万円(※)と、IT業界の中でも高水準です。


勤続年数や年齢ではなく、ユーザベースのpurposeやバリューを体現できているメンバー、高いパフォーマンスやコミットメントを果たしたメンバーに対して高い報酬を支払う仕組みができているので、頑張った人がしっかりと評価される体制が整っています。


参考:株式会社ユーザベースの平均年収は759万円!働き方はフルリモートでフルフレックス?!

SaaS業界への転職はやめとけは嘘!魅力がたくさん

ここまでの内容で、SaaS業界への転職は「やめとけ」とは言い切れず、成長意欲が高く、伸びている業界・企業で活躍したいビジネスパーソンにとっては非常に魅力的な環境であるとご理解いただけたと思います。


SaaS業界に興味を持った、働いてみたいと思われた方は、ぜひ転職エージェントに相談してみてください。


求職者お一人おひとりの経験やスキル、希望条件などに沿った、SaaS業界の求人案件をご紹介します。


その中、キャリア・エックスでは特にSaaS業界に強みを持っているため、豊富な求人案件を保有しているのが特徴。


応募先の紹介はもちろん、応募企業に合った応募書類の作成サポートや面接アドバイスなども行っています。


SaaS業界に転職したいという方は、ぜひキャリア・エックスにお問い合わせください。

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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