Web業界には複数の営業職があり、その中でも「激務」「きつい」と言われるのがアカウントプランナーです。仕事内容から激務とのイメージが持たれやすいようです。
アカウントプランナーが本当に激務できついのかを知るためには、他の営業職を含めて知ることが重要です。今回はWeb系の営業職についてご説明し、激務できつい仕事であるのかご説明します。
Web広告業界3つの営業職
Web広告業界の営業職は大きく3つに分類できます。それぞれについて以下では細かくご説明します。
アカウントプランナー
アカウントプランナーの意味合いは状況や企業によって異なるため一概にはいえませんが一般的には「広告代理店の企画営業」を指すことが多いです。後ほどご説明するメディア営業や広告営業とは異なり、単なる広告枠の販売を行うだけではなく、「どのような広告枠にどのような広告を掲載するのが適切か」や「限られた予算の中で目標を達成するために、どういった方針で広告を出すべきか」などをクライアントと共に検討します。
一般的な広告業界の営業といえば「広告主(クライアント)を探す」ことが主軸に置かれています。しかし、アカウントプランナーは広告を出してもらうだけではなく「広告についての企画や提案」まで担当することが大きなポイントです。
なお、アカウントプランナーは企画や提案をしますが、受注後に実際に行動するのはそれぞれの担当部署となります。例えば、媒体ごとの広告運用担当者やバナーや動画などのクリエイティブを作成するデザイナー・ツールの導入サポートを行う担当者など様々な部門との連携が必要とされます。大手企業になればなるほど、細かい単位で分業されており、きめ細かい対応ができる体制が整備されています。
アカウントプランナーの仕事は、「激務・きつい」などといった印象を持たれることも多いですが、近年大手企業などでは特に厳しく労働時間の管理を徹底しており、従来のイメージとは異なり、限られた勤務時間内で効率よく働くことが評価される風潮となっています。
メディア営業
メディア営業は自社メディアの広告枠を販売する営業職です。近年はWebメディアを保有する企業が多くなり、そのような自社メディアの広告枠をクライアントに提案する仕事も増えています。
現在はWeb広告が当たり前となり、クライアントは広告出稿におけるパフォーマンス(費用対効果)を重視し、広告出稿先の選定を行います。
クライアントにも予算があるため、その中で最大限広告効果を期待しています。
メディア営業は「競合他社と比較して優位な点」などを押し出してクライアントを獲得しなければなりません。そのためには、営業活動の中で、競合他社の情報収集やクライアントからの意見をヒアリングし、自社メディアに不足している部分をプロダクトサイドへフィードバックし、プロダクトを改善していく力も求められます。
広告営業
広告営業も役割としてはメディア営業に似ています。同じようなWEBメディアを運営している会社でも呼び方が異なり、広告営業と呼ばれるケースもあればメディア営業と呼ばれることもあります。
イメージとしては、WEBメディアを扱っていない企業(例えば、新聞や雑誌などの紙媒体を扱うような会社)で広告営業という言葉を使うことが多いです。
アカウントプランナーが激務だと考えられる理由
アカウントプランナーは激務だと考えている人は一定数いるようです。続いてはアカウントプランナーが激務だと考えられている理由についてご説明します。
残業・休日出勤が多いイメージがあるから
アカウントプランナーには「残業が多い」「休日出勤がある」とのイメージがあるようです。基本的には残業や休日出勤はありませんが、定時内に業務が終了せず、遅くまで対応しなければならない場面が少なからずあります。
ただし、このようなことはアカウントプランナーに限った話ではなく、どのような営業でも繁忙期は忙しく仕事量が増えるため、残業も増えます。
世間一般的に、一部の大手広告代理店=ブラック企業という印象がまだ残っているため、アカウントプランナーは残業や休日出勤が多いと考えられているのかもしれません。
ノルマが厳しそうだから
一般的に営業職にはノルマが設けられています。「ノルマを達成するためには朝から晩まで休日返上で働く必要がある」などと勝手なイメージを持ってしまい、アカウントプランナーはノルマに追われて激務だと考えられているのかもしれません。
ただ、これはあくまでイメージであり、実際にアカウントプランナーがノルマの影響で激務だとは限りません。ノルマは決して理不尽に設定されているわけではなく、個人のスキルを考慮し、適正なラインで設定されていることがほとんどです。
そもそも、ノルマとは言い方を変えれば目標設定のようなもので、営業職に限らず仕事をする上で目標設定があることは一般的なことです。決してアカウントプランナーだけにノルマがあり、過酷な環境にあるというわけではありません。どの職種にも少なからず仕事へのプレッシャーは存在するものです。
高いスキルが求められそうだから
アカウントプランナーは提案が多岐に渡り複雑で必要な知識も多いため「高いスキルが求められる」とのイメージがあるようです。ここから「高いスキルがなければできないから難しい仕事」つまり「難易度が高く激務になる仕事」と連想してしまうようです。
確かに、アカウントプランナーはゼロから提案などを作り上げるため、高いスキルや専門性が求められます。特に未経験で入社した場合、最初は仕事を覚えたり、失敗することもあるので苦労もあるかと思います。
ただ、そのような状況だからといって激務とは限りません。ある程度の規模感の会社であれば、未経験でも教育体制が整っていたり、上司や先輩社員からのバックアップもあり、新しいメンバーへのサポートが充実していることが多いです。
実際、ある大手広告代理店に入社した方は、入社3ヶ月程度は、研修や先輩社員のサポート等で、月の残業時間が50時間を超える月もあったそうですが、入社半年も経つと、平均残業時間は30時間程度まで下がり、落ち着いた働き方ができているそうです。
アカウントプランナーは本当にきついのか
アカウントプランナーが激務だと考えられる理由についてご説明しました。ご説明した理由を踏まえて、本当にアカウントプランナーはきついのか考えていきましょう。
業務が立て込むときついのはどこも同じ
ご説明したとおり、業務が立て込むとアカウントプランナーは激務になる可能性があります。
ただ、そのような状況になるのはアカウントプランナーに限った話ではありません。どのような職業であっても、業務が立て込むと残業が続いたり、休日出勤になることもあります。
「アカウントプランナーは忙しくなりやすくきつくなりやすいのではないか」と考える人もいるでしょう。確かにそのような考えは正しいかもしれませんが、どの仕事でも大差はありません。
自分から進んでやるしかない
仮にアカウントプランナーがきつい仕事だとしても、その仕事を選ぶ以上は進んでやるしかありません。仕事がきついからと放置していては、業務が成り立たず周りに迷惑をかけてしまいます。
多くの仕事には忙しい時とそうではないときがあります。アカウントプランナーは激務の時もありますが、そうではない時もあるのです。仕事が立て込み激務の時はきついですが、自分で進んでやりきるしかありません。
アカウントプランナーに求められるスキル
アカウントプランナーには多くのスキルが求められています。それらの中でも特に理解しておいてもらいたいスキルについてご説明します。
コミュニケーションスキル
広告業界の営業職ではクライアントの要望をヒアリングしなければなりません。特にアカウントプランナーは細かくヒアリングをした上で提案する必要があり、コミュニケーションスキルは必須です。
コミュニケーションスキルの中でも「要望を聞き出すスキル」「遠慮なく話してもらえる関係を構築するスキル」は特に重要です。クライアントが本心でどのような考えを持っているのかを知らなければ、アカウントプランナーの役目は果たせません。
会話が成り立っていれば、最低限のコミュニケーションは取れます。ただ、それだけではなく課題発見のための詳細なコミュニケーションが求められます。
論理的な説明スキル
アカウントプランナーはクライアントに提案するのが仕事であるため、納得してもらえるストーリーを考えなければなりません。そのため、物事を論理的に説明するスキルが必要とされます。
物事を論理的に説明するためには、数値やファクトで合理的に示すのが良いでしょう。数値で示すためには情報を分析し、納得感が得られる説明ができなければなりません。
また、クライアントが感情的に意見する時でも、冷静に物事を見極め論理的に対応する必要があります。頭ごなしにクライアントを否定していてはトラブルになるため、角が立たないよう論理的な説明で納得してもらうことが重要です。
資料作成・プレゼンスキル
プレゼンテーション・印刷物を問わず資料作成のスキルが重要です。
提案内容が良くてもそれを伝えるための資料が悪ければ受け入れられない可能性があるため、資料作成のスキルは早い段階で取得しておきましょう。
また、資料作成だけでなくプレゼンテーションスキルも重要です。上記でご説明した論理的な説明スキルに加え、プレゼンスキルも磨くようにしましょう。クライアントのレベル感に合わせた適切なプレゼン手法の使い分けが求められます。
まとめ
アカウントプランナーの仕事内容と激務であるのかについてご説明しました。仕事内容から「激務できつそう」とのイメージがまだ強いようですが、実際にはアカウントプランナー固有とは言い切れません。どの営業職でも繁忙期は激務になりますし、営業職以外でも時期によっては激務になるのです。
ただ、アカウントプランナーはクライアントに対して提案が必要で、ゼロから考えなければなりません。このような提案スキルは経験によって習得できるもので、最初のうちはスキル不足からキャッチアップに時間がかかり、苦労することも多いかもしれません。
また、アカウントプランナーにはコミュニケーションスキルや説明スキル、資料作成スキルなどが求められます。どのスキルが不足してもクライアントとのやり取りに支障をきたすものです。常日頃からスキルアップを心がけましょう。
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