SaaSとは?PaaS・IaaSとの違いや種類、主なサービスまで徹底解説!

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

SaaS転職

近年、ビジネスシーンでよく耳にするようになった「SaaS」。


本記事ではSaaSについての解説から始まり、代表的なSaaSの一例、「PaaS」や「IaaS」との違い、そして、SaaS導入のメリット・デメリットを解説します。ぜひ、最後まで読み進めて頂ければ幸いです。

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SaaSとは?

SaaSとは、正式には「Software as a service」といいます。これを略してSaaS(サーズまたはサース)と呼んでいます。


これまでのソフトウェア配布モデルでは、ユーザーはソフトウェアを購入してインストールする必要がありました。


しかしSaaSでは、ユーザーはソフトウェアを所有するのではなく、必要な機能をインターネット経由で利用することができます。

SaaSの特徴とは?

SaaSの特徴について見ていきましょう。


1.マルチデバイスによる利用ができる
2.オンラインストレージへのデータ保存ができる
3.複数人での同時管理・編集操作ができる

1. マルチデバイスによる利用ができる

SaaSは、インターネットに接続できる環境があれば、パソコン・スマートフォン・タブレットなど、さまざまなデバイスで利用できます。


特定の端末に依存せず、場所を問わずに業務を進められるため、リモートワークや外出先での作業にも適しています。


さらに、デバイス間でデータが同期されるため、どの端末からアクセスしても最新の情報を確認できるのが大きな特徴です。

2. オンラインストレージへのデータ保存ができる

データがクラウド上に保存されるため、ローカル環境に依存せずに利用できます。


これにより、PCの故障や紛失時にもデータが失われるリスクを軽減できるほか、ストレージ容量を気にせずに業務を行うことが可能です。


また、バックアップや復旧の手間も軽減されるため、企業のIT管理コスト削減にも貢献します。

3. 複数人での同時管理・編集操作ができる

SaaSは、複数のユーザーが同時にアクセスし、データを管理・編集できる仕組みが整っています。


例えば、クラウド上のドキュメントやスプレッドシートをリアルタイムで編集できるため、チームでの共同作業が円滑になります。


また、変更履歴の管理やアクセス権限の設定も可能なため、情報の正確性やセキュリティを保ちながら業務を進められます。

SaaSと混同しやすいクラウドサービスの違い

「SaaS」と「PaaS」や「IaaS」は、どれもクラウドサービスに関する言葉だということは共通していますが、それぞれ違いがあります。


主に、利用者とベンダーの間の責任範囲や、提供されるサービスの範囲などに違いがあります。

SaaSとPaaSの違いとは?

PaaS(Platform as a Service)とは、主に開発者向けにアプリケーションの開発・実行環境を提供するサービスです。


SaaSは完成されたサービスを利用するのに対し、PaaSはカスタマイズ性が高く、開発者が独自のアプリケーションを構築できる点が大きな違いです。


自社で用意するよりも少ない時間とコストで、環境開発を構築できる点が魅力となっており、代表的なサービスとしては「Amazon web services」や「Google cloud Platform」などが挙げられます。

SaaSとIaaSの違いとは?

IaaS(Infrastructure as a Service)とは、サーバーやネットワーク、ストレージなどのITインフラをクラウド上で提供するサービスです。


SaaSがアプリケーションを提供するのに対し、IaaSは仮想サーバーやストレージを必要に応じて利用できるため、企業が独自のシステムを構築する際に適しています。


クローズドなネットワークを基盤から構成できるため、セキュリティレベルも拡張性も高いですが、その反面、使いこなすためにはそれ相応の知識や技術が要求されます。


代表的なサービスとして「Amazon Elastic Compute Cloud」「Microsoft Azure」「Google Compute Engine」などが挙げられます。

SaaSのサービス提供形態の種類

SaaSには汎用型の「Horizontal SaaS(ホリゾンタルサース)」と特化型の「Vertical SaaS(バーティカルサース)」の二種類があります。

1:Vertical(バーティカル)SaaS

バーティカルSaaSは、農業や建築業、医療など業界に特化したSaaSを指します。


例を挙げると、インターネットやデータを活用して農業の効率化を目指す「アグリテック型SaaS」、外来予約の効率化やオンライン診療を実現する「ヘルステック型SaaS」などがあります。

2:Horizontal(ホリゾンタル)SaaS

ホリゾンタルSaaSとは、ビジネスチャットや会計ソフトなどの、どんな業界・企業でも共通する機能を提供するSaaSです。


一般的に「SaaS」という場合はこのホリゾンタルSaaSを指すことが多いでしょう。

SaaSを提供する国内外の主な企業

SaaSの代表例を見てみましょう。中にはZoomやGoogle関連などのSaaSという言葉を耳にしたことが無い方でも知っている、または利用したことがあるサービスがあると思います。

SaaSを提供する主な企業《国内5選》

国内のSaaS企業は最近増え始めていることから、設立から数年のスタートアップ企業が目立ちます。業務効率化促進やDX化が進んできている背景から、今後もSaaS企業の増加が見込まれるでしょう。


一方で、サイボウズ株式会社やSansan株式会社など、設立から10年、20年経っている企業もあります。株式会社リクルートのように、大企業が新規事業としてSaaSの提供を始めることもあるようです。


それでは、国内の主なSaaS企業を5つご紹介いたします。

・サイボウズ株式会社(業務効率化・グループウェア)
・Sansan株式会社(営業支援・名刺管理ツール)
・freee株式会社(会計・バックオフィス管理)
・株式会社マネーフォワード(会計・バックオフィス管理ツール)
・株式会社ラクス(業務効率化・経理・人事支援ツール)

SaaSを提供する主な企業《国外5選》

次に、国外の主なSaaS企業を見ていきましょう。

・Salesforce.com(CRM・営業支援)
・Microsoft Corporation(ビジネスアプリ・クラウド)
・Zoom Video Communications(オンライン会議)
・Slack Technologies Inc.(ビジネスチャット)
・Zoho Corporation(業務支援・CRM)


日本にも普及している海外のSaaSは知名度が高く、一度は聞いたことがあるというサービスがほとんどではないでしょうか。


国外のSaaSはサポートがチャットのみ、英語のみという場合もありますので、導入の際はサポートが自分にとって十分かどうかを確認する必要があります。こちらの記事も併せてご覧ください。

インストール型サービスと比べたSaaSのメリット

SaaSは業務効率化に繋がる、場所を問わず利用できることがメリットとして挙げられやすいですが、それ以外にもインストール型のサービスと比較して、以下のようなメリットがあります。


・サービスの導入が簡単・初期費用を抑えやすい
・時間・場所・デバイスを問わずに利用できる
・複数人で同時に作業ができる
・常に最新の状態で使える
・ソフトウエアの管理が不要なので運用・保守の負担を軽減できる

それぞれ見ていきましょう。

1:サービスの導入が簡単・初期費用を抑えやすい

SaaSはクラウド上で提供されるため、ソフトウェアを自社のサーバーにインストールする必要がなく、すぐに利用を開始できます。


また、多くのSaaSはサブスクリプション型の料金体系を採用しており、導入時や月額コストはインストール型サービスと比較すると高くありません。そのため、導入のハードルが低く、小規模な企業やスタートアップでも手軽に活用できるでしょう。


試用期間を設けているサービスも多く、自社に合うかどうか事前に確認できるのも嬉しいポイントです。

2:時間・場所・デバイスを問わずに利用できる

インターネット環境さえあれば、PC・スマートフォン・タブレットなど、さまざまなデバイスで利用が可能です。


また、オフィスはもちろん、外出先や自宅でも作業ができるため、リモートワークやフレックスタイム制にも最適です。


業務の場所に縛られず、柔軟な働き方を実現できるため、従業員の生産性向上やワークライフバランスの改善にもつながります。

3:複数人で同時に作業ができる

同じシステムにリアルタイムでデータを共有・更新できるため、複数のメンバーが同時に作業することが可能です。


離れた場所にいても同じ状況の画面を見ながら話せるため、情報の伝達ミスを防げますし、業務のスピードと効率が向上します。

4:常に最新の状態で使える

SaaSはクラウド上で提供されているため、提供企業がアップデートしたものは自動的に反映され、常に最新の機能やセキュリティ対策が適用されます。


法改正で業務の負担が増えやすい経理業務も、SaaSを利用すれば簡単に対応することができます。


インストール型の場合は、新機能が追加されたバージョンを新たに購入してインストールしなければ反映されないことを考えると、これはクラウド上でサービスを提供しているSaaSの強みと言えるでしょう。

5:ソフトウェアの管理が不要なので運用・保守の負担を軽減できる

SaaSはベンダーがサーバーの管理やメンテナンスを行うため、追加で行いたい場合を除いてユーザー側でインストールやバックアップ、セキュリティ対策をする必要がありません。


IT部門の負担を大幅に軽減できるほか、システムの障害対応やトラブルシューティングの時間も削減可能。


これにより、企業は本来の業務に集中しやすくなり、業務効率が向上します。

インストール型サービスと比べたSaaSのデメリット・注意点

SaaSのデメリットとしては、以下の6つが挙げられます。

・セキュリティ対策に注意が必要
・従業員にも高いセキュリティ意識が必要
・ネットワーク障害やサービス停止時の影響が大きい
・使っている間は常に料金が発生する
・大幅なカスタマイズが難しい
・データ移行が難しい


導入を検討している場合は、SaaSのメリット・デメリットを踏まえた上で、検討できるといいでしょう。SaaSサービスでの継続率向上や、CRM構築等にお悩みの方はパキシーノといった専門的な企業に依頼するのもありかもしれません。

1. セキュリティ対策に注意が必要

SaaSはクラウド上にデータを保存するため、インターネットに繋がっている以上、外部からの攻撃リスクを考慮しなければなりません。


もちろん提供側でセキュリティー対策も講じられていますが、データ暗号化やアクセス制御など、企業側でも対策を講じる必要があります。

2. 従業員にも高いセキュリティ意識が必要

SaaSを利用する従業員が適切にセキュリティ対策を行わなければ、情報漏洩のリスクが高まります。例えば、パスワード管理の徹底や、不正アクセスを防ぐための二要素認証の導入が必要です。

3. ネットワーク障害やサービス停止時の影響が大きい

SaaSはインターネット接続が前提のため、ネットワーク障害やサービス提供元のシステム障害が発生すると利用できなくなります。


停電やWi-Fi不良などは突然発生しますので、その際に業務に影響を及ぼさないよう、代替手段を検討しておく必要があります。

4. 使っている間は常に料金が発生する

SaaSは基本的にサブスクリプション型の料金体系を採用しており、利用期間中は継続的に料金が発生します。


月額コストは高額ではないため導入ハードルは低いですが、長期間利用すると、買い切り型のソフトウェアよりトータルコストは高くなる可能性があります。

5. 大幅なカスタマイズが難しい

SaaSは提供元が開発した機能をそのまま利用する形式のため、大幅なカスタマイズが困難です。


また、すでに利用しているシステムと連携ができるかは、サービスがそのシステムとの連携を提供しているかどうかに委ねられてしまいます。企業独自のシステムを利用している場合はさらに難しくなるでしょう。

6. データ移行が難しい

SaaSを別のサービスに切り替える際、データの移行がスムーズにできない場合があります。


できる場合にも、データ形式の違いやエクスポート機能の制限などにより、手間がかかることがあります。

【システム別】よく利用されているSaaS

ここでは、システム別に良く利用されているSaaSをご紹介いたします。

ビジネスチャット

ビジネス向けのコミュニケーションツールで、リアルタイムでメッセージをやり取りし、離れていてもスムーズなコミュニケーションを取ることができます。


必要なメンバーだけを招待したグループを作成したり、グループに鍵をつけることで、クローズドな内容を共有をすることなどができます。


普段から利用しているプライベートチャットと同じようにメッセージを送れるため、気軽に利用することができます。


SaaS代表例

・Slack
・Microsoft Teams
・Chatwork
・Google Chat
・Discord

Web会議システム

オンラインでのビデオ会議を行うシステムです。離れた場所にいてもリアルタイムで話すことができ、社内外でのMTGに役立ちます。


電話とは違って画面を共有することができるため、同じ内容を見て話すことができるのでミスコミュニケーションを防げます。商談などにも利用ができ、出張費用や移動時間の削減にも繋がります。


SaaS代表例

・Zoom
・Microsoft Teams
・Skype
・Google Meet

グループウェア

スケジュール管理やプロジェクト管理、コミュニケーション機能などがついているシステムで、社内で協業する際に、業務をスムーズに進めることができます。


複数名で仕事を行うと、誰がどの仕事を行っており、その進捗が分からない、、、ということは多々発生します。また、利用したい機能ごとに使用するツールを分けると、それぞれにログインしたりデータ連携の部分で工数が発生します。


グループウェアを導入することで、それらの課題がすべて解決されます。


SaaS代表例

・Google Workspace
・Microsoft 365
・Lotus Notes
・サイボウズ

プロジェクト/タスク管理

発生する業務を一覧化し、抜け漏れがないようタスク管理ができるシステムです。また、どの業務を誰が担当しているのか、その進捗を確認することができます。


プロジェクトが複数ある場合には、プロジェクトごとにタスクを分けて管理することができたり、期日を入力することで、リマインドしてくれるのでタスク漏れを防ぐことも可能です。


SaaS代表例

・Trello
・Asana
・Monday.com
・Notion

スケジュール管理

日々の予定やタスクを、カレンダーアプリを用いて管理や共有ができるツールです。


必要なメンバーに共有することで、会議の日程調整をスムーズに行うことができたり、人ではなく会議室や物を設定することで予約管理を行うことも可能です。


SaaS代表例

・Google Calendar
・Microsoft Outlook
・TimeTree
・ジョルテ

CRM/SFA

顧客管理や営業サポートを行うシステムです。顧客情報をメモしておくことで、2回目以降に顧客とやり取りしたときに、何を提案したのか、なぜ問い合わせをしてくれたのかなどを担当者が変わっても把握することが可能です。


また、CRMで管理している顧客情報を用いて集客や販売戦略を立てることも可能です。


SaaS代表例

・Salesforce
・HubSpot
・Zoho CRM
・freee CRM

MAツール

MAツール(マーケティングオートメーションツール)は、マーケティング活動の業務効率化を行うことができるツールです


ターゲット別に自動でメール配信ができたり、入ってきたリードのその後の行動を追うことなどができます。


SaaS代表例

・Pardot
・HubSpot
・SATORI
・b→dash

会計ソフト

会計データの入力や集計、伝票の入力や仕分け、決算報告書の作成などを効率化するためのツールです。法改正が行われた時には自動的に反映されるなど、経理の負担を軽減します。


その他、これまで紙で扱っていた書類が電子化されることにより、管理工数の削減や探す手間がなくなります。


SaaS代表例

・freee
・マネーフォワード
・弥生会計
・PCAクラウド

ERP

企業の業務プロセスを統合的に管理するシステムです。


従来のオンプレミス型のERPは高額で、かつ専門的な知識が必要だっため大企業向けでしたが、月額コストが高くないSaaS型ERPが出てきたことにより、中小企業も導入できるようになりました。


SaaS代表例

・S/4HANA
・Oracle NetSuite
・Microsoft Dynamics 365

SaaS業界への転職なら”キャリア・エックス”

SaaS業界は今後も伸びていく業界です。理由としては下記が挙げられます。


・インターネット環境があれば利用可能であること
・リモートワークの一般化など、働き方に変化があった近年にも対応できている
・複数人で同じデータや画像、文章を見ることができるので、社内外での情報共有がスムーズに行える

「コロナ禍で業績が落ち込みお給料が下がった・・・」「自分が今いる業界は10年後どうなるのだろう?」など、皆さんの現在のキャリアに不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。


弊社キャリア・エックスでは、未経験からSaaS業界へのキャリアチェンジを多数支援しています。

まとめ

ここまで、SaaSの解説から始まり、SaaSの代表例、PaaS・IaaSとの違い、SaaS導入のメリット・デメリットを解説しました。


SaaS業界は今後も成長が期待できる業界で、将来性も高いです。これまであまりSaaSについて知らなかったという方も、こちらの記事を機に、SaaSについて理解を深めていただけたら嬉しいです。


今後も様々なSaaSが提供されると思いますので、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか?

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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