大手総合広告代理店であり就職・転職人気も非常に高い、株式会社博報堂(以下、博報堂)。国内の広告代理店売上ランキングでは、電通に次ぐ第2位となっています。
この記事では、そんな博報堂の「年収」についてクローズアップし、平均年収や他の広告代理店との比較、給与制度や残業代、福利厚生などについてご紹介します。博報堂への転職を検討されている方は是非ご覧ください。
目次
博報堂の会社概要とは?
博報堂は、日本を代表する大手総合広告代理店です。総合マーケティングとクリエイティブに強みを持ち、幅広い領域でクライアントの課題解決などをサポートしています。
2003年に、業界第5位の大広と、6位の読売広告社との共同持株会社・博報堂DYホールディングスを設立し、ホールディングス体制に移行しています。

博報堂の平均年収
博報堂の親会社にあたる博報堂DYホールディングスが東証プライム市場に上場しており、有価証券報告書で同社の平均年収が確認できます。
親会社で持株会社の平均年収であり、博報堂のものではありませんが、参考としてご紹介します。

なお、会社の口コミがわかる就職・転職情報プラットフォームの「openwork」によると、博報堂の正社員275人の口コミによる平均年収は1011万円となっています。※openwork「博報堂」
他広告代理店との年収比較
博報堂のDYホールディングスの年収とほかの大手広告代理店の年収を、有価証券報告書に掲載されている平均年収をもとに比較してみましょう。
電通も博報堂と同様、ホールディングス体制となっており、ここで取り上げている平均年収は、東証プライム市場に上場している株式会社電通グループの有価証券報告書に記載されているものです。
したがって、あくまで参考程度ではありますが、博報堂の平均年収は他の広告代理店に比べても高水準にあると言えそうです。

※博報堂は2025年3月期、電通は2024年12月期、サイバーエージェントは2024年9月期の有価証券報告書に記載されている平均年収です。
※ADKは現在非上場となっているため、上場廃止前の2016年12月期の有価証券報告書で比較しています。
博報堂における総合職の年収・給与制度
博報堂における総合職の、年収と給与制度について解説します。
博報堂は年俸制で、初任給は年俸360万円となっています。入社3年目までは「年俸+残業代+賞与(年1回、6月に支給)」が支給され、毎月の給与は、年俸÷12が支払われます。
なお、4年目からは裁量労働制となり、残業代はなくなります。
賞与(ボーナス)・評価制度
賞与は、前年度の業績(4月~3月)に応じて年1回、毎年6月に支給されます。
博報堂の賞与は、おおよそ月給3カ月分が目安となっています。社内で設定されている評価項目をもとに査定され、評価が高い人には支給額が上乗せされる場合があります。
残業代
博報堂では、入社3年目までは通常の労働時間制のもと、労働時間が管理されており、残業した分の残業代が支払われます。
4年目からは、実際の労働時間にかかわらず定められた労働時間分を働いたものと見なして賃金を支払う「裁量労働制」となるため、残業代は支払われません。
そのため、残業代がなくなる4年目以降に一時的に年収が下がってしまうケースがあります。
部長の年収
博報堂の部長職の年収は、2000~3000万円程度とされています。部長職の人数は公表されていませんが、かなりの狭き門であり、おおよそ10%程度と推定されています。
中途で博報堂に転職した場合の年収
中途で博報堂に入社したときの年収は、採用ポジションや求職者の経験年数・スキルレベルなどによって異なります。
例えば、博報堂が現在キャリア採用を行っている「ビジネスプロデューサー職」や「総合メディアプランニングディレクタ―・プロデューサー」では、年収850万円~1500万円と記載されています(いずれも正社員)。
博報堂キャリア採用ページ内の職種別募集要項や、転職サイトに掲載されている求人広告などで確認すると良いでしょう。
博報堂「キャリア採用ページ」
博報堂における契約社員の年収
博報堂では、中途採用枠として正社員のほかに「契約社員」も幅広く募集しています。
例えば、いわゆる営業職に該当し、テレビや新聞・雑誌などを担当するメディアプロデューサー職などで契約社員を募集しており、募集要項には年収400万円~650万円と記載されています。
最長雇用契約期間は5年間ですが、広告業界未経験者にも門戸を開いており、入社後高い成果を残せば正社員登用の可能性もあるようです。
博報堂の福利厚生
博報堂では、「プライベートが充実するからこそ、仕事にも集中できる」との考えのもと、幅広い福利厚生制度を整えています。
特に働き方や休暇に関する制度が充実しており、年に2回、平日連続5日間の休暇を取得できる「フリーバカンス制度」や、月イチ週休3日制度の「プラ休」、社内における打ち合わせは午後7時までとする「スラッシュ7」、平日の午後10時以降と土日の不要不急の連絡や返信をなくす「サイレント10」などが設けられています。
出産・育児に関する制度も手厚く、出産・育児休業のほか、妊娠中の通院のための特別休暇の付与、結婚お祝い金、出産給付金、出産お祝い金なども支給されています。
博報堂は激務?
博報堂DYホールディングスではホームページ内で、月間平均残業時間を公開しています。
2023年までの直近4年間の残業時間は下図の通りです。
直近の2023年度の月間平均残業時間は33.5時間で、1カ月当たりの出勤日数20日で計算すると、1日当たりの残業時間は1.5時間程度となります。
2022年度、2023年度の数値は国内主要6社の平均であり、会社や職種、時期などによって変動はあると考えられますが、博報堂が激務とは言い切れないようです。

なお、上記ページによると、年次有休休暇の取得率は、2022年度56.7%、2023年度55.6%となっています。
厚生労働省の発表資料「年次有給休暇の現状について」内の、令和3年「労働者1人平均有給休暇取得率」は56.6%となっており、おおよそ平均程度の取得率です。
比較的休みが取りやすく、メリハリを持って働ける環境と言えるでしょう。
博報堂では女性だからといって年収が下がる心配はない
博報堂の従業員数は約3700人で、そのうち女性は1000人程度とされています。
博報堂では性別に関係なく公平に扱われており、女性だからといって仕事内容に差がついたり、評価や年収が男性と異なったりすることはありません。
一方で、女性管理職の比率は全体の13%程度にとどまっています。
前述のように、出産・育児休暇の整備など、女性が働き続けやすい環境が整いつつあるため、今後この数字も変化していくと考えられます。
博報堂についてよくある質問
博報堂に入るのは難しい?
総合広告代理店の中でも博報堂は非常に人気が高く、転職を希望する人は少なくありません。
博報堂のキャリア採用の募集要項を見ると、正社員では多くの職種で広告やメディア業界での職種経験が求められており、転職難易度は高いと言えるでしょう。
ただ、契約社員では、メディアプロデューサー職などで未経験者にも門戸を開いており、就業形態を問わなければチャンスはありそうです。
博報堂で働く30歳の社員の平均年収は?
博報堂の30歳の平均年収は公表されていませんが、新卒で博報堂に入社した場合は30歳でおおよそ900~1000万円程度が目安になります。
評価や昇進・昇格などによって変わりますが、順調にディレクター職に昇格すれば、30歳で年収1000万円以上を目指せる可能性もあります。
博報堂の年収は業界の中でも高水準!転職実現には転職エージェントの活用がオススメ
ここまで、博報堂の平均年収や他の広告代理店との比較、給与制度や残業代などについて解説してきました。
博報堂の平均年収は業界トップの電通に次いで高く、努力次第で高年収を目指すことも可能です。業界・職種経験があれば、年収アップ転職を実現できる可能性は高いでしょう。
未経験であっても、まずは契約社員として力を発揮し、正社員への登用&年収アップを目指すという道もあります。
いずれも、採用選考で自身の経験・スキルを効果的にアピールすることがポイントであることから、転職活動をサポートしてくれる転職エージェントの活用がオススメです。
キャリア・エックスでは、博報堂を始めとする広告業界に強みを持ち、転職ノウハウも豊富です。
そして、広告業界を熟知した専任のキャリアコンサルタントが、内定獲得まで伴走し、給与交渉もサポートしています。
博報堂に興味を持ったら、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。
