SaaS営業とは何?仕事内容や一般の営業との違い、向いている人の特徴、年収を解説 

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

SaaS転職

SaaS業界は、近年、最も活気に満ちた業界の1つです日本では、国がSaaS導入を支援していることもあり、急成長を遂げており、2024年には1兆1,200億円の市場規模になると予想されています。


本記事はSaaS営業と一般的な営業の異なる点、SaaS業界の動向、どんなSaaS企業があるかについて解説しています。SaaS営業に興味がある、転職したいと考えている方は、ぜひ最後まで読み進めて貰えると幸いです。

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SaaS営業とは

SaaS営業は通常の営業職と異なり、営業をプロセスごとに分けて、各担当が連携を図りながら潜在層発掘から契約後のフォローまでを担っています。


2024年には市場の業界が1兆1,200億円規模になるとも予想されており、その営業職ともなれば、高待遇を始め、他では経験できないような大規模な仕事を任せてもらえることが期待できるでしょう。


近年では、コロナウイルス感染症拡大の影響で、SaaS企業の多くがリモートワークを定着させているSaaS企業が多く、営業もリモートワークで対応しています。顧客との商談もweb会議システムを用いて行うため、会社に出社せずに効率良く営業活動を進めることができます。


他業界と比較しても、SaaS業界はリモートワークの定着率が高いため、子育てと仕事を両立しやすいという声が多いです。

SaaS営業と一般的な営業の違い

SaaS営業と一般的な営業との違いを解説します。

プロセスごとに職種を分別している

SaaS営業と一般営業との大きな違いは、SaaS営業はプロセスごとに職種を分別しています。企業によって違いはありますが、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに分けているSaaS企業が多いです。

売り切り型の営業ではない

一般の営業は売り切り型の営業が多く、製品レベルが低くても提案力やクロージング力で受注できることが良い営業とされています。


しかし、SaaS営業は、売り方が後のLTV(Life Time Value)に関わってくるため、販売する際に顧客との信頼関係を築き、かつ顧客の社内における部署をまたいだ関係性を広げておくことが重要になります。

顧客ロイヤルティを重視

一般営業では契約を獲得すること自体がゴールになるケースが多いですが、SaaS営業は契約後の利用継続が前提となるため、顧客満足度やロイヤルティの向上が重視されます。


単に導入を決めてもらうだけでなく、顧客がサービスを活用して成果を出せるよう支援し続ける姿勢が求められる点が特徴です。

LTVを評価指標として活用

通常、売上や契約件数といった短期的な数字が重視されやすいですが、SaaS営業ではLTV(顧客生涯価値)が評価指標として重視されます。


そのため、新規契約だけでなく、継続率の向上やアップセル・クロスセルによって既存顧客の単価を高めることも大切になってくるのが特徴です。

SaaS営業のプロセスごとの役割

プロセスごとに分けられたそれぞれのSaaS営業の役割を解説します。こちらの記事では、各プロセスに転職する為に必要な要素や方法を解説しておりますので、合わせて読んで頂ければ幸いです。

インサイドセールス

インサイドセールスは、非対面で顧客と接点を持ち、商談機会を創出する役割です。電話やオンラインで接触し、興味度合いの高い顧客をフィールドセールスにつなげます。


企業の第一印象を担う存在であり、効率的に営業活動を進めるための「橋渡し役」といえます。


こちらの記事も併せてご覧ください。

SaaS企業の営業はインサイドセールスとフィールドセールスに分かれる!それぞれの概要や違いについて解説

フィールドセールス

フィールドセールスは、インサイドセールスから引き継いだ見込み顧客に対し、直接提案やクロージングを行う役割です。


従来型営業に近いですが、あらかじめ成約可能性の高い顧客に絞って訪問するため、効率的に成果を出せます。


営業プロセスが分業化されているため、個人依存ではなく再現性のある仕組みで成果を出せる点が特徴です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、契約後の顧客がサービスを効果的に活用し、成果を出せるように支援する役割です。


カスタマーサポートが「問い合わせ対応」なのに対し、カスタマーサクセスは能動的に課題を先読みしてフォローするのが特徴です。


解約率の低減やアップセル・クロスセルを目指し、長期的な顧客成功に寄り添う重要なポジションです。


カスタマーサクセスについてはこちらの記事も併せてご覧ください。

SaaS業界で話題のカスタマーサクセスとは?目標や転職する方法も解説

SaaS営業の平均年収

先ほどご紹介した、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの職種によって多少違いはありますが、SaaS営業の平均年収は500万円ほどです。


しかし企業によって大きく差があり、低い企業だと360万円、高い企業では600万円〜700万円が狙えます。

転職時に年収アップをする方法とは

年収アップだけを考えて転職活動を行う場合は、平均年収が高い企業に転職することがおすすめですが、年収アップ以外にも叶えたい希望がある場合は平均年収だけで決めるわけにはいきません。


そのため、年収アップ以外の希望も叶えながら年収アップも目指したい場合は、転職エージェントを活用して転職活動をすることをおすすめします。なぜ転職エージェントを利用することで年収アップが実現できるのか、理由は2つあります。

面接時にスキルや経験をアピールする

1つ目は、面接時に自分の実績を的確に伝えることです。


年収提示は社内の既存社員と比較して決まるため、面接時に「入社後に活躍できる人材」であることを示す必要があります。面接で評価してもらうことで、高い年収提示をしてもらえる可能性が高まるでしょう。

年収交渉を行う

2つ目は、オファー面談時に年収交渉を行う方法です。提示額は面接での印象や期待値を踏まえて決まりますが、必ずしも納得できる金額とは限りません。その際は交渉することが可能です。


ただし、自分で直接交渉するのは気が引ける方も多いでしょう。その場合、転職エージェントを利用すれば代理で交渉してくれるため安心です。


もちろん必ず希望額になるとは限りませんが、交渉せずに不満を残したまま入社するよりも、納得感を持って新しい環境に挑めるはずです。

SaaS営業に求められるスキルや経験

・専門知識

SaaS営業では、サービスの仕組みやクラウド技術に関する基本知識はもちろん、業界の動向や顧客企業の業務理解も求められます。


顧客は「自社の課題をどのように解決できるか」を重視するため、機能説明だけでなく業務改善まで踏み込んだ提案ができるかどうかが信頼獲得のカギになります。

・倫理的思考力

短期的な数字やノルマだけを追うのではなく、顧客の利益を第一に考えた誠実な提案がSaaS営業には欠かせません。


サブスクリプションモデルは継続利用が前提となるため、無理な契約や過剰な期待を与える営業はすぐに解約や不満につながります。長期的に選ばれる存在になれるようには、論理的に話せる必要があります。

・顧客の声を反映する力

SaaS営業は契約獲得だけでなく、顧客からの声をサービス改善へつなげる役割も担います。


現場で得たフィードバックを整理し、単なる要望として伝えるのではなく、課題の背景や本質を掘り下げて社内に共有できることが重要です。


その積み重ねがサービスの競争力を高め、営業の提案力強化にもつながります。

・課題解決力

SaaS営業は「製品を売る」のではなく「顧客の課題を解決する」ことが本質です。


顧客が抱える非効率な業務やデータ管理の悩みを把握し、それに対して自社サービスをどう活用できるかを提案する力が必要です。解決に導ける営業は、顧客にとって欠かせないパートナーとなり、LTV向上にも直結します。

・チームワーク

SaaS企業はインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど分業体制が一般的です。


そのため、チーム全体で情報を共有し、顧客の成功をゴールに連携できる力が求められます。個人で成果を追う営業とは異なり、組織全体で動く意識を持てるかどうかが成果を大きく左右します。

SaaS営業に向いてる人の特徴

次にSaaS業界、そしてSaaS営業に向いている人の特徴を3つご紹介致します。

新規事業の立ち上げに携わりたい方

SaaS企業では、お客様からの要望を受けて新たなサービスを作ることも珍しくありません。


SaaS営業の仕事の1つとして「お客様からの要望をヒアリングし、サービスの改善や新たなサービスアイディアを社内に共有する」という仕事があり、もし自分が共有した新規サービスを立ち上げるとなった場合には、新規事業の立ち上げに携わることができます。


そのため、今後のキャリアの中で新規事業の立ち上げに携わりたいと考えている方は、SaaS営業として積極的にお客様の要望をヒアリングし、その要望が叶えられるようなサービスを、社内で積極的に共有していくようにしましょう。

成長できる環境に身を置きたい方

転職理由として、「今の会社では限界が見えた」「もっと成長できる環境に行きたい」を挙げる方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、成長・挑戦ができる環境が整ったSaaS業界に転職することでそれらを叶えることができます。


SaaS業界はまだ成長途中の企業も多いので、決まったやり方に捉われていないので様々なことにチャレンジできますし、年功序列ではなく実力主義の評価体制であることから周りのメンバーと切磋琢磨しながら働くことができるのです。

ヒアリングを大切にしている方

SaaS営業では、お客様に現在の悩みをヒアリングし、提供しているサービスでその悩みをどのように解決できるのかを提案していきます。


そのため、お客様が気づいていない、もしくは言語化できていない悩みを適切な質問を投げかけながら聞き出していかなければいけません。


これまで仕事でヒアリングを行うことを大切にしてきた方は、その経験を活かしてSaaS営業で活躍することができるでしょう。

SaaS営業のやりがい・身に付くスキルは? 

この見出しでは、SaaS営業のやりがいや身に付くスキルについて紹介します。SaaS営業としてステップアップしていきたい方はぜひ内容をチェックしてみてください。

やりがい 

SaaS営業のやりがいは、担当するプロセスによって少々異なります。SaaS営業は営業プロセスを3つに分けており、それぞれインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとしてのやりがいや魅力があります。


インサイドセールスは、マーケティング部門から連携された見込み客へファーストコンタクトをとり、顧客の課題などをヒアリングを行う役割です。一定の架電数をこなす必要はありますが、その分学習サイクルが早くなり、短期間で成長が見込まれる点もやりがいにつながるでしょう。


フィールドセールスは、インサイドセールスから連携された顧客と商談を行い、自社サービスを通じて顧客の課題を解決できるか、より踏み込んだヒアリングを行います。顧客との距離が縮まり、受注につながった際はやりがいと感じるでしょう。


カスタマーサクセスは、自社サービス導入後の顧客に対して、使い方などの困りごとを伴走して解決します。中長期的に顧客と信頼関係を築き、直接的に感謝の言葉をもらえる点も大きなやりがいです。

身に付くスキル 

SaaS営業で身に付くスキルは課題解決力です。


営業の各プロセスごとで多少異なるものの、SaaS営業は顧客が抱える課題に対して、自社サービスを活用してどのように解決できるのか提案を行います。そのため本質的な課題を特定して、構造的に解決方法を考え出すスキルが身に付きます。


課題解決力の他にも、論理的思考力もSaaS営業を通じて身に付くスキルの一つです。


定量的な目標に対して、やみくもに行動するのではなく、根拠に基づきどのような行動をすれば目標達成できるのか論理的な思考を身に付けることができます。

気になるSaaS業界の動向

SaaS業界は将来性が高い業界です。テレワークが一般化した一方で、オフィス回帰の動きも根強く、オンラインとオフラインを掛け合わせた就労環境作りが求められています。


そのため、ハイブリットで働ける環境をつくるために、SaaSは欠かせないものとなっています。


特にコミュニケーション方法については、これまで社内外問わず対面でのコミュニケーションが主流でしたが、移動時間や交通費の削減ができることからオンラインを取り入れる企業が増えて来ており、2020年度の売上は3億2,000万円でしたが、2025年度の市場規模は30倍以上の95億円に達するとITRは見込んでいます。


その他、アプリ開発の際に専門的なコードを書かなくても、ドラッグ&ドロップなどのマウス操作で開発できるプラットフォーム「ノーコード・ローコード」ツールや、中小企業向けのバックオフィスサポートツールなどは需要が高く、今後も伸び続けるでしょう。

2024年度国内SaaS企業資金調達額ランキング

2024年のSaaS企業による資金調達総額は1,357億円となり、前年からわずかに減少しているものの、国内スタートアップ投資に占めるSaaS割合は約18%と高く、また1件あたりの調達額中央値は2.5億円と上昇傾向にあります。(参照:ファーストライトキャピタル「SaaS Annual Report 2024 – 2025


それでは、直近のSaaS企業による資金調達額状況をみていきましょう。(資金調達額順)

企業名資金調達年月資金調達額事業概要
SmartHR2024年7月214億クラウド人事労務ソフト「smartHR」などを提供
キャディ2025年3月91億製造業界向けSaaS「CADDi Drawer」などを提供
ストックマーク2024年10月45億自然言語処理技術を使ったSaaSプロダクト「Anews」などを提供
GROWTH VERSE2025年7月29.2億マーケティングAI SaaS「AIMSTAR」やコールAI SaaS「電話放送局」などを提供
Ubie2025年10月10億AI問診サービス「Ubie(ユビー)」を提供

まとめ

ここまで、SaaS営業と一般的な営業との違いから始まり、SaaS営業の職種、SaaS業界の動向、今後注目のSaaS企業を解説しました。


この記事が、皆さんの転職にお役立てれば幸いです。


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SaaS営業に関するよくある質問 

SaaS営業は未経験でも転職できますか? 

SaaS営業は未経験でも転職可能です。SaaS業界自体、比較的まだ新しい業界であるためSaaS営業の経験者の数は多くありません。


一般的に業界問わず営業経験が求められる場合が多いですが、職種によっては顧客折衝経験など営業未経験でも挑戦できる求人もあります。未経験でも今勢いのあるSaaS営業へ挑戦したい方は、ぜひキャリア・エックスへご相談ください。

20代・30代のSaaS営業職の平均年収はどれくらいですか? 

20代・30代のSaaS営業職の平均年収は、一般的に400万円~600万円が相場です。


20代で法人営業経験者であれば、450万円前後の年収帯を見込めるでしょう。人材業界や広告業界などの無形商材を扱う営業経験者は500万円以上の年収を提示されるケースも多いです。


多くのSaaS企業は実力主義の傾向が強く、実力次第ではかなり早いスピードでの昇給も期待できるでしょう。企業によっては20代でマネージャーや事業責任者クラスへ昇給した事例もあり、年収800万円を超えるケースも期待できます。

SaaS営業に転職しやすいのは何歳までですか? 

20代の方がSaaS営業に転職しやすい傾向です。SaaS業界は比較的まだ歴史も浅く、且つメンバーの平均年齢も若く20代がメインで活躍しています。採用においてもスキルや経験よりも、成長意欲などがあるポテンシャル重視の企業も多いです。


30代でのSaaS営業へ転職は難しいと諦める必要はありませんが、30代になると無形商材の営業経験やソリューション営業など、SaaS営業とある程度の親和性がある経験を求められる場合があるので、予め認識しておくとよいでしょう。

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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