いま勢いのある業界の一つと言われるSaaS業界。転職人気も高い業界ですが、一部では「SaaS営業は飽きる」との声があるようです。
なぜSaaS営業は飽きると言われるのか、その理由とともにSaaS営業のメリットやキャリアパスについても解説します。
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目次
SaaS営業の仕事とは?
SaaSとは「Software as a service」の略で、ソフトウェアをインターネットを通じてサービスとして利用する形態を指します。
これらサービスの拡販を担うのが、SaaS営業の役割です。SaaS営業は、プロセスごとに分かれているのが特徴です。
マーケティング部門がリストアップした見込み客のリードナーチャリング(顧客の育成)を担当する「インサイドセールス」、対面営業を行い成約につなげる「フィールドセールス」、そして継続利用を促すためのフォローを行う「カスタマーサクセス」の3つに役割を分けているSaaS企業が多いようです。
SaaS営業はサブスクリプション型(継続課金型)のビジネスモデルであるため、どのプロセスの担当であっても、顧客と中長期的に関係性を築き、継続利用を促すことが求められます。
SaaS営業が飽きると言われるのはなぜ?
なぜSaaS営業は飽きると言われるのか、考えられる理由を解説します。
プロセスごとに細分化されていて守備範囲が狭いから
SaaS営業はプロセスごとに役割が細かく分かれており、一般的な営業に比べると守備範囲が比較的狭いのが特徴です。
そのため、日々の業務がパターン化しやすく、仕事に新鮮味を感じにくくなる可能性があるようです。
役割によってはルーティン業務が多いから
SaaS営業は個々の役割が明確に決まっており、ルーティン業務が多い傾向にあります。
例えばインサイドセールスは、リスト化された見込み客に対して日々電話やメールなどでアプローチし続けます。カスタマーサクセスは、既存顧客に成功体験を積んでもらう役割であり、担当顧客と地道にコミュニケーションを取りながら活用サポートを行う必要があります。
そのため、人によっては同じ業務の繰り返しだと感じるケースもあるようです。
プロダクトの競争力に左右されやすいから
SaaS業界の成長に伴い、似たようなサービスが乱立している分野も出始めています。
価格や機能面などで差別化しづらい市場だったり、特徴に欠けるプロダクトだったりする場合、営業の力だけでは顧客の心を動かしにくく、無力感を覚える場合もあるようです。
社内の連携が必要であり、裁量範囲が狭い場合があるから
SaaS営業は、インサイドセールスが顧客を育成してアポを取り、その情報をもとにフィールドセールスが商談・クロージングを行い、カスタマーサクセスがアフターフォローを行う…と分業体制が徹底されており、各営業担当が連携を取る必要があります。
個々の業務に集中できるメリットはありますが、一方で自身の裁量の範囲も狭いことから、飽きを感じやすいという構造があります。
SaaS営業に飽きた場合は転職するべき?
もしSaaS営業に飽きてしまった場合は、転職だけが選択肢というわけではありません。
多くのSaaS企業では社内異動が可能なので、もし自社やプロダクトなどに不満がないのであれば、自ら手を挙げ別の役割に挑戦してみるのは一つの方法です。
例えば、インサイドセールスからフィールドセールスに異動し、顧客と直接触れ合うことで営業力を磨く、フィールドセールスでの経験を活かしてカスタマーサクセスに異動し、顧客ニーズに応え続けアップセルにつなげる、など。
同じ営業であっても、業務内容や役割、顧客とのコミュニケーション方法が異なるため、新鮮味を感じつつ営業としての幅も広げることができるでしょう。
なお、仕事に飽きただけでなく、会社の体制やプロダクトの弱さなどに不満を持っている場合は、別の企業への転職を検討しましょう。SaaS業界内で、プロダクトに強みを持つ企業に転職すれば、これまでの経験を活かしつつ新たな気持ちで業務に臨めるでしょう。
また、SaaS営業で培った経験・スキルは異業界でも評価されます。例えばSIerやWeb関連といったIT系企業では経験がフルに活かせますし、無形商材での営業スキルを武器に、広告業界や人材業界の営業職への転身も考えられます。
SaaS営業で働くメリット
一方で、SaaS営業として働くメリットも数多くあります。主なメリットを5つ、ご紹介します。
営業としての強みを活かせる
営業経験がある人であれば、SaaS業界ならば自身の営業としての強みを活かすことができます。
例えば、商談やクロージングが得意ならば、それに特化したフィールドセールスを選べば、力が発揮しやすく成果も上げやすいでしょう。
顧客とじっくり信頼関係を構築するのが好きなのであれば、リードナーチャリングを担当するインサイドセールスであれば、強みや持ち味を活かしてやりがいを感じながら働けると思われます。
顧客の課題解決に尽力できる
SaaSプロダクトの多くは、顧客の課題解決をサポートするツールです。顧客に寄り添い、課題を引き出しながら、自社のプロダクトを用いて解決に導けるのは、SaaS営業ならではの醍醐味でしょう。
その結果、顧客との信頼関係が強まり、「ありがとう」と感謝されることもあり、やりがいを感じる場面が多いでしょう。
チームワークを武器にできる
SaaS営業の多くは分業体制が取られており、チームワークが欠かせません。インサイドセールスとフィールドセールス、カスタマーサクセスが互いに協力しながら、顧客の課題解決に注力し成功に導くことが求められます。
自分一人ではなく、それぞれの強みを発揮しながら協働することで、より大きな成果を挙げることも可能でしょう。
業界の成長とともに自分の成長も実感できる
SaaS業界は比較的新しい業界であり、右肩上がりの成長を続けています。今のうちにSaaS業界に飛び込めば、業界や会社の成長とともに、自身も成長できるでしょう。
SaaS業界は国内では数少ない「今後も成長が期待される業界」であり、業界全体の勢いを感じながら働けるのも、メリットと言えます。
自社プロダクトに愛情を持てる
SaaS営業においては、自社のプロダクトに対する深い理解と愛情が必要不可欠です。
自社プロダクトの機能や強み・特徴を十分に理解することで、顧客ごとに最適な課題解決策を提案することができます。
その過程で、プロダクトに対する信頼や愛を感じることができ、SaaS営業の成果にもつなげやすくなるでしょう。
SaaS業界の現状と将来展望
SaaS業界は今後も拡大が続くと見られています。
BOXIL SaaS「SaaS業界レポート2024」によると、国内SaaS市場のCAGR(年平均成長率)は10.9%増と拡大が続いており、2028年度には市場規模が2.9兆円に達すると予想されています。
企業のDX推進によるSaaS導入の動きのほか、リモートワークの普及を背景としたコミュニケーションツールや業務管理ツールなどの需要拡大などに加え、SaaSサービスの多様化・細分化も市場拡大を後押ししています。
例えば、医療や建設、物流などと言った業界特化型のSaaSや、営業、経理、マーケティングなど領域に特化したSaaSの需要と供給が増えており、業界のすそ野が広がっています。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング:業務委託)にSaaSの要素を組み合わせた「BPaaS(Business Process as a Service)」なども注目されており、さらなる業界成長につながると期待されています。
市場拡大とともに新進気鋭のスタートアップも増えており、SaaS営業の活躍余地は大きいと言えるでしょう。
SaaS営業の経験が活かせるキャリアパス
SaaS営業として経験を積むと、その後のキャリアパスも広がります。ここでは、どのようなキャリアパスが考えられるのかご紹介します。
SaaS営業のリーダー、マネージャー職
まず考えられるのは、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとして自社内で経験を積み、リーダーやマネージャー職に昇格するという道です。
SaaS業界はスタートアップなど成長中の企業が多く、事業拡大とともにポストも増えるため、若くして昇進・昇格する人も多いのが特徴です。
営業プロセス内での異動
SaaS営業は、各役割が連携を取りながら業務を進めるため、インサイドセールスからフィールドセールスなど、営業プロセス内で異動するケースも少なくありません。
営業としての守備範囲が広がり、経験値も高められるでしょう。
マーケティング職
SaaS営業はマーケティング部門とも密接に関わっていることから、マーケティング職にキャリアチェンジする例もあります。
営業活動を通じて顧客ニーズを把握しているSaaS営業は、その知識をマーケティングに活かせる場面が多いのが特徴です。
特にインサイドセールスは、見込み顧客育成の経験がマーケティングにストレートに活かしやすいため、社内で異動したり別の会社にマーケティング職として転職したりするケースが少なくないようです。
他業界の営業職や営業コンサルタント
プロセスごとに分業されているSaaS営業は、営業としての自身の強みを磨き上げることができるため、それを武器に他業界の営業職として転身する例も多いです。
特に、新規顧客への商談・クロージング経験を積んだフィールドセールス担当者は、成果を挙げ売り上げに貢献できる営業として、他業界でも引く手あまたと言えるでしょう。高い営業力を活かして営業コンサルタントに転職したり、フリーの営業職として活躍する例もあります。
SaaS営業の求人動向
前述のように、SaaS業界の市場規模は拡大の一途にあり、2027年には2兆円を超えると予想されています。それに伴い、SaaS各社では営業職のニーズが拡大しており、中途採用を強化しています。
SaaS企業の多くは成長中にあり、事業拡大に伴い採用ニーズも旺盛であることから、業界・職種経験者は取り合いとなっています。そのため、未経験者にも対象を広げて採用している企業は少なくありません。
特に、見込み顧客の育成とアポ獲得を担うインサイドセールスと、契約後の顧客との関係性を築き満足度向上につなげるカスタマーサクセスは、コミュニケーション力やヒアリング力、傾聴力などが必要とされる場面が多いため、これらのスキルを備えている人であれば営業未経験であっても評価されやすいでしょう。
まとめ:「SaaS営業は飽きる」とは言えない!興味を持ったらキャリア・エックスに相談を
SaaS営業はプロセスごとに役割が分かれていることから、一部には「守備範囲が決まっていてルーティン業務も多く、飽きる」という声もあります。
ただ、各プロセスとも、顧客から受注を獲得し、かつ使い続けてもらうには、顧客ごとにアプローチ方法や営業戦略などを考え続ける必要があります。
そのためにはチャレンジングな取り組みも必要とされるため、少なくとも「同じ仕事の繰り返し」にはなりにくいでしょう。
SaaS市場は今まさに成長中であり、成長実感を得やすい環境があるとも言えます。SaaS営業で培った経験やスキルは、業界内のみならず多方面で活かすことができることから、将来的な可能性も広がっていると言えるでしょう。
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