ベンチャー企業へ転職を検討していると、転職後に年収が下がらないか、転職先の企業が倒産するリスクはないかなど、様々な不安が出てくるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ベンチャー企業への転職に伴う不安、ベンチャー企業に転職するメリット・デメリットなどについて、ベンチャー企業での経験も踏まえて解説いたします。
これからベンチャー企業へ転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ベンチャー企業とは
どのような企業をベンチャー企業と呼ぶのか、明確な定義はありません。
しかし、一般的には「革新的な技術やサービスを提供しており、設立から数年程度の若い会社」のことをベンチャー企業と呼ぶことが多いです。
また、従業員数はおよそ100人以下が目安となっており、社員数や会社規模、売り上げなどが伸びてくると、メガベンチャーと呼ばれます(株式会社リクルートや株式会社サイバーエージェントなど)。
ベンチャー企業への転職で感じる不安とは
どのような企業をベンチャー企業と呼ぶのかを説明してまいりましたが、まだ設立まもないベンチャー企業に転職をするとなると、転職することへの不安が出てくるのではないでしょうか?
そこでまずは、ベンチャー企業に転職を検討される方が考える不安、そしてそれらが実際どうなのかについて、ベンチャー企業での勤務経験もある筆者がご紹介いたします。
年収面での不安
前提として、ベンチャー企業の年収は約350万円~400万円が平均とされています。
現年収が350万円〜400万円よりも高い方は、年収が下がってしまうのではないかと不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、あくまでこの年収はベンチャー企業の平均年収となっており、業界や企業によってはもっと高い年収がでますし、前職の年収を考慮して年収を提示してくれることも多く、役職者として転職する場合には年収1,000万円以上狙えるケースもあります。
必ずしもベンチャー企業に転職する=年収が下がるわけではないのです。
ただし、企業によっては前職と同程度の年収が出せず、年収が下がってしまうこともあります。
その際は年収がいくら程度下がるのか、そして入社後に年収が上がる可能性がどれくらいあるのかを聞き、その上でなぜ自分がベンチャー企業に転職したいのかを考えた上で、ベンチャー企業に転職するかどうかを決定するといいでしょう。
経営悪化の不安
まだ経営が安定していないベンチャー企業は事業がうまくいかず経営が悪化するリスクがあります。
設立から5年以内に倒産する企業の割合は20%ほどとなっており、5社に1社は5年以内に倒産していることとなります。そのため、転職先のベンチャー企業の経営が悪化するかもしれないという不安は、ベンチャー企業に転職する多くの方がお持ちでしょう。
しかし、最近は特に日常が目まぐるしく変化しているため、設立からしばらく経っている企業であっても急に経営が悪化する場合も。逆に設立から短期間で売り上げが急激に増加し、10年経たずに上場する可能性もあります。
「ベンチャー企業だから経営悪化のリスクが高い」ではなく、企業ごとの経営状況などを見て判断するといいでしょう。
職場環境に関する不安
ベンチャー企業と聞くと「残業が多そう」「休日出勤があるんじゃないか」「福利厚生が整っていなさそう」と思われる方も多いのではないでしょうか。
確かに大企業と比較すると、一人あたりの業務量が多いため残業時間が長かったり、福利厚生は整っていないかもしれません。福利厚生に関しては「保険制度しかない」なんてこともあるでしょう。
しかしこちらも企業によって様々で、残業20時間以下の企業や企業独自のユニークな福利厚生を取り入れている企業などがあります。
また、リモートワークが推奨されている企業やフルフレックス勤務が可能な企業など、大企業では中々できない働き方を取り入れていることもあります。
まだ整っていないからこそ社員の意見を聞きながら新しい仕組みや福利厚生を導入してくれる企業も多く、それはすでに整っている大企業にはないベンチャー企業の魅力とも言えるでしょう。
ベンチャー企業への転職におけるメリット
前述したように、ベンチャー企業に転職することに不安はあると思いますが、ベンチャー企業に転職するメリットはたくさんあります。
ここではベンチャー企業に転職するメリットを4つご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。
ひとりひとりの裁量が大きい
1つ目のベンチャー企業に転職するメリットは、裁量の大きさです。
ベンチャー企業では、失敗よりも挑戦をすることの方が重視されます。そのため、何か新しいことを取り入れたい、新しいことに挑戦したいと思った際に、経営層や役員に直接提案をし、筋が通っていれば採用してもらえます。
また、大企業と比較すると意思決定までのスピードが早いため、その分経験できることも増え、成長スピードが早くなるでしょう。
2年目、3年目になると決裁権をもらえることも多く、若いうちから重要な決定をする経験ができるのは、ベンチャー企業ならではなのではないでしょうか。
成果に応じて年収アップを狙える
成果に応じて早期に年収アップを狙えることです。特に、成果主義、実力主義の給与テーブルを設定しているベンチャー企業であれば、勤続年収や年齢問わず、高い年収を手にできることも珍しくありません。
年功序列よりも成果主義の環境で年収を上げていきたいという理由でベンチャー企業への転職を決める人も多いです。
企業によって年収アップ幅や頻度、また年収の上限が違いますので、転職前に面接などで企業に確認し、自身の希望が叶えられそうか確認しておくといいでしょう。
同じビジョンを持ったメンバーと働ける
ベンチャー企業では、知名度や待遇面などではなく、事業やビジョン、経営理念に共感したメンバーが集まってきます。
成長したい、将来起業したいなどの同じ目的を持ったメンバーと出会えることも多いです。
このように、同じビジョンを持ったメンバーと働くことができるのは、自身の成長やモチベーション維持など様々な面でプラスに働くでしょう。
経営者と近い距離で経験を積める
最後にご紹介するメリットは、経営層と近い距離で経験を積めることです。
企業によっては経営者が経営のみに注力せず、現場の仕事を兼任しているケースもあります。経営者の動きを真横で見ながら、自分のスキルアップに活かせることはベンチャー企業への転職で感じられる大きなメリットです。
経営者から直接会社の現状や経営数値について教えてもらえる機会や、今後の展望について共有される機会もあるため、将来的に経営に関わりたい、起業したいと考えている方は、ベンチャー企業で経験を積んでみると良いでしょう。
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ベンチャー企業への転職におけるデメリット
ベンチャー企業に転職するメリットをお伝えしてきましたが、もちろんベンチャー企業に転職するデメリットもあります。
具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。
プレッシャー・責任が大きい
裁量が大きかったりやりがいが大きいベンチャー企業は、その裏返しとしてプレッシャーや責任が大きいともとらえられます。
常に当事者意識が求められるため、大きなプレッシャーの中でも業務を遂行していくメンタルも大切です。
いきなり大きな仕事に挑戦することが負荷に感じるのであれば、裁量が大きいベンチャー企業への転職は避け、設立からしばらく経ち、制度や働き方がある程度整っているベンチャー企業への転職の検討した方がいいかもしれません。
安定性が低い場合もある
前述しましたが、ベンチャー企業は事業がまだ安定していなかったり、経営体制が万全でない場合は、会社の存続自体が危ういケースも考えられます。
これから大きく成長する可能性がある一方で、事業が必ず失敗しないとも限りません。
長い目で見て、長期的なキャリアを1社で送っていきたいと考えているのであれば、事業内容やマーケットでの立ち位置を事前にリサーチすることがおすすめです。
ベンチャー企業への転職を後悔してしまう人の特徴
ベンチャー企業に限らず、しっかりと自己分析や企業分析を行わないと転職に失敗してしまいます。そこでここでは、ベンチャー企業に転職して後悔してしまう人の特徴をご紹介いたします。
企業のミッション・ビジョンに共感できていない状態で転職
企業が掲げているミッションやビジョンに共感できていない状態でベンチャー企業への転職を決めてしまうと、入社後に周りとのギャップを感じ、早期退職に繋がってしまうかもしれません。
ベンチャー企業では新しいサービスを開発したり、社会課題の解決を掲げていたりと、それぞれの企業のカラーがミッション・ビジョンに如実に表れています。
これから組織や事業を大きくしていくフェーズにおいて、ミッションやビジョンへの共感は重要なポイントとなるでしょう。
転職後に後悔しないためにも、コーポレートサイトや求人票で事業内容や企業のビジョンを調べ、ミッションやビジョン、サービスを作った背景などに共感できる企業に転職することをおすすめします。
表面的な情報で判断して転職してしまう
表面的な情報でなんとなくベンチャー企業への転職を決めてしまうと、スピード感や業務量の多さについていけず、入社後に後悔する可能性が高いです。
求人情報に掲載されている情報で「社風が自分に合っていそう」と思っていても、実際に入社してみたら違ったということもあります。
評価制度なども、掲載されている情報だけでは100%理解することは難しいと思いますので、ご自身が押さえておきたいポイントは、逆質問タイムでしっかりと質問して入社後にギャップがあまり起きないようにできるといいでしょう。
魅力的な求人を見つけても、自分に合っている企業なのかを一度よく考えてから転職活動を進めるようにしてください。
自己理解をせずに転職してしまう
なぜベンチャー企業に転職したいのか、なぜその企業に転職したいのかが明確ではない状態で転職を決めてしまうと、転職後に「なんか違う」と後悔してしまうかもしれません。
そうならないために、自己理解をしっかりと行うようにしましょう。
自己理解を行うことで、自分に合った企業がわかったり、自分のアピールポイントなどもわかるので、結果的に面接の通過率アップにも繋がります。
ベンチャー企業への転職に限らず、自己理解をすることは転職活動をする上で必要不可欠です。
ただ、自分1人で自己理解をしようと取り組んでも時間だけが経ってしまい中々進まないということもありますので、そんな時はお気軽に転職エージェントにご相談ください。
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【年代別】ベンチャー企業への転職のポイント
実際にベンチャー企業への転職を成功させるためのポイントを年代別に解説していきます。
自分の年齢と照らし合わせ、どんなポイントを抑えるべきか把握して転職活動に挑んでください。
20代の場合
20代の場合は、現場で実際に業務をするプレイヤーを求めるベンチャー企業が多いです。具体的な数字を用いて、これまでどのような成果をあげたのか、入社後にどのような活躍ができそうかを伝えていきましょう。
経験のある職種であればマネージャーポジションなどで採用されることもあります。役職者としての転職を希望している場合は、これまでの経験やスキルを積極的にアピールしてみてください。
また、経験がなくてもやる気や熱意を評価するポテンシャル採用を実施している企業もあります。未経験だからと諦めず、気になっている企業があれば、求人票の募集要項部分を見てみると良いでしょう。
ベンチャー企業の平均年齢は20代であることが多く、ベンチャー企業に転職を検討される方の多くも20代です。ぜひ、積極的にベンチャー企業への転職を検討してみてください。
30代の場合
30代の場合はマネジメントやチームビルディングができる、マネージャーやリーダー層を求めているベンチャー企業が増えてきます。
自分の成果やスキルだけではなく、いかにチームや部下を巻き込んで働けるか、教育できるかといった能力が重要です。
自分の仕事はある程度できることは前提で、チーム全体で成果を上げていけることを伝えていくことをおすすめします。
40代の場合
40代の場合は経営に関する能力や、事業全体の舵を切る能力が求められてきます。
将来的に事業を拡大していくためや、企業を成長させるためにも、業務に関するスキルの一歩上のレベルが求められます。マネジメント経験はもちろん、事業の立ち上げ経験などが必要になってくるかもしれません。
COOやCFOなどでの参画可能性も高い年代ですので、これまでの実績を積極的に伝えていってください。
40代でベンチャー企業へ転職を成功させ事業をリードできれば、年収アップも期待できるでしょう。
ベンチャー企業への転職は具体的なビジョンと自走心が大切
ベンチャー企業への転職を成功させ、年収を上げたりキャリアアップをしていきたい方は、大きな裁量のもと自主的に仕事に取り組むことが大切です。
自分の転職の軸と企業の理念やビジョンが合致すれば、入社後も後悔することなく新たなスタートを切れるでしょう。
これからリスクを避けベンチャー企業への転職を成功させたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考に理想の企業を見つけてください。
私たちキャリア・エックスは、ベンチャー企業への転職サポートも積極的に行っており、実績も豊富です。
売上が伸びているベンチャー企業や面白いサービスを手がけるベンチャー企業など、あなたがどのような環境を求めているかをお伺いし、あなたの希望に合ったベンチャー企業をご紹介いたします。
また、ベンチャー企業の採用担当者がどのような方を求めているかという目線での面接対策も行っておりますので、ベンチャー企業への転職をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。
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