転職しないほうがいい業界8選!その特徴や転職のための対策を解説

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転職ノウハウ

iPhoneの上陸により、ガラケーをつくっていた国内メーカーが大きなダメージを受けたり、マーケティング手法がWebに舵を切るようになったり、コロナ禍によって飲食や宿泊・観光業が苦境に陥ったり…。

技術革新や社会情勢の変化に伴い、追い風を受ける業界もあれば、停滞する業界もある中、働くのなら好調で将来性のある分野へ行きたいと思うものでしょう。

本記事では、転職活動において職種選びと同じくらい重要になってくる業界選びの参考になるように、おすすめしづらい業界やその特徴、対策などについて解説します。

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転職しないほうがいい業界の特徴

具体的に、転職を避ける、あるいは注意した方が良い業界にはどんな特徴があるのでしょうか。ここではその例をいくつかピックアップします。

離職率が高い

・常にノルマなどのプレッシャーにさらされる環境

・長時間労働や休日出勤の常態化

・昇進やスキルアップの機会が限られている

・給与が低い

・人間関係が悪い

一般的な退職理由には、主に上記の例が挙げられますが、離職率の高い業界ではそれらが該当しやすいと言えます。

大学新卒の3年以内離職率は平均32.3%(参考:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します)で、それより数字が高い場合は注意が必要でしょう。

給与が低い

・人材の供給過多

・業界の収益性の低さ

・自動化やAIなどによるコストカットの加速

・国などからの補助金、助成金への依存体質

日本全体の平均年収は458万円(参考:国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査)ですが、それは業界ごとに異なります。

給与の低さが業界構造に起因する場合も多く、転職で収入アップを目指す場合は、特に意識しておいた方が良いでしょう。

業界以外にも、年齢や経験によっても提示される給与は違いますので、定期的に市場価値診断や転職エージェントに相談するなどして、今の自分であればどれくらいの年収が妥当なのかを把握しておくことが重要です。

労働環境が悪い

・業務効率化が進められていない

・ハラスメントの意識が低い

・チームワークが徹底されていない

・上司などへ意見が言いづらい

・シフト制や夜勤など勤務体系が不規則

労働環境についても、業界ごとに差異があるポイントです。

例えば、平均残業時間で見るとメディカル業界は月15.61時間なのに対して、コンサルティング業界は月33.98時間と約2倍の違いがあります(参考:働きがい研究所by openwork 日本の残業時間 定点観測※2023年1-3月)。

その他、業務効率化を推進していない業界などでは、残業時間が多い=仕事を頑張っていると捉える人が多い場合もあります。

将来性が見込めない

・マーケットニーズの減少

・代替製品やサービスの登場

・デジタルシフトが進んでいない

・グローバル競争への遅れ

様々な要因から以前は安定していた業界でも、急速に衰退が進む場合があります。転職活動においては、現在の状況はもちろん、10年後、20年後の将来を予測することが重要になってきます。

転職時に注意したほうがいい業界8選


ここでは離職率や待遇、将来性などを踏まえて、転職時にじっくりと検討したほうがいい業界を8つご紹介します。

建設業界

建設業界は、社会インフラを支える重要な役割を担っています。

平均年収も約530万円と、平均を上回る水準ですが、一方で全産業より労働時間は約2割長く、技術者の約4割が4週4休以下で働いている(※)など、労働時間の長さが問題に。

就業人口も右肩下がりになっているため、技術革新が進んでも、なかなか労働環境が改善されることはないでしょう。また、日本全体の人口が減っていることから、新規建設プロジェクトも減少することが予想されます。

※参考:国土交通省 最近の建設業を巡る状況について【報告】

小売業界

インバウンド需要やインターネット通販によってニーズが高まると期待されている小売業界。しかし、物流を担うドライバーの人材不足などの影響もあり、全体では段階的に市場規模は落ち込み、2022年から2030年までにおよそ14%減となる予測が発表されています(※)。

また、メインとなる店舗での仕事に特別な資格などが必要ないこともあって、平均年収は約384万円と、平均より70万円以上低い数字にとどまっています。

※参考:矢野経済研究所 2030年の小売市場に関する調査を実施(2023年)

運輸業界

2024年問題がニュースになっているように、ドライバーを中心に人手不足が大きな課題になっている業界です。

運転手は近年、有効求人倍率が平均の約2倍で推移し、年間の総労働時間も他業種より400時間ほど長いにもかかわらず、平均年収は低めの数字(※)。ドライバー以外の職種を含めた平均年収も約477万円にとどまっています。

人が大幅に足りない状況にも関わらず、待遇や労働環境を改善できていないところに、業界の構造的な問題が見て取れます。

※参考:厚生労働省 統計からみるトラック運転者の仕事

金融業界

日本政府が投資を呼び掛けていることもあって、金融業界の市場規模は安定成長を続けており、5年後には現在の105%となる208兆5989億円に到達する見込みです(※)。さらに、平均年収も約657万円と他業種を上回っており、平均残業時間も多くはありません。

しかし、これは職種によって大きく異なり、金融業界の営業は厳しいノルマ・プレッシャーが課せられることで知られています。希望する職種によっては注意が必要な業界だと言えるでしょう。

また、インセンティブ制を取り入れている企業もあり、成果が出せれば年収が高いものの、成果が出せなければ周りからのプレッシャーに追われるだけでなく、年収自体も低くなることもあります。

※参考:株式会社 xenodata lab. XENOBRAIN 市場規模 5年間の推移予測 金融

出版業界

インターネット、スマートフォンの普及によって大きな影響を受けているのが出版業界です。

日本の出版販売額は1996年まで右肩上がりで伸び続け、ピーク時には2兆6564億円を記録。その後は徐々に減り、2022年は1兆6305億円まで下がっています。

内訳では電子コミック・書籍の占める割合が増えているものの、未だに紙書籍がトップ(※1)であり、デジタル化が浸透しているとは言えない状況です。

また、平均残業時間を多さがトップ20に入る(※2)など、労働環境も比較的厳しい業界だと言えます。

※1 参考:公益社団法人全国出版協会 出版科学研究所 日本の出版販売額
※2 参考:リクルートエージェント 転職関連アンケート調査 平均残業時間

介護業界

介護報酬は国の介護保険制度に基づいて決められているため、利益率に限界があります。

それもあって、介護老人福祉施設、介護老人保健施設の令和4年度決算は平均でマイナスを記録(※)。平均年収も医療業界を含めた数字で約409万円と低い数字にとどまっています。

また、施設によっては夜勤もあるなど、不規則な勤務体系になりやすく、ワークライフバランスを取りづらい業界です。

※参考:厚生労働省 令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要

宿泊、飲食サービス業界

コロナ禍で大きく下降し、逆に現在はインバウンド需要が拡大するなど、社会情勢に左右されやすい業界です。夜間を含めたシフト勤務の割合が高い一方、平均年収は約278万円と国税庁が分類する業界の中では、もっとも低い金額になっています。

そうした影響もあって、大学新卒の3年以内離職率はトップとなる51.4%を記録(※)。多くの人にとって、長期的なキャリアを歩むことが難しい業界だと考えられます。

参考:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

教育業界

少子化の影響もあって学習塾などは厳しい状況にさらされているものの、社会人向けの資格取得・e-ラーニングといったサービスがニーズを高めている教育業界。全体では比較的安定した市場規模で推移し、2019年度~2023年度は常に2兆8000億円前後の規模で推移しています(※1)。

しかし、離職率は高く、大学新卒の3年以内離職率は46%(※2)。これには平均年収371万円(※3)という低さや平日休み、モンスターペアレンツなどの問題の影響が予想されます。

※1 参考:矢野経済研究所 教育産業市場に関する調査を実施(2023年)
※2 参考:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
※3 参考:DODA 平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】

※平均年収は補足がない場合、すべて国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査を参考にしています


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業界だけで転職先を選ぶのは危険


転職を考える際、業界は確かに重要な要素ですが、それだけでは十分ではありません。同じ業界でも個々の企業の状況は異なり、また、自分のスキルや希望、長期的なライフプランとのマッチングなど、多角的な視点で判断する必要があります。

以下では、業界以外に留意したほうがいい点を書いていきます。

個別の企業の状況

例えば、業界全体は衰退しているものの、独自の技術でイノベーションを起こしている企業が存在している一方、好調な業界でも財務状況が良くない会社もあります。

売上高や中長期的な事業計画、先端技術の導入状況、企業文化など、業界でひとくくりにするのではなく、個々の企業ごとにHPやプレスリリースなどを通じて情報収集をするべきでしょう。

また、可能であれば実際に働いている、あるいは働いていた社員の方に意見を聞くことも有効です。

自分のスキルや希望に合っているか

いくら将来性のある業界であっても、自分自身がまったく興味を持てなければ、転職する気は起きないでしょう。また、その業界にマッチするスキル・経験がないと採用自体も難しくなり、これまでのキャリアがリセットされるリスクも生じます。

その他にも、企業ごとのカルチャーや働き方などが、自分に合っているかどうかも検討しなければ、入社後にミスマッチが起きてしまうかもしれません。

ライフプランとのマッチング

・転勤や海外赴任が家族に受け入れられるか
・結婚や出産とキャリアを両立できるか
・現在、将来の生活費と収入がマッチするか
・勤務体系とライフスタイルにずれがないか

家族の都合でどうしても転職ができない、家庭と両立させるのにシフト勤務の方が都合が良い、近い将来の結婚・出産を考えているなど、ライフプランは人それぞれで異なります。

企業ごとの制度も同様に違ってくるため、転職においては個別にその内容を精査する必要があるでしょう。

業界選びに迷ったら転職エージェントへ


転職に際しては、多種多様な業界があり、その特徴はそれぞれ異なります。調べてみても、自分一人では合っている場所が分からないと思われる人もいるかもしれません。そんなときに頼りになるのが転職エージェントです。

彼らは求職者と企業の橋渡し役として、転職の相談に乗ってくれたり、サポートをしてくれたりする存在。幅広い業界の求人を手掛ける総合型と業界などを絞った特化型に大別されます。

例えば、まったく志望業界が決まっていなければ広く知見を得るために総合型を、逆にいくつかの業界に絞っているのであれば、特化型の転職エージェントを活用し、詳細な情報を得ることも可能。

さらに、いざ応募先が決まった後にも、業界・企業に合わせた履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、入社までの工程をトータルで後押ししてもらえます。

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自分にとっての“いい業界”を見つけ、理想のキャリアを


市場規模が年々下がっている、平均年収が低い、離職率が高い…。ここまで書いてきたように、比較するとそうした数字が他より悪い業界はあります。

しかし、個々の企業ごとに状況は異なるうえ、転職の軸も人それぞれ。業界が厳しい状態であっても、「ダイナミックな建物をカタチにしてみたい」、「好きなブランドの商品を自分の手で人に提案したい」、「本づくりにどうしても携わりたい」といった思いを持つ方もいるでしょう。

あくまでも“業界”は一つの判断材料にとどめ、自分に合った転職先を探してください。一人で考えることに迷ったら、キャリア・エックスに相談していただけると、経験豊富なアドバイザーがあなたを親身にサポートします。

キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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