「スタートアップへの転職に興味がある」。大手だから安心…ではなくなってきた昨今、転職にあたり企業規模にこだわらなくなってきた方も多いのではないでしょうか。
成長環境を求めている方は、転職時に設立まもないスタートアップへの転職を視野に入れる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、スタートアップへの転職について調べてみると、ネガティブな情報も少なくありません。
そこで今回は、なぜ「スタートアップへの転職はやめとけ」と言われるのか、逆にどんな魅力があるのか、転職成功に向けたポイントなどと合わせて解説します。
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目次
スタートアップとは?
スタートアップという言葉に明確な定義はないものの、経済産業省では一般論として「新しい企業であって、新しい技術やビジネスモデル(イノベーション)を有し、急成長を目指す企業」と説明しています(参考:経済産業省 スタートアップ育成に向けた政府の取組~スタートアップの力で社会課題解決と経済成長を加速する~)。
もともとは、アメリカのシリコンバレーでGoogle、Apple、Facebook、Amazon(GAFA)が台頭してきた時期に使われ始めたと言われていて、革新性と成長性に特徴があります。
ベンチャーとの違い
スタートアップと同じような意味合いで、ベンチャーという言葉もよく使われますが、何が違うのでしょうか。
ベンチャーは一般的に既存のビジネスモデルを採用したり、長期的な事業拡大を目指したりする企業を指します。一方、スタートアップは新規のビジネスモデルで急成長を目指す点に違いがあります。
「スタートアップへの転職はやめとけ」と言われる理由
では、スタートアップへの転職を否定されるのには、どんな要因が挙げられるのでしょうか。ここで具体的な理由について説明します。
経営の安定性が低い
革新的なビジネスにチャレンジするスタートアップは、収益基盤が確立されていない場合があり、ベンチャーキャピタルなど投資家からの資金調達で運転資金を賄っていることも珍しくありません。
また、サービスがマーケットに受け入れられる保証はなく、仮に成功の兆しを見せ始めたとしても、大手企業が競合として出現する可能性もあるでしょう。
さらに、当初の事業計画がうまくいかない場合、ピボットと呼ばれる大幅な事業の方向転換を行うことがあります。これはときとして必要な戦略ですが、それによって社員の役割や求められるスキルセットが突然変わることも。
これらの要素を複合的に考えると、スタートアップ経営の安定性は、大手企業や歴史ある企業に比べると低くなってしまいます。
教育制度が整っていない
スタートアップでは大企業で行われているような新入社員研修や、定期的なスキルアップ研修がない場合がほとんどです。
比較的少人数で運営されているため、社内のリソース不足や教育への知見が蓄積されていないことが要因として挙げられるでしょう。
教育・研修はどうしてもOJTへ依存しがちになるため、社員には自主的な学習を積極的に行うことが求められます。
ワークライフバランスが取りづらい
人的なリソースが不足しがちな状況は、ワークライフバランスにも影響を与えます。
単純に一人当たりの業務量が増えるほか、明確な職域分けがされていないことから、“なんでも屋的な働き方”が求められることも。
さらに、終業後や休日のクライアント対応などをしなければならない場合もあるでしょう。
明確にオンとオフを分けたい、プライベートの時間を重視したいという志向を持っていると、スタートアップの環境には厳しさを感じてしまう可能性が高いです。
待遇が悪い場合がある
収益基盤が安定していないスタートアップでは、基本給を抑え、業績に合わせたインセンティブ・賞与を厚くしている場合があります。
そのため、自分自身、会社と共に成果を出し続けられれば良いですが、収入が不安定になるリスクが考えられるでしょう。
また、福利厚生について、各種手当や退職金制度などが整っていないケースも。条件については、入社後にギャップが生まれないよう、事前にきちんと確認しておく必要があります。
スタートアップで働くメリット
スタートアップへ転職することにリスクがあることは間違いありませんが、多くの人を惹きつけているのも事実です。ここからは、スタートアップならではの魅力、メリットを解説します。
キャリアアップのチャンスがある
特にシード・アーリー期のスタートアップは組織の規模が小さいため、入社後すぐに重要なプロジェクトや意思決定に関わる機会があります。
そこで成果を残し組織も拡大していけば、自分自身もスピーディにキャリアアップを実現できるでしょう。
一般的な企業だと、マネージャ―などのポストに就くのに数年あるいは10年以上かかることもありますが、スタートアップでは短期間で役員クラスに就く例も珍しくありません。
さらに、マネジメント経験は、将来のキャリアにおいても、大きな強みになるでしょう。
幅広いスキルを磨くことができる
大手企業と比べると、スタートアップでは一人ひとりの業務が細分化されていない分、幅広い業務に携わり、多様なスキルセットを獲得することができます。
たとえば、営業をメインに担当しながらマーケティングもサポートしたり、人事や総務、広報などバックオフィスの業務をトータルで担ったりする機会も。
それぞれの分野の知見を吸収できるうえ、実務を進めていく中で、プロジェクト管理やマネジメント、大型案件でのプレゼンテーションなどのスキルも磨かれます。
それらを急速に成長する組織で、短期間に習得できるのもスタートアップで働く魅力です。
収入アップを目指せる
スタートアップの多くの企業では、成果主義の給与制度が採用されています。そのため、特に営業職であれば自分の売上などに応じて、高いインセンティブ・賞与を手にすることができるでしょう。
さらに、キャリアアップがスピーディである分、昇格のタイミングごとに給与をアップさせるチャンスも。
自分自身のスキル・成果次第という側面は強いものの、高収入を手にする可能性が広がっている点もスタートアップで働くメリットの一つです。
裁量が大きい
スタートアップでは、業務の進め方に細かなルール、制限を設けていない場合が多くあります。そのため、“どのように仕事を進めるのか”、裁量を持ってプロセスや手順を決めることが可能。
自分自身のアイデアのもと、自由にチャレンジできる機会があるのは、大きな魅力だと言えるでしょう。
主体的に仕事に取り組む中で、身に付けたスキルや知識は、その後のキャリアの糧にもなります。
経営陣との距離が近い
大規模な会社の場合、意思決定には何段階ものプロセスを通過する必要があります。
一方で、スタートアップは少人数で運営されているため、たとえば、営業戦略や新製品の開発方針、新規マーケットへの参入、資金調達の方向性など、自分の意見をダイレクトに経営陣へ伝える機会も。
責任は伴うものの、会社の発展や方向性に影響力を与えるチャンスがあることは、大きな魅力だと言えるでしょう。
また、日常的に代表をはじめとした経営陣とコミュニケーションをとる中で、経営感覚を学ぶことができたり、経営状況・事業計画などについて透明性の高い環境で仕事へ取り組めたりすることも特徴として挙げられます。
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スタートアップに向いている人の特徴
デメリットはあるものの、メリットも大きいスタートアップへの転職。では、どのような人がスタートアップで働くことに向いているのでしょうか。
主体性がある
スタートアップでは、自ら考え決断しなければならないシーンが多くなります。
そのため、主体性は必須となる素養であり、目標に向かって自走し、日常業務でもセルフマネジメントを適正に行えることが求められます。
柔軟性と適応力がある
急成長を続けている企業では、業務や会社を取り巻く環境がスピーディに変化します。
予期しない事態に直面することもあると考えられますが、その中でも柔軟に対応することが必要となるでしょう。
チャレンジ精神がある
大手企業と比較するとスタートアップは、決して安定していません。その分、成長の可能性は大きく広がっており、安定より挑戦を求めている人には向いているでしょう。
また、失敗を恐れずに新しいことへ積極的にチャレンジする姿勢も大切になります。
学習意欲がある
教育制度が充実していない場合が多いこともあり、自ら足りないスキルや知識を学んでいく姿勢は求められます。
一方で、スタートアップでは最先端の技術・サービスなどに触れる機会も豊富なため、そうした素養がある方であれば、自分自身を大きく成長させるチャンスが広がっています。
起業を目指している
代表らと近い距離で仕事を進める中で、経営について学べることが多いうえ、新規事業・サービスの立ち上げなどを通じ、会社員でいながら自分のアイデアを試すチャンスも出てきます。
将来的に起業を考えている人にとって、スタートアップで働くことは貴重な経験になると考えられます。
コミュニケーションスキルが高い
スタートアップでは、少人数で密な関係性を築きながら業務を進めていきます。
オンとオフの完全な切り替えが難しいことも多く、そうした環境の中で一人ひとりと信頼関係を築けるコミュニケーションスキルが重要になるでしょう。
粘り強さがある
人それぞれの捉え方にもよりますが、業務の量や責任などをプレッシャーに感じることもあるでしょう。
そうしたときに、仕事を投げ出すことなく、粘り強く向き合っていく姿勢が大切になってきます。
スタートアップへの転職を成功させるポイント
現実的にスタートアップへの転職を考えている方に向けて、ここではどんな点に注意するべきなのか、ポイントを解説します。
成長業界を選ぶ
スタートアップの成功の可否は、会社自体はもちろん、業界が置かれた状況にも大きく左右されます。いくら革新的なビジネスでも、市場が小さければ発展は見込みづらいでしょう。
マーケットそれぞれの規模や将来性、トレンドなどは事前にチェックしておくべきです。そこで、特に注目されている分野にSaaS業界が挙げられます。
国内のスタートアップはIT業界の企業が中心になっていますが、その中でも市場規模の成長はスピーディで、今後その流れはさらに加速すると予想されています。
面接での逆質問タイムを活用する
入社前に確認事項が漏れていると、入社後のギャップが生まれる可能性が高まってしまいます。
面接ではほとんどの場合、求職者側からも質問する機会が設けられていますので、ぜひ遠慮せずに活用しましょう。
企業のビジョンやカルチャー、評価制度、労働条件など、気になるポイントがあればどんどん質問しクリアにすることが、入社後の活躍につながります。
自己分析を行う
企業を調べると同時に、“自分自身”を的確に把握することも重要です。
これまでどんなスキル・経験を積み重ねてきて、スタートアップでなにを身に付けたいのか、そして将来どのようなキャリアを歩んでいきたいのか。
自分の現在地や目標、仕事への価値観などを一つひとつ明確化し、マッチした企業を選択することが、転職の成功につながります。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは自己分析や応募書類の作成、求人情報の提供、面接対策など、転職活動をトータルでサポートしてくれる存在です。
各企業・業界とのネットワークを活かし、個人では調べられない情報を共有してもらえることも多く、特にスタートアップへの転職支援に豊富な実績を持つ転職エージェントを見つけると、非常に頼りになるでしょう。
自分一人で就職活動を進めていくことに不安のある人は、ぜひ一度ご相談してみてください。
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自分に合ったスタートアップ企業を見つけよう
スタートアップへの転職には、メリット・デメリットがあり、魅力を感じる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
さらに、スタートアップといっても企業ごとにそれぞれ特徴は異なり、働き方や社風もさまざまです。
しかし、「革新性×急成長」はどのスタートアップにも共通する項目。その点に少しでも興味があれば、挑戦する価値はあると言えるでしょう。
もし、スタートアップにチャレンジするのであれば、各社の特徴に目を向け、自分にあった会社を選ぶことが大切です。
会社選びや転職に悩んだときには、スタートアップへの転職支援実績が豊富なキャリア・エックスにぜひご相談ください。