転職のベストなタイミングとは?状況や年代に合わせたポイントを解説します

 

転職ノウハウ

新卒入社3年以内の離職率が3割とも言われている昨今。もはや転職は当たり前の選択肢となりました。

「終身雇用」や「御恩と奉公」的な価値観が崩壊した今、特に若い世代は「キャリアアップできない」「自分に合わない」と感じた場合、早いタイミングで転職することは珍しくありません。

しかし、十分なスキルを身につけず、勢いで転職すると失敗したり、後悔したりするケースもあります。

では、転職にベストなタイミングとはいつなのでしょうか。本記事では、状況や年代などに合わせたタイミングの見極め方、注意点などを解説します。

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転職のタイミングの重要性

仮に同じスキル・経験を持っていたとしても、マーケットのニーズによって、現在と10年後、20年後では自身の市場価値は大きく異なります。また、企業・業界の成長期と成熟期では求める人材も変わってくるでしょう。

さらに個人に目を向けても、親の介護や結婚・出産などのライフイベントによって、キャリアを見直さなければいけないことがあるかもしれません。

このように転職活動においては、タイミング次第で期待以上の評価を得られたり、逆に失敗したりすることも。適切なタイミングで転職することが、いかに重要かおわかりかと思います。

では具体的にどんなタイミングで転職すればいいのか、以下で詳しく解説します。

マーケット軸から見た転職しやすいタイミング


求人数が増えれば、その分選択肢や好条件を引き出すチャンスも増えるため、個人の状況だけでなく、労働市場全体の動向を把握することが重要です。ここでは、マーケット視点から転職に適したタイミングについて解説します。

また、面接をどれくらいの頻度で組むことができるか、自己分析にどれくらいの時間を使うかなど人によって違いはあるものの、転職活動を始めてから内定がでるまで3ヶ月ほどかかります。

そのため、ここでご紹介する時期に転職をする場合は、逆算しておよそ3ヶ月前から転職活動を始めるといいでしょう。

期の節目

多くの企業では、事業年度や業績ごとに人事異動、組織変更が行われます。このような期の節目は、転職を考える上での一つの良いタイミングとなります。

具体的な月で言うと、4月、10月です。

4月は新年度が始まる時期となっており、そこに向けて新たな採用枠が設けられることが多く、転職のチャンスが増えます。さらに新卒採用者が入社する時期となりますので、同時に中途採用にも前向きになる傾向があります。

また、10月は下半期に向けた人員補強を行う企業が多いため、4月と合わせてここに向けて採用が活発になるでしょう。

求人数が増加する時期

求人数は、業界や経済の状況によって変動しますが、一般的には新年度開始前、ボーナス支給後、繁忙期前に増えます。

新年度開始前は採用計画を満たしたり、予算消化を行ったりするため、ボーナス支給後はそのタイミングに転職する求職者が多いため、繁忙期前は企業にとって人員を満たすことが必須になるため、それぞれ求人数が増加。求職者にとっては、選択肢の幅が広がる時期となります。

業界や企業の成長期

AI、IoT、SaaS、再生可能エネルギーなど、急成長している業界では常に人材が求められています。一方、古くからある産業においてもDXの波が急速に押し寄せているため、業界を問わず、IT・デジタルマーケティング人材などのニーズは拡大中です。

そのほかにも、スタートアップや新規事業の立ち上げ期には、企業は成長に向けて多くの人材を求める傾向に。企業や業界の成長期に転職をすることは、キャリアアップ形成の観点からも魅力的だと考えられるでしょう。

※おすすめの業界についてはこちらの記事で詳細に紹介しています。

法制度の変更

例えば、物流業界の2024年問題が大きなニュースになったり、国がデジタル庁の発足といったDX化を推し進めたりするなど、各産業の動向は法制度によっても大きく左右されます。

国が後押ししている分野を見極めるためにも、日常のニュースにアンテナを張っておくことが大切です。

自分軸での転職を考えるタイミング


市場の状況だけでなく、転職には個人の状況や感情、キャリアの方向性も大きく関わってきます。いくらマーケットに魅力があっても、自分自身が惹かれなければ意味はないでしょう。

ここではどんなときが転職のタイミングなのか、いくつかの例をピックアップします。

ライフイベント

「育児や家事と仕事を両立させたい」、「親の介護のために地元に戻らなければいけない」、「夫の転勤に合わせて、自分も新しい職場を探さなければいけない」など、ライフステージの変化も転職の大きな要因です。

職場環境や体制の変化

M&Aや部署の統廃合、配置転換など、ときには予期しないタイミングで、自分が置かれた状況が変化することも。好転すれば良いですが、新しい場所で評価が下がったり、上司や仕事が合わないといったことがあれば、転職を視野に入れるべきかもしれません。

仕事や会社への不満

給与やワークライフバランス、スキルアップ、仕事のやりがいなど、現職への不満は転職の大きな理由に。実際にリクルートエージェントの調査によると、転職のきっかけの1位に「労働時間・環境が不満だった」、2位に「給与が低かった」が挙げられています。

キャリアチェンジ・キャリアアップ

自分の専門性を高めるために、その分野でトップレベルの企業を目指したり、まったく新しい業界・職種へチャレンジしたり、ポストをつかみやすい成長企業へ飛び込んだり…。自分のキャリアの方向性を見直す中で、転職を考えることもあるでしょう。

※キャリアチェンジについてはこちらの記事、キャリアアップについてはこちらの記事で、それぞれ詳細に解説しています。

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年代ごとに見る転職で求められるもの

いざ転職しようと考えたとして、企業から求められるものは年代、キャリアなどによって異なります。ここでは20代、30代、40代以上に分けて、それぞれで必要となる要素を書いていきます。

20代が転職で求められるもの

20代は、キャリアのベースを築く重要な時期です。20代前半か後半かにもよりますが、基本的にはポテンシャルをチェックされます。

たとえば、高い成長・学習意欲を備え自己啓発などに取り組んでいるか、新しい環境や業務に柔軟に対応できる適応力があるかどうか、将来的に会社・事業の中核を担えるかどうかといったポイントを重視します。

ただし、ビジネススキルがゼロでは、新卒採用と同様になってしまいます。そのため、ビジネスマナーやタイムマネジメントスキル、デジタルリテラシーなどの基礎的なビジネススキル、営業やプログラミング、デジタルマーケティングといった大まかなキャリアの方向性は求められるでしょう。

30代が転職で求められるもの

一定の職種・業界経験を積んだ30代は、キャリアの方向性がほぼ定まっている時期。企業から求められる要素もポテンシャルが重視される20代とは異なってきます。

実務においては即戦力となることが求められ、特定の分野の知識とスキル、これまでの業務での実績を具体的にアピールできることが重要です。さらに、単純作業にとどまらず、複雑な問題を分析し、効果的な解決策を提案できる能力も必要に。

また、チームやプロジェクト単位であっても、リーダーとしての経験が評価されます。プレーヤーとしてだけでなく、人材育成、チームビルディングスキルも備えていると、市場価値が高まるでしょう

他にも、経験が豊富であると企業ごとのカルチャーや仕事の進め方に適応できるか疑問を持たれやすいため、新しい環境へ柔軟に対応できる点も積極的に伝えていく必要があります。

40代以上が転職で求められるもの

40代に入ると、キャリアは集大成を迎えます。そのタイミングでは企業からは、これまで以上に高いレベルの能力が求められます。

実務においては、長年の経験にもとづく高度なスキルや業界特有の知識を備えていることが必須となり、特定の分野でエキスパートとして地位を築いていること、豊富な実績があることなどをアピールする必要があるでしょう。

また、マネジメントにおいても、大規模なチームや部門全体のマネジメント経験が評価の対象に。加えて、若手社員の育成や次世代リーダーの成長に貢献できる能力があるかどうかも見られます。

年齢が上がるほど、基本的には企業が支払う給与も上がるため、こうしたポイントを総合的に判断したうえで、シビアに採用を判断されるのが40代以上です。

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転職に適していないタイミング


転職に適したタイミングがある一方、適していないタイミングもあります。それはどんなときなのか、ここで解説します。

現職の在籍期間が短い

キャリアの継続性、業務の経験値、自社への定着など、様々な面から短期間での離職は、採用企業からのマイナス評価につながります。

一般的には、最低でも1年、できる限り2~3年以上は現職で経験を積んだ方が、転職の際に選択肢が広がります

転職への準備不足

転職には、様々な準備が必要となります。キャリアの方向性・目標の設定や企業・マーケットの知識、スキル・経験などが整っていない状況で転職活動を進めても、なかなか成功させることは難しいでしょう。

金銭的な余裕がない

転職活動は、必ずしも理想通りのスケジュールで進むわけではありません。金銭的な不安があると、希望していない会社・仕事を選ぶことになったり、給与交渉などで妥協せざるを得なかったりすることも。

余裕を持って“次”を決められるよう、なるべく現職に在籍しながら転職活動を進めることをおすすめします。

一時の感情に流される

上司・同僚と人間関係のトラブルが起きたり、繁忙期を迎えて大きなストレスにさらされたりしたときには、「仕事を辞めたい」と思うこともあるでしょう。

しかし、一時的な感情に流されてしまっては、冷静な判断はできません。転職を決める際には、落ち着いて考える時間を取るようにしましょう。

ベストなタイミングを見極め、転職を成功させよう

自分自身のスキルや経験に問題がなくても、タイミングによって転職の成功が左右されることがあります。一方で、ベストな時期を見つけ行動することができれば、期待以上のキャリアや待遇を手にできる可能性も否定できません。

自分が心から転職したいと思え、なおかつ市場価値を最大化できる―――

そんなタイミングを発見するために、本記事が役に立つことを願っています。

キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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