近年「カスタマーサクセス」という職種を耳にする機会が増えてきました。
企業が新しく部署を立ち上げることもあれば、求人が増加傾向にあることから求人サイトを見て知ったという方もいるでしょう。
しかし、言葉は聞いたことがあるけど、カスタマーサクセスがどのような仕事をするのか詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、カスタマーサクセスの求人も多く取り扱っているSaaS転職に強い転職エージェント『キャリア・エックス』が、カスタマーサクセスの仕事内容や転職難易度を解説致します。
カスタマーサクセスに転職したいと考えている方は、是非最後までご覧ください。
目次
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスの仕事内容や転職難易度についてご紹介していく前に、まずはカスタマーサクセスの大枠について理解していきましょう。
カスタマーサクセスは、企業が提供するプロダクトやサービスを購入した顧客に、それらを最大限に活用することで成功を実感してもらうためのサポートを行う仕事です。
カスタマーサクセスの目的は、顧客に企業が提供するプロダクトやサービスを継続的に利用してもらうことや、グレードアップ、追加購入を行ってもらうことです。
そのためにカスタマーサクセスの部署では、プロダクトやサービスを正しく理解し適切に利用できるように、顧客に対してプロダクトのトレーニングやサポートを行っています。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスのゴールは、「既存顧客にプロダクトを活用することで成功を実感してもらうこと」ですが、カスタマーサポートのゴールは、「既存顧客が抱える不満や問題を素早く解決すること」になります。
ゴール以外にも、カスタマーサクセスは顧客が行動を起こす前に業務が発生するのに対し、カスタマーサポートは顧客が行動を起こした後に業務が発生します。
さらに詳しいカスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについては、下記記事をご覧ください。
なぜ今カスタマーサクセスが注目されているのか
タイトルにも書いた通り、カスタマーサクセスを含む新しい時代に求められる営業職のは求人数がここ最近で急激に増加しており、今注目されている職種の1つです。
注目されている大きな理由は、新型コロナ感染症拡大をきっかけにして、「働き方」が変化したためです。
※参照:PRtimes 新しい時代に求められる営業職に対する調査
上の画像を見ると、青色の営業職全体の求人数と比較して、2020年の9月以降オレンジ色の新しい時代に求められる営業職(カスタマーサクセスとインサイドセールス)の求人が急激に増加していることが分かります。
このことから、多くの企業が新型コロナ感染症をきっかけにリモートワークを整備するために新システムを導入し、非対面が中心となるような営業手段に変えた影響によってカスタマーサクセスが注目され始めていると言えるでしょう。
カスタマーサクセスの仕事内容
ではここからは、カスタマーサクセスの仕事内容をご紹介致します。
前述した通り、企業が提供するプロダクトやサービスを購入した顧客に、それらを最大限に活用することで成功を実感してもらうためのサポートを行う仕事です。
そのためには大きく分けて下記のような仕事があります。
・顧客との関係構築
・製品やサービスの説明
・サクセスプランの作成、提案
・フィードバックの収集
1つずつ見ていきましょう。
顧客との関係構築
カスタマーサクセスでは顧客との良好な関係を築くことが重要な仕事の1つです。
関係が良くないとサービスの提案に耳を傾けてもらえなかったり、そもそもコミュニケーションを中々取らせてもらえず、顧客のサポートをすることができません。
とは言っても、顧客はカスタマーサクセスの重要性がわからず、カスタマーサクセスチームと話をすることに抵抗を感じてしまうことも少なくありません。
そこで、「オンボーディング」と呼ばれるカスタマーサクセスの中でもプロダクトの導入支援をメインで行うチームが、顧客との関係構築やカスタマーサクセスチームと話すことで自分達にメリットがあると思ってもらえるようにしていきます。
プロダクトやサービスの説明
プロダクトを導入しても、有効に使ってもらえなければ継続利用に繋がりません。
そこで「アダプション」と呼ばれるチームが、顧客がプロダクトを使いこなせているかどうかの確認を行います。
ベーシックな機能は使っているけどそれ以外の使い方は分からず「こんなもんか…」となっている顧客に対しては、最大限に活用してもらえるように、顧客のニーズに合わせてよりコアな使い方を伝えていきます。
もちろんベーシックな使い方ができていない顧客に対しては基本的な使い方も説明します。
プロダクトを使いこなせるようになることで企業はプロダクトに対して信頼度が高まり、既に契約しているプロダクトのアップグレードやアカウント数の追加、そのプロダクト以外の自社プロダクトを検討してくれるようになるでしょう。
サクセスプランの作成、提案
顧客がプロダクトを手放せない状態になると、継続利用はもちろん、その企業に入社してきた人は必ずそのプロダクトを使うようになるためアカウント数も増え、そのプロダクトと親和性の高い他の自社プロダクトを使ってもらえる可能性も高まるため、カスタマーサクセスとしては大成功です。
そのような状態にするために「エクスパンション」というチームがあります。
このチームでは、ヒアリングを行いながら顧客自身が気づいていないような課題を見つけ出し、顧客が成功するために必要なサクセスプランの作成やプロダクトの使い方の応用編を伝えていきます。
・オンボーディングチームが顧客との良好な関係を作り導入を進める
・アダプションチームが顧客がプロダクトを使いこなせるように支援する
・エクスパンションチームが顧客にとってそのプロダクトがなくてはならないものにするためにサクセスプランを作成し、企業の成功を最大化する
このような流れで各チームが協力して顧客がプロダクトを最大限に活用して成功を感じてもらうためのサポートをしています。
フィードバックの収集
最後に、顧客を成功に導くサポートをするカスタマーサクセスですが、幅広い顧客に成功を感じてもらうためには提供しているプロダクトをより良いものにしていくことも重要です。
そのために、カスタマーサクセスの重要な仕事の1つとしてプロダクトに関するフィードバックを収集する業務があります。
フィードバックの収集には、アンケート調査や顧客の行動・利用状況の分析、そして顧客との関係性を高めた上で直接顧客にヒアリングするなどが含まれます。
これらのフィードバックをもとに最終的にどのようなアップデートがあれば満足度が高められるかを考え、開発チームに提案をしていきます。
カスタマーサクセスに求められるスキル
今注目されているカスタマーサクセスでは、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
探求する力
カスタマーサクセスとして働く上でとても大切なことが、自社が提供するプロダクトの知識を深めることです。
そのためには、プロダクトに関して教えられたことをただ覚えるのではなく、そのプロダクトに興味を持って、そのプロダクトを探求する力が必要です。
探求することで、顧客のニーズを聞いた時にすぐにそのニーズを解決する提案ができたり、顧客から要望がくる前にそのプロダクトに足りていない要素を開発側に提案することができるでしょう。
ヒアリング能力
カスタマーサポートでは顧客が気づいた悩みを解決するのに対し、カスタマーサクセスでは顧客自身も気づいていない悩みを聞き出し、その悩みを提供するプロダクトを通じて解決することで顧客の成功をサポートします。
そのため、顧客がなにに悩んでいるのかをヒアリングして引き出す力が必要です。
ヒアリングが弱いと不満が蓄積されていき、その結果解約に繋がってしまったり、カスタマーサクセスの目標の一つであるLTV(顧客生涯価値)が最大化せずに終わってしまいます。
逆にヒアリングをしっかり行い、悩みにあったプロダクトの使い方を伝えていくことで、顧客にとってそのプロダクトはなくてはならないものになっていき、長期的利用やLTVの向上に繋がっていくでしょう。
課題発見力
ただヒアリングしても課題が特定できなければ解決ができません。カスタマーサクセスでは、ヒアリング力と合わせて課題発見力が必要です。
顧客の課題を特定するためには、プロダクトへの理解と経験、仮説を立てる力などが必要となりますので、まずはすぐに取り組めるプロダクトの理解を深めましょう。
課題発見力は顧客に対してだけでなく、ただお客様の課題をヒアリングして解決方法を提示するだけではなく、なぜその課題が起こるのかを自分なりに考えてプロダクトの改善を提案しても良いでしょう。
周りを巻き込む力
営業担当が契約してきた顧客を引き継ぐカスタマーサクセスは、その顧客がなにを求めて契約してくれたのかなど営業からしっかりと引き継ぎをしてもらわなければいけません。
さらに、自社のプロダクトについて幅広い知識を有しておくことが必要であったり、顧客の悩みを解決するために新しいプロダクトを作ってもらう必要があったりすることから、エンジニアなどの開発側とのコミュニケーションも必要です。
このように、他部署との連携が必要な場面が多く出てくることから、周りを巻き込む力がとても重要です。
カスタマーサクセスの転職難易度
カスタマーサクセスについて色々と見ていくと、お客様を成功に導くサポートを行うカスタマーサクセスに転職したいと思う方も多いのではないでしょうか?
そこで気になるのがカスタマーサクセスへの転職難易度です。
カスタマーサクセスの転職難易度は高い?
実はカスタマーサクセスへの転職難易度は今の所それほど高くありません。
というのも、カスタマーサクセスは顧客の成功をサポートすることに重点を置いた比較的新しい職種であるため、これから育てていく段階にあるためです。
経験者が少ない職種であるにもかかわらず様々な規模の企業で需要が高まっているため、営業経験があったり求められるスキルがマッチしている人だと大手企業に転職することも可能です。
転職するなら今が狙い目
転職難易度が高くないとはいっても、それはカスタマーサクセスが比較的新しい職種である今だからであって、転職難易度は今後高くなっていく可能性があります。
外資系企業ではビジネスレベルの英語力、提供するプロダクトが業界や職種特化向けのものであればその業界や職種の知識、経験などが求められるでしょう。
また、今は未経験歓迎の職種ですが、何年か経つと求人の必須条件部分に「カスタマーサクセス経験○年以上」と記載されるかもしれません。
ここ最近で需要が伸びてきている職種ですので、できれば注目され始めた「今」転職をしておくことで、今後市場価値が高くなっていくでしょう。
まとめ
今回は、カスタマーサクセスの仕事内容やカスタマーサクセスが今注目されている理由、転職難易度などをご紹介してきました。
カスタマーサクセスの仕事は顧客に満足してもらうことがゴールであり、実際に顧客にとってプラスになるようにサポートを行っていくため感謝されることが多いです。
顧客のニーズを引き出すことや、使い方が全く分からないという方に対して「教える」という業務は難しい業務ではありますが、その分達成感も大きいため、是非ご興味がある方は転職難易度が高くなる前に転職をご検討くださいませ。
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