自分に合う企業を選ぶための観点
転職先としてベンチャー・スタートアップ企業に関心を持つ方からよく受けるご相談に、「たくさんありすぎて見分け方がわかりません」というものがあります。実際、星の数ほどあるベンチャー・スタートアップ企業を見分けるのは難しいもの。自分に合う企業を選ぶための観点を紹介します。
事業モデルやビジョンへの共感が何よりも大事
まず大前提として、ベンチャー・スタートアップ企業の多くは「教えてもらえる環境がない」「仕事の進め方をはじめ、会社のさまざまなことが型化されていない」という場合が多いので、その覚悟はしておきましょう。その上で、数ある企業をどう見分けるかと言うと、次の2つの視点から企業を見ると、おのずと自分に合う企業が絞れてきます。
1.事業モデルやビジョンに共感できるか
何よりもまず大事なのがこの点です。ベンチャー・スタートアップ企業は、大手企業のように多種多様な事業を展開しているわけではなく、特定の領域・事業1本でまずはマネタイズを目指していることも多いもの。
「強い競合、自社の商品力はまだ不十分、社内で教われる環境なし」というしんどさがあったり、配属された事業・部署が合わなくても異動希望が叶わない環境だったりします。「なんのためにこんなに働いているんだろう?」と思うこともあるでしょう。
そのときに寄りどころになるのが、事業モデルやビジョンへの共感です。「これをなし得たら、カスタマーやマーケットにこんな影響を及ぼせるんだ」というワクワク感に自分も共感できるかどうか。その共感がすべての原動力になるので、まずは、事業モデルやビジョンに共感できる領域・企業はどこかという観点で絞っていきましょう。
「自分が興味・関心を持てる事業か」「自分が課題感を持っていることのソリューションになる事業か」「勝ち筋が見える事業か(大手が参入してきても勝てる要素があるか/マーケットがブルオーシャンであるか)」など注目して企業を見ていくと、だいぶ絞れていくと思います。
2.どのベンチャーキャピタルから出資を受けているか
そうやってある程度領域・企業を絞ってもまだまだ企業がたくさんある、というときにおすすめしたいのは、ベンチャーキャピタルに注目することです。優良ベンチャーキャピタルが出資していれば、今後の成長や上場を見込める企業と判断できます。僕たちも多数のベンチャー・スタートアップ企業とやりとりをさせていただいていますが、同様の観点で企業の成長性を推し量っています。
直接見聞きしてこそ知れる情報は、面談・面接に臨んで確認を
では、具体的にどのような観点で自己分析をしていくとよいか、ポイントは2つあります。
1.現職のポジティブポイントとネガティブポイントを言語化する
そうしてある程度企業が絞れてきたら、次に、職場の環境や雰囲気、経営陣や同僚となる人たちの人となりなどについて、気になる点や許容範囲がどこまでかなどを整理した上で、直接社員に会ったり、職場を見て合う・合わないを判断したりするステップに入りましょう。
転職エージェント側でもある程度マッチ度を判断して合いそうな企業を選定しますが、企業・求職者双方と限りなく同じ目線で判断できるかというと難しく、企業と求職者の方が直接コミュニケーションをとってこそ判断できるものがあります。そこは、実際に面接に行って、社長がどんな考えを持って会社を作っているのか、経営陣はどのような考えを持っているのか、同僚がどんな人たちなのかなどについて、エージェントの話だけではなく、ご自身が身をもって会話をされた上で判断してほしいところです。
キャリア・エックスがやりとりさせていただいている企業の中には、面接ではなくカジュアル面談から始めて、「受けたい」と思えたら面接に進むことを応諾してくれる企業もあります。ほかにも、面接を受ける前にその企業が主催するセミナーに参加させてもらうといったことも企業によっては可能なので、気軽に相談していただければと思います。