20代・未経験から新規事業開発にチャレンジするために必要なこと

コラム

20代のおすすめ転職先は!

今、新規事業開発の仕事に対するニーズが企業側でも求職者側でも高まっています。現職で一定の経験を積んだ20代の方が、新たなチャレンジとして新規事業開発の仕事に携わりたいと思ったときにもっともおすすめのキャリアパスは、ベンチャー・スタートアップ企業への転職です。なぜ起業や大企業への転職ではなくベンチャー・スタートアップ企業なのか、その理由と、新規事業開発の仕事に求められるスキルや経験について紹介します。

起業、大手企業の新規事業開発は相対的に難度が高い

ITをはじめとした各種テクノロジー発達と国内マーケットの縮小により、大手企業においても、ベンチャー・スタートアップ企業においても、最新技術を用いた新たな事業・サービスを創出する動きが活発化しています。

そして、求職者の方々の中にも、ITを用いた新しい事業・サービスを生み出す仕事に携わることで新たなスキルを得たい、新しいことにチャレンジするのがおもしろそう、などの欲求を持つ方が多く見られるようになってきました。

とはいえ、未経験から新規事業開発に携わるのは、そう簡単なことではありません。昔からある方法としては、自ら起業して1から事業をつくっていくことですが、社会人経験が浅く、ビジネスのノウハウもまだまだ不十分な状態の20代での起業はなかなか難しいものです。

もう1つ、考えられる方法は、大手企業に属して新規事業提案制度に手を挙げるなどして機会を得ることですが、大手企業ともなると、提案制度に採用されるまでの道のりも険しく、また、新規事業に携わるチャンス自体は存在しても、実際にアサインされるための倍率はなかなかのものです。

そこで、今の市場動向も踏まえて、より早く新規事業に携わる方法として20代未経験の方におすすめしたいのが、「現職と同じ職種でベンチャー・スタートアップ企業にジョインし、現職の経験を生かしながら二足のわらじ的に新規事業に携わる」というキャリアです。

ベンチャー・スタートアップは、チャンスが豊富にある

なぜベンチャー・スタートアップ企業にジョインすることが、起業や大手企業で働くよりも早く新規事業開発に携ることができるのでしょうか?それは、次の3つの理由からです。

1.大手企業と異なり社員数が少ないため、新規事業開発に携わるチャンスを競う相手が少ない
2.大手企業と異なり確固たる収益の柱をこれからつくっていくフェーズにあるため、新しい事業をどんどん起こしていこうとする風土がある
3.社員数が少ないがゆえに、現職と同じ職種で入社し、その職種で成果を残すという価値を発揮しつつ、二足のわらじ的に新規事業開発に携わる機会を得ることができる

3点目については、社員数が少ない、あるいは、これから急成長を遂げていこうとしているベンチャー・スタートアップではとくに、社員1人対して与えられるミッションが1つではなく複数あるなど二足のわらじ的な働き方が求められる企業も多いので、新規事業に携わるチャンスがより多くあると思います。

これらの理由から、20代で、新規事業開発の経験はないけれど、今の職種である程度経験を積んだので次の筋肉を鍛えていきたい、あるいは、これまでの経験を生かして新しい仕事に挑戦したい、そしてそれが新規事業開発であるという場合、起業するよりも、大手企業の手挙げ制度でチャンスを狙うよりも、スタートアップやベンチャー、とくに少人数のこれから急成長していくような会社への入社をねらう方が効率的と言えます。

新規事業開発に必要な6つのスキル

では実際に、新規事業開発の仕事に挑戦するには、どのようなスキルや経験が求められるかというと、大きく、次の6つが挙げられます。自分にはどのスキルが足りていないのか、それをキャッチアップするにはどうすればいいのかということを考えながら今の仕事をするだけで、次のキャリアは変わってきます。

1.ビジョンを言語化できるスキル
新規事業の目的や、その事業によって顧客や世の中に対して及ぼしたい影響など、「新規事業によって何をどうしたいか」というビジョンを的確に言語化できるかどうか

2.情報収集スキル
今の時代、誰もやったことのない事業をつくることはほぼ不可能で、何かを模範に、あるいは、アレンジしてつくるという方法がとられることがほとんどです。この点で、市場調査ができる、ファクトを集められる、といった情報収集スキルは必須です。

3.リーダーシップ
新規事業は1人でやっていくものではなく、企画する人、開発する人、営業する人、管理する人など、多様な職種・役割の人と協働で進めていきます。そのためのプロジェクトマネジメント力やリーダーシップも必要です。

4.資料作成力
自社の経営陣や関係部署、見込み顧客、協力会社をはじめとしたビジネスパートナーなど、社内外に対して新しいものをゼロから提案していくための資料を的確に作ることのできる力も必要です。

5.交渉スキル
事業の立ち上げ段階では、社内外のステークホルダーにその概要を説明し、事業に必要な資源や条件を交渉によって引き出すことも必要です。

6.持続させる覚悟・スキル
新規事業は、ローンチしたら終わりではありません。黒字化させるところまでやって初めて新規事業をつくったことになります。事業の規模にもよりますが、大きな事業であれば黒字化まで短くても1年、長ければ数年かかります。その間、持続してやり切る覚悟があるかどうか。実際の採用選考においても、新規事業開発に携わりたいという場合、やり切る覚悟があるかどうかや、物事に地道に継続して携わり結果を出すスキルがあるかどうかは、企業が必ず確認するポイントです。

物事に地道に継続して携わり結果を出すスキルは、例えば現職が営業であれば、顧客の課題を1つ解決したら次の予算をもらって次の課題を解決しにいく、その課題を解決したらまた次の予算をもらって次の課題を解決するといった、対顧客の活動を1つ1つやり切ることを続けているといった経験などは、評価されるでしょう。

DXやSaaS関連のサービスに代表されるような、テクノロジーを用いた新たなサービスの創出に取り組むベンチャー・スタートアップ企業が増え、その存在感も高まっています。新たなチャレンジとして、新規事業開発に興味を持っている方は、これらの企業でチャレンジしていくことも選択肢の一つに入れられるとよいのではないでしょうか。

キャリア・エックスでは、現職と同じ職種で成果を出しながら新規事業にも携わっていけるような企業の求人も扱っています。興味のある方はお気軽にご相談ください。

板野 真澄

国立大学卒業後、株式会社マイナビに新卒入社。
新規事業開発部門にて、新規サービスの立ち上げを経験。エンタープライズ領域の法人営業担当、首都圏から地方への営業推進・拡販業務、リーダーとしてチームマネジメント業務に携わる。
その後、コンサルタントとしてCareer-Xにジョイン。
現在、個人のキャリア支援に伴走しながら、RPOコンサルタントとして企業の人事・採用コンサルティング業務に従事。

関連記事