第二新卒のうちに転職したいと考えている方もいらっしゃることでしょう。その際、大手企業に転職するのは可能なのでしょうか?
この記事では、転職におすすめの大手企業や、大手企業への転職を目指す際のポイントなどについて解説します。
目次
第二新卒でも大手企業に転職できる?
第二新卒で大手企業への転職は可能なのか、具体的に解説します。
新卒と比較すると大手企業の求人数は少ない
新卒採用では、一斉に多くの学生を新卒枠で採用し育成するケースが多いため、求人数も多い傾向にあります。
一方、中途採用では欠員補充や人手不足の解消などが多く、新卒に比べると求人数も採用人数も多いとは言えません。
加えて知名度の高い大手企業になると、多くの求職者が殺到するため、転職難易度も上がると想定されます。
第二新卒人材の需要は高まっている
一方で、第二新卒に注目し採用しようと考える企業は増加傾向にあります。
深刻な人手不足を背景に、近年では大手企業であっても新卒採用時に予定人数を充足できないケースが増えており、その穴を埋めるべく、若くてポテンシャルの高い第二新卒に注目する企業があるようです。
また、社会人としての経験年数は少なくても、他社でベースとなるビジネスマナーやスキルを身につけており、新しいやり方を早期にキャッチアップしてくれると期待する声も多いようです。
学歴が重視される可能性はある
一方で、大手企業をターゲットにする場合は、学歴がチェックされる可能性があります。
知名度の高い大手企業の中途採用には、大量の応募が集まる傾向にあるため、採用にかかる負担を減らすために学歴を見てある程度ふるいを掛けるケースがあります。
すべての大手企業がそのような選考を行っているわけではありませんが、人気企業だからこそ学歴で効率化を図る企業は一定数存在するようです。
第二新卒が大手から大手に転職するメリット・デメリット
すでに大手企業に勤務している第二新卒が、別の大手に転職するメリット・デメリットについて解説します。
・メリット
大手から大手に転職するメリットとして、主に「給与が下がりにくい」「経験が活かしやすい」点が挙げられます。
大手企業は給与水準が高い傾向にあるため、大手から別の企業に転職する場合は、給与水準が維持できるかどうかを懸念する人が少なくありません。その点、大手から大手を目指せば、給与差を気にすることなく転職できるでしょう。
また、大手には大手ならではの仕事の進め方があります。
企業規模が大きく分業化が進んでいることから、第二新卒であっても一つの分野で専門性を追求し、成果を挙げてきた人もいることでしょう。
大手で一定の成果を挙げ、評価された実績があるならば、その点をアピールすれば、高く評価される可能性があります。
・デメリット
一方で、大手から大手に転職するのはデメリットもあります。考えられるデメリットは、「評価が下がる可能性がある」「ステップアップがしにくい可能性がある」点です。
大手企業においては、未だ年功序列が残っているところも多く見受けられます。その場合、勤続年数によって評価が決まるため、転職することで前職よりも評価が下がってしまう可能性は考えられます。
また、年功序列の色が強い企業では、若手には大きな仕事が回ってきにくい、頑張っても評価されにくいという傾向もあるようです。
ステップアップ転職を目指す場合は、評価制度や企業風土などを事前に十分確認することが大切です。
第二新卒が中小企業から大手に転職するメリット・デメリット
現在中小企業に勤めている第二新卒が、大手に転職するメリット・デメリットについて解説します。
・メリット
中小から大手に転職するメリットとして第一に挙げられるのは「収入アップ」です。
大手企業は給与水準が高いケースが多いため、転職により大幅な給与増が見込まれる可能性があります。そして、「スケールの大きな仕事に関われる」点もメリットと言えるでしょう。
大手企業は、手掛けるプロジェクトも大規模であり、予算も潤沢です。
中小企業ではなかなか携われない大掛かりなプロジェクトや、社会的意義の高い案件に携れる可能性が高く、やりがいを感じながら働けるでしょう。
・デメリット
一方で、大手企業は企業規模が大きいため、分業化が進んでいます。一人ひとりの担当業務の枠がある程度決まっており、できることが限られてしまうケースは少なくありません。
中小企業であれば、1人当たりの守備範囲が広く、あらゆる業務を担当するケースが多いため、大手企業ではやりにくさや息苦しさを感じるかもしれません。
また、前述のように年功序列の体制が残っている大手企業の場合は、たとえ成果を挙げても勤続年数が短ければ昇給につながりにくいでしょう。
第二新卒であっても、中小企業で裁量権を持ってバリバリ仕事をこなし評価されてきた人であれば、正当な評価が得られない体制に不満を覚える可能性はあります。
第二新卒におすすめの大手企業【業界別】
第二新卒にも門戸を開いている主な大手企業をご紹介します。転職活動の際の参考にしてみてください。
メーカー
・ソニー
・トヨタ
・任天堂
総合商社
・三菱商事(2025年度は終了)
・丸紅
・三井物産
小売
・イオン
金融
・野村證券
サービス
インフラ
・JR東海
・NHK
コンサルタント
IT系
・富士通
・NEC
情報通信
・メルカリ
第二新卒で大手企業への転職を目指す際の志望理由を見つけるポイント
転職活動では、その会社を志望する理由が何より問われます。第二新卒が大手企業への転職を志す際には、以下のポイントに沿って自身と向き合い、志望理由を洗い出してみましょう。
今の勤務先の不満点はどこか
第二新卒で転職を考えているということは、現状に何らかの不満を抱えているということ。自分自身に向き合い、その不満点をまずは明らかにしましょう。
不満を明らかにしないことには、転職の軸が定まらず、転職活動がスムーズに進めにくくなります。
ただ、転職活動で不満をそのまま退職理由として伝えてしまうと、マイナス印象につながりかねません。例えば、「給与が低い」という不満の裏側には、「もっと頑張りを正当に評価してほしい」という前向きな思いが隠されているはずです。
不満を洗い出すのと同時に、その裏にある前向きな思いも明らかにしておくと、企業選びの軸も明確になりやすいでしょう。
転職先に求めるものは何か
不満が明確化できたら、転職先に何を求めているのかを考えてみましょう。
前述の例で言えば、「給与が低い」→「もっと正当に評価してほしい」→「評価制度が整っている会社で働きたい」などと考えることができます。
不満とその裏にある思いから考えると、退職理由から志望動機までに一本の軸が通り、企業の納得度を高められるでしょう。
どんな企業なら求めるものが手に入りそうなのか
転職先に求めるものが明確になったら、それを叶えられる企業の条件を考えてみましょう。
例えば、「もっと責任を持って主体的に働ける環境」であれば、若手にも裁量権を与え任せる会社がターゲットになりそうですし、「社会にインパクトを与えるようなスケールの大きなプロジェクトに関われる」であれば、社会的課題を扱っている企業や、国家的なビッグプロジェクトにかかわった実績のある企業がイメージできるでしょう。
希望の転職先に入社した結果どんな活躍ができると思うのか
求めるものが手に入る転職先に入社できたとしたら、自分はどのように活躍できると思うのか、できるだけ具体的にイメージしてみましょう。
短い経験の中でも、どのような経験やスキル、強みであれば活かせるのか、自分の個性や持ち味をどのように発揮できそうなのか、考えてみるといいでしょう。これはそのまま、面接での自己PRや志望動機につながります。
仕事やキャリアに対する熱い思いを伝えるためにも、イメージを固めておきましょう。
第二新卒が大手企業へ転職を目指す際に必要な3ステップの準備
経験が比較的浅い第二新卒が大手企業への転職を叶えるためには、事前に自分自身に向き合い、自身の強みや思いを明らかにしておくことが大切です。
ここでは、大手企業への転職を実現するための準備を3つのステップにわけてご紹介します。
ステップ1:自己分析で「今の自分」を確認する
転職を実現するためには、今の自分を正しく理解し、自身のスキルや強みを応募企業に効果的に伝えることが大切です。
そのためにも、まずは自己分析を行い自分自身と向き合いましょう。
これまでの社会人経験を振り返り、どのような努力や工夫を行い、どのような成果を挙げたのか、洗い出してみましょう。自己分析の方法は、自分史やマインドマップ、モチベーショングラフの作成など、自分がやりやすいものを活用してみてください。
自分の強みがわからないという場合は、周りに褒められたこと、面白いと思えたこと、熱中できたことも一緒に洗い出してみると、自分の強みや持ち味が見えてくるでしょう。
ステップ2:自分の理想像をイメージする
自己分析の次は、社会人としての自分の「理想像」を考えてみましょう。
5年後10年後の自分に思いを馳せ、その頃どんな仕事をしていたいか、どんな活躍をしていたいか、考えてみましょう。
例えば、「スケールの大きなプロジェクトに関わるなど、社内に影響を与えられるような仕事がしていたい」「英語力を活かして企業のグローバル展開を担い、世界を股にかけて働きたい」など、できるだけ具体的に想像することが大切です。
そうすることで、自身の理想像によりマッチしそうな企業、理想が叶えられそうな企業が見えてくると思われます。
ステップ3:理想像に近づくためには何をするべきか整理する
ステップ2で明らかにした「理想像」に近づくためには、どのような努力をすればいいのか、考えてみましょう。
例えば、理想像が「世界を股にかけて働きたい」のであれば、例えば次のようなことが考えられます・
・英語力をさらに磨くべくTOEIC〇点を目指す
・中国語など英語以外の語学も習得すべく独学を始める
・海外事業に関わりのある部署に異動する(自社内にない場合は、海外展開を積極化している企業に転職する)
・海外事業に関わる部署への異動や転職を叶えるために、まずは今の部署で高い成果を挙げて評価される
理想像と、今何をすべきかを明らかにすることで、自身のキャリアプランが明らかになります。
それにより、どのような企業を転職先に選べばいいのかが明確になり、採用選考時の志望動機や自己PR、キャリアビジョンにも説得力が増すでしょう。
第二新卒で大手企業に転職成功するためのポイント
大手企業への転職は、ライバルが多いものです。第二新卒で大手企業への転職を実現するには、いくつかのポイントがあります。
次の8つのポイントを意識すると、可能性をグンと上げられるでしょう。
①現在の仕事で経験を積み成果を上げる
第二新卒に門戸を開いている企業の多くは、主に第二新卒のポテンシャルに期待していますが、ベースとなる経験・スキルがあれば高く評価されやすく、他の第二新卒と差をつけることができます。
まずは今の仕事に全力で向き合い、成果を上げることを意識しましょう。
自信を持ってアピールできることが増えると、採用選考でもよりポテンシャルの高さが伝わるでしょう。同じ業界・職種の大手企業を狙えば、即戦力として評価される可能性もあります。
②転職活動を進める前に自己分析を行う
転職活動では、自分という人物を、応募企業に合わせてより効果的にアピールすることが大切です。そのためには、転職活動を本格的に始める前にまずは自己分析で自分自身を知ることが必要です。
前述したような方法で、これまでの経験を振り返り、自分の経験やスキル、強みを整理しておきましょう。
③転職時期を見極める
一般的に、第二新卒は「4月入社」「10月入社」を目指して転職活動するといいと言われています。
4月は新年度、10月は下半期に入るタイミングであるため、そのタイミングで人員を補充して新しい年度・半期に入りたいと考える企業が増える傾向にあります。
組織変更や人事異動があったり、新しいプロジェクトが始まったりするタイミングでもあるため、中途入社者も新しい環境にスムーズに溶け込みやすいでしょう。
さらに、4月入社の場合は新卒入社の社員と一緒に、手厚い研修を受けられる可能性もあるでしょう。したがって、転職活動時期としては1~3月、6〜8月に行うのが一つの目安となります。
④応募書類・面接対策を十分に行う
経験の浅い第二新卒こそ、応募書類と面接対策は入念に行いましょう。
ここまでにご紹介した事前準備で、自分の強みと理想像、キャリアビジョンを明らかにして、それにマッチした企業に応募すれば、志望動機や自己PRにも一貫性があり、納得度の高いものになるはずです。
また、面接で聞かれそうなことを準備しておくことも大切です。
志望動機、自己PR、そして退職理由も必ずと言っていいほど質問されるので、自身のキャリアに対する前向きな思いを伝えましょう。模擬面接を行うなど、事前に本番さながらの準備を行うことで、落ち着いて面接に臨めるようになるでしょう。
⑤1社ずつではなく複数社並行して応募する
大手企業の中途採用には、多くの応募者が集まるため、競争倍率が高くなることが予想されます。
1社ずつ応募していると、もし不採用になった場合に新たに1から求人を探す必要があるため、自分にマッチしそうな気になる企業が複数ある場合は、ある程度まとめて応募することをお勧めします。
⑥やる気と意欲、熱意をアピールする
経験・スキルのアピールはもちろん重要ですが、第二新卒ならではの売りの一つはポテンシャルです。
入社したらどのような力が発揮できると思うのか、どのように活躍したいのか、これまでの経験を踏まえて意欲や熱意を具体的にアピールしましょう。
具体的なキャリアビジョンも伝えることで、腰を据えて長く働きたいという思いもアピールすることができるでしょう。
⑦転職エージェントを活用する
大手企業への転職を実現したいのであれば、転職エージェントの活用が効果的です。
大手企業が公募で中途採用の募集を行うと、大量に応募者が集まるため、効率化のために転職エージェント経由で採用を行う企業は少なくありません。
新規事業に係る募集など、企業の経営戦略に関わる募集の場合は、転職エージェント経由で非公開で行われるケースも多いことから、転職エージェントを活用することでチャンスを増やすことができます。
また、自己分析のサポートや、応募企業に合わせた応募書類の作成や面接対策、模擬面接の実施などを行っているところもあるため、転職成功率も高められるでしょう。
⑧内定が出てから退職する
今の勤務先に対して大きな不満を持っていても、できれば辞める前に転職活動を行いましょう。そして、内定が出てから退職を申し出ることをお勧めします。
退職後に転職活動をすると、転職活動に専念できるというメリットはありますが、スムーズに決まらないとブランクが空いてしまい、応募企業に不安や懸念を抱かれてしまう恐れがあります。
特に第二新卒の場合は、「まだ社歴が短いのにブランクがあるなんて、何か良くない理由があったのではないか」と訝しがられてしまう可能性もあります。
ブランクが長引くと焦ってしまい、希望に合わない企業に入社を決めてしまう恐れもあるため、在職中の活動を心がけましょう。
忙しくて転職活動の時間が確保できないのであれば、転職エージェントを活用して効率的に転職活動を行いましょう。
第二新卒が大手企業への転職を目指す際の注意点
第二新卒が大手企業への転職を目指す際に、注意しておきたいことをご紹介します。
ネームバリューに左右されすぎない
「大手だから」「知名度があるから」というだけで転職先を決めてしまうのは避けましょう。
いくらネームバリューがあっても、自分の経験やスキルが活かせない、理想が叶えられない企業では、入社後にギャップを感じて早期離職につながってしまうかもしれません。
しっかり企業を調べ、自分とのマッチ度を確認した上で応募することをお勧めします。
第二新卒でもスキルは求められることを認識する
大手企業の中には、第二新卒でも新卒採用枠に応募できるところもありますが、多くの場合は中途採用枠への応募となります。
中途採用枠には、当然ながら即戦力となる経験豊富な人も応募してくるため、第二新卒であっても少なからずスキルの有無は見られます。
自身の経験、スキル、強みを整理したうえで、応募企業が求める人材像との接点を見つけ、効果的にアピールしましょう。
もし志望企業が求める条件には、まだ自分は達していないと思ったら、現職の中で身につける努力をすることも重要です。
現職への不満を解消するために努力したかどうかも大切
面接ではほぼ必ず、退職理由を聞かれます。その際、応募者が現職への不満にどのように向き合い、どのような行動を取ったのかを確認することで、応募者の人柄や問題解決能力を見る企業は少なくありません。
例えば「残業が多すぎる」ということに不満を持ち、何の努力もしないまま退職を選ぶ人よりも、自身の業務を見直して効率化を行い、残業を少しでも減らす努力をした経験のある人のほうが評価されるでしょう。
安易に転職を選ぶ前に、現職への不満に向き合い、自分なりに努力や工夫を凝らしてみることも大切です。たとえ不満の解消に至らなくても、その努力が自分の糧となり、転職活動にもプラスに活きると考えられます。
第二新卒で大手企業に転職したい場合は、キャリア・エックスに相談を
第二新卒で大手企業への転職を成功させたいという方は、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。
キャリア・エックスでは、20代の若手の転職に強みを持ち、多数の転職成功事例を保有しています。大手企業の求人も豊富であり、求職者の方々の経験やスキル、希望やキャリアプランに沿った企業をご紹介することが可能です。
専任のキャリアアドバイザーが、応募書類作成のサポートや、面接アドバイスなど、選考対策も行い転職実現まで伴走します。
自分に合った大手企業に転職するためにも、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。