こんにちは、「キャリア・エックス」編集部です。
目次
「IT業界はやめとけ」と言われる5つの理由
そもそもなぜ「IT業界はやめとけ」と言われるのか、その5つの理由を解説します。
労働時間が長い傾向にあるから
IT業界は他の業界に比べ、労働時間が長い傾向にあります。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2025年11月の情報通信業(IT業界)の総実労働時間は155.7時間で、全産業平均の141.3時間よりも約14時間多いという結果になっています。
その内、所定外労働時間は16.4時間で、これも平均の11.8時間より多く、残業が比較的多い業界と言えます。
IT企業の多くが受注型ビジネスを主軸としているため、厳しい納期に追われたり、納期間際には長時間労働を強いられたりする場面があり、労働時間に影響を及ぼしています。システム障害やトラブル発生時には緊急で対応する必要もあるため、プライベートとの両立がしにくいとの意見もあるようです。
※参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年11月分結果速報」
常に学び続けなければならないから
IT業界は技術の進化が目まぐるしく、常に最新の技術やトレンドをキャッチアップし、自身のスキルをアップデートすることが求められます。
一方で、労働時間は長く忙しいことから、プライベートの時間を割いて継続的に学び続けなければならないことに、ストレスやプレッシャーを感じる人もいるようです。
離職率が高いと言われているから
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」によると、2024年の情報通信業の離職率は10.2%でした。
全産業の平均は14.2%であり、IT業界が特に高いというわけではありませんが、たとえば製造業(9.6%)や金融業、保険業(8.9%)などのほうが低く、長時間労働や最新技術の習得などを背景に、離職に踏み切る人は一定数いるようです。
多重下請け構造にあり下流工程が多いから

多重下請け構造とは、元請け企業が受注したプロジェクトを複数の下請け企業に再委託する仕組みです。
IT業界では、大規模なシステム開発プロジェクトなどで多重下請け構造がよく見られますが、下請け企業ほど利益が薄く給与も低くなるだけでなく、下流工程が多くなる傾向にあります。
二次請け、三次請け企業の場合だと、未経験者や若手はテストやバグの修正などの単純作業ばかりを任されるケースもあり、上流工程の専門スキルを磨く機会が少ないことから、今後のキャリアに不安を覚える人もいるようです。
AIに仕事を奪われる可能性があるから
近年の急速なAIの進化により、定型的な作業や反復的作業はAIに代替されると言われています。
IT業界においても、単純なプログラミングやコーディング、テスト業務などにおいてAIを活用するケースが増えつつあります。
今後、AIのさらなる進化と、企業の本格的なAI導入が予想されるため、IT業界の将来性に不安を感じる人が「やめとけ」と言っているようです。
それでも人気な理由とは?IT業界の将来性と働くメリット
「やめとけ」と言われることもあるIT業界ですが、それでも転職先として人気を集めています。なぜ人気なのか、5つの理由をご説明します。
成長市場であり、採用ニーズが活発である
厚生労働省が発表した令和7年(2025年)11月の情報処理・通信技術者(常用、パート含む)の有効求人倍率は1.43倍と、全体平均である職業計の1.12倍に比べて高水準となっています。(※参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年11月分)について」)
また、みずほ情報総研の調査(経済産業省委託事業)によると、デジタル技術の進展などでIT需要が拡大し、先端IT人材の採用ニーズが増えることなどを背景に、2030年には最大で約79万人のIT人材不足が予想されています。
そのため、各社とも採用に積極的であり、未経験者も歓迎する企業もあることから、転職先として人気を集めています。(※参考:みずほ情報総研「IT人材需給に関する調査」)
最先端技術に触れられる
IT業界では新しい技術やトレンドが次々に生まれるため、常にインプットし続けなければならない大変さはありますが、一方で最先端技術に触れられる喜び、やりがいも大きいでしょう。
最新の知識と技術力があれば、若手でも重要なポジションを任される可能性があるため、専門スキルを身につけ早く成長したい人からも注目されています。
働き方の自由度が高い
IT業界では、多くの企業がリモートワークやフレックスタイム制など、働きやすい環境を用意しています。場所や時間に縛られず、柔軟な働き方ができる点に惹かれて、IT業界を目指す人も少なくありません。
さまざまな業務に関われるチャンスがある
IT企業では、スキルがあれば年齢に関係なく重要なポジションを任される可能性があります。自身の努力や頑張り次第で、例えば開発だけでなく要件定義など、さまざまな業務に関われるチャンスがあるでしょう。
また、さまざまなクライアントのプロジェクトにアサインされる可能性があるため、いろいろな業界・企業に触れられるのもメリットと言えます。
スピード感があり刺激的な環境がある
IT業界は右肩上がりで成長中であり、他の業界に比べて変化が激しくスピード感があります。最新技術の知識などインプットしなければならないことも多いですが、日々刺激を受けながらイキイキ働けるでしょう。
必然的に、変化対応力や柔軟性なども磨かれると考えられます。
IT業界を構成するさまざまな分野
IT業界とひと口にいってもその分野はさまざまで、「何をつくるのか」「どんな会社で働くのか」によって業務内容や求められるスキルも変わります。ここではIT業界を分類し、どんな分野があるのか詳しく解説します。
ソフトウェア
ソフトウェアとは簡単にいうと「コンピューターに命令を出すプログラム」のことを指します。ソフトウェア分野の企業ではこうしたソフトウェアの開発が主な業務になります。
例えば、コンピューター上のシステムを制御するオペレーティング・システム(OS)や業務アプリケーションの開発が代表的な例になります。システムを設計するSEや実際のプログラミングを行うプログラマなど、多くのITエンジニアがこのソフトウェア分野で活躍しています。
ハードウェア
PCやスマートフォン、タブレット、キーボードやマウスなどの周辺機器、ゲーム機や家電製品、それらを動かす電気回路などをハードウェアと呼びます。
こうした製品を扱っているのがハードウェア分野の企業です。機器を動作させるシステムを開発する組み込みエンジニア、制御系エンジニア、機械エンジニアが活躍しています。
システムインテグレーター
いわゆるSIerと呼ばれるシステムインテグレーター(情報処理サービス)もIT業界を構成する分野の一つです。
主に、企業の課題に応じたシステムを企画、設計、開発、保守サービスを提供しています。
SIerではソフトウェアはもちろん、ハードウェアの開発に携わることもあるため、上述したSE/PGだけでなく、組み込み・制御・機械分野のハードウェアエンジニアも活躍しています。
Web・インターネット
Webサイトの制作・運営やインターネットサービスを手がけているのが、Web・インターネット分野の企業です。
コーポレートサイトやECサイト、インターネット広告、Webサービスなどを手がけ、Webディレクター、Webデザイナー、UI/UXデザイナー、コーダー、広告運用ディレクターなどが活躍しています。
IT業界に向いている人の5つの特徴
成長業界であり採用ニーズも旺盛なIT業界ですが、向き・不向きはあります。まずはIT業界に適性のある「向いている人」の特徴についてご紹介します。
変化に適応できる柔軟性がある
成長中にあるIT業界は変化が激しく、最新の技術やトレンドもめまぐるしく変化します。
変化に伴い仕事のやり方を見直さなければならない場面もあるため、変化への対応力、新しいやり方への適応力などがある人は、IT業界に向いているでしょう。
自発的に学習する意欲がある
技術の進歩が速いIT業界では、常に新しい知識やスキルを学ぶ必要があります。自発的に学習しスキルアップする意欲のある人、新しい技術や知識をどんどん取り入れ成長したい人は、IT業界の適性があるでしょう。
ユーザー目線で思考できる
IT業界の仕事は、ユーザー目線でサービスを開発・改善することが求められます。ユーザーの要望や課題を理解し、相手の立場に立って考えられる人材が適しています。
高いコミュニケーション力がある
IT業界では、多くの仕事はプロジェクト単位で進められます。チームメンバーと協働し、連携を取りながら、スムーズに業務を進めるには高いコミュニケーション力が必要です。
また、要件定義など上流工程や、客先常駐業務などにおいては、クライアントと直接やり取りする機会もあるため、傾聴力や折衝力などを含めたコミュニケーション力を発揮する場面が多いでしょう。
主体的に行動できる
IT業界は成長中のスタートアップやベンチャー企業も多く、裁量権が大きい一方でセルフマネジメントが求められます。
自己管理しながらも、自分から仕事を見つけてチャレンジしたり、自身の業務を見直し生産性を高めたりする努力や姿勢などが求められます。
IT業界に向いていない人の3つの特徴
一方で、次のような特徴のある人は、IT業界にはあまり向いておらず、力が発揮しにくいかもしれません。
変化が苦手で柔軟性に欠ける人
IT業界は、他の業界に比べても変化が激しくスピード感のある業界です。最新技術やトレンドもめまぐるしく変化するため、自ら積極的に情報をインプットし、変化に柔軟に対応する姿勢が必要不可欠です。
チームワークやコミュニケーションが苦手な人
前述のように、IT業界ではプロジェクト単位で動くことが多いため、チームワークが求められます。社内だけでなく、クライアントと直接やり取りする機会もあり、さまざまな立場の人とのコミュニケーションが欠かせません。
チームワークやコミュニケーションが苦手で、単独行動を好む人は、IT業界では力が発揮しにくいでしょう。
向学心や成長意欲が低い人
日進月歩で技術が進化するIT業界では、最新技術を学び続ける向学心が必要です。
成長意欲が高く、新しい技術を学びながらステップアップしたい人には向いていますが、向学心に欠け成長意欲が低い人は、しんどさを覚える場面が多いと思われます。
未経験からIT業界への転職を成功させる5つのポイント
成長性が高く働く魅力も大きいIT業界。未経験だけれど、IT業界にチャレンジしてみたいと考えている人もいらっしゃることでしょう。ここでは、未経験でIT業界への転職を実現するためのポイントをご紹介します。
これまでの経験・スキルから活かせるものをアピールする
未経験分野に転職する際には、これまでの経験を振り返って棚卸しを行い、志望業界で活かせそうな経験・スキルを抽出することが大切です。
例えば、前述のようなコミュニケーション力や柔軟性、チームワークなどを発揮した経験があれば、エピソードとともに伝えると、ポテンシャルをアピールできるでしょう。
ITに関する知識を独学する
IT企業の中には、未経験者を一から育てる教育体制を整えている企業もありますが、ITに関する知識があればアドバンテージになります。
本やネット動画などで独学したり、セミナーなどに参加したりして、基本的な知識を習得しておくことで、意欲の高さもアピールできるでしょう。
資格を取得する
IT業界で活かせる資格を取得するのも有効です。
例えば、ITに関する基礎的な知識が得られる「ITパスポート」や、IT人材としての基礎知識や技能を測る「基本情報技術者」、ネットワークエンジニア向けの入門的な資格である「CCNA」などは、未経験者にも挑戦しやすい資格です。
スケジュール的に資格取得が間に合わない場合は、応募書類に「○○の資格を勉強中で〇月に受験予定」などと記しておくといいでしょう。
未経験者歓迎の求人に応募する
「未経験者歓迎」と銘打っている求人に応募するのも、転職の確率を上げる一つの方法です。
意欲や熱意、ポテンシャルを評価し、かつ中途入社者を一から育てる体制があるため、IT業界未経験であっても採用される可能性が高いでしょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを活用するのも有効です。
未経験でも応募できる求人を紹介してくれるだけでなく、これまでの経験をともに棚卸しし、IT業界でも活かせる経験やスキルを抽出してもらえるほか、応募書類や面接での効果的なアピール方法を考えてくれるエージェントもあります。
未経験分野への転職活動に不安を抱えている場合は、転職成功まで伴走してくれる転職エージェントを探すといいでしょう。
IT業界の中でも注目されているSaaS分野について
IT業界を構成する分野について前述しましたが、上記で紹介した他にも、近年特にIT業界の中で注目を集めている分野があります。それがSaaS(Software as a Service)です。
SaaS市場は年々成長しており、BOXIL SaaS「SaaS業界レポート2024」によると、国内SaaS市場のCAGR(年平均成長率)は10.9%増と拡大が続いています。2028年度には市場規模が2.9兆円に達するとも予想されています。
この成長性と将来性の高さから、近年、多くのIT企業がSaaS分野に参入しています。
SaaS企業の特徴は、自社サービスの開発と提供に注力していることです。受注型ビジネスとは異なり、自社サービスを継続的に改善・進化させることでユーザーを獲得し、月額課金などのストック型収益を得ています。
そのため、設立後まだ日が浅くても、安定的な収益基盤を築けている企業が多いのが特徴です。
SaaS企業で働くメリットと、転職先を選ぶ際のポイント
IT業界の中でも、SaaS分野に強みを持つ企業で働くメリットと、転職でSaaS企業をえらぶ際のポイントをご紹介します。
SaaS業界で働くメリット
SaaS企業で働くメリットは、何よりも最先端技術に携われること。SaaS企業は自社サービスの競争力を高めるために、AIやビッグデータ、クラウドなどの最新技術を積極的に取り入れています。エンジニアは常に新しい技術にチャレンジし、スキルアップを図ることができます。
また、SaaS企業ではプロダクト志向が強く、技術に集中して自社サービスの改善に取り組むことができる点も魅力です。受注型ビジネスとは異なり、顧客の要望に振り回されることなく、サービスのクオリティ向上に注力できる環境があります。
さらには、SaaSならではの「ストック型収益モデル」により、安定した収益が期待できる点もポイントです。売上が積み上がっていくことで企業の収益基盤が安定し、長期的なキャリア形成が可能になるでしょう。
SaaS企業を選ぶ際のポイント
まず重要なのは、自社サービスを持つ企業を選ぶことです。自社サービス開発に注力している企業であれば、魅力的なサービス展開で固定客を増やすことができるでしょう。
技術力を発揮できる場面も多いと考えられます。
SaaS企業はスタートアップも多いため、明確なビジョンがあるかどうかもチェックすべきです。成長が期待できる分野でサービスを提供し、明確な将来ビジョンを掲げている企業であれば、長期的な成長が期待できるでしょう。
「IT業界はやめとけ」に関するQ&A
IT企業への転職に関する疑問や不安について、Q&A形式でご紹介します。
ブラック企業かどうか見分ける方法は?
ブラック企業の特徴としては、長時間労働が常態化している、休日が少ない、パワハラやセクハラがある、業務量に対して賃金が低い、などの特徴があります。中には、どんどん人が辞めるから、未経験者を積極採用しているところもあるようです。
ブラック企業かどうか見極めるには、まずは離職率をチェックしましょう。同業他社に比べて離職率が高ければ要注意です。離職率は、企業のホームページやクチコミサイトなどで把握できる場合があります。
また、募集要項の内容が具体性に欠け、抽象的で曖昧な表現が多い場合も注意が必要です。「実態を明らかにしたくないから詳細を書きにくい」という可能性があります。
会社の体制については、面接の場で確認したり、先輩社員に話を聞く機会を設けてもらったりして見極めるといいでしょう。
なお、転職エージェントは企業の実態を把握しているケースが多いので、ブラック企業を避けたい場合は、転職エージェント経由で転職先を探すのも有効です。
技術に関する知識ゼロでも大丈夫?
未経験者にも門戸を開いている企業であれば、技術に関する知識がなくても転職は可能です。選考過程において、入社後の教育体制や研修制度について確認した上で、一から知識や技術を習得する意欲と覚悟があることを伝えるといいでしょう。
特にSaaS分野はまだ歴史が浅く、経験者が比較的少ないため、技術に関する知識がなくても採用し、育成する企業が多いので狙い目です。
本やネットなどで独学したり、資格の勉強を始めたりするなどして基礎知識を得ておくと、転職活動がよりスムーズに進められるでしょう。
IT業界の年収は?稼げるって本当?
IT業界の年収は企業や職種によって異なりますが、経験を積み技術やスキルを身につけることで高年収が期待できます。
「マイナビ転職」に掲載された求人(2024年4月~2025年3月の1年間)の「モデル年収例」を職種別に集計した「2025年版職種別モデル年収平均ランキング」によると、IT業界の代表的な職種の平均年収は次の通りです。
この平均年収を参考に、気になる求人の年収と比較してみるといいでしょう。
| 職種 | 年収 |
| システムコンサルタント(業務系) | 938万円 |
| システムコンサルタント(ネットワーク・通信) | 719万円 |
| プロジェクトマネジャー・リーダー(WEB・オープン・モバイル系) | 663万円 |
| プリセールス・セールスエンジニア | 612万円 |
| ネットワーク設計・構築(LAN・WAN・インターネット) | 597万円 |
| システムエンジニア(アプリ設計/WEB・オープン・モバイル系) | 593万円 |
| システムエンジニア(通信制御ソフト開発/制御系) | 581万円 |
| システムエンジニア(DB・ミドルウェア設計/WEB・オープン・モバイル系) | 578万円 |
※参考:マイナビ転職「2025年版 モデル年収平均ランキング」
まとめ
ここまでご説明したように、IT業界では一部企業で長時間労働などの課題はありますが、将来性が高く成長が期待できる業界であり、ビジネスパーソンにとって魅力的なフィールドと言えます。
中でもSaaS分野はとりわけ高成長が見込まれており、未経験者も比較的挑戦しやすいことから、注目分野の1つです。「IT業界はやめとけ」という言葉に惑わされることなく、自分のキャリアビジョンを描き、その実現に向けて最適な企業を選びましょう。
未経験からの挑戦に不安を抱えている人や、転職活動をどのように進めればいいかわからない人などは、ぜひ転職エージェントを活用してみてください。
キャリア・エックスでは、求職者一人ひとりの希望に沿った求人を紹介するとともに、応募書類や面接アドバイスなど、未経験からIT業界への転職に向けて伴走します。IT業界で活躍したい人は、ぜひ気軽にご相談ください。
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