フリーターからベンチャーの営業、そして人事へ

~MVPからの挫折~

ここまで見ると、新人の花道を歩んでいるという感じですね。

はい(笑)。毎月新入社員が入ってくるので、教えながらやっていました。でも、そこから、売り上げが全然上がらなくなったんです。

それはなぜ?

フリーターからベンチャーの営業、そして人事へ

僕は、その場で即決させられる営業スタイルではなかったです。どちらかと言うと、関係性を築いてから契約を取るタイプ。でも、そのやり方では時間がかかるんです。1カ月に1件とか2件とかしか取れなくなりました。

~出社できない・・・転職後も伴走し続ける~

それで、会社に行けなくなってしまったんですね。

はい。最初は眠れなくなりました。毎日契約が取れない夢を見てしまう。起きて行こうとはするけど、行けませんでした。会社を休んだ初日は、会社には体調不良と伝えました。2日目も行けなかった日、人事担当者から連絡をいただきました。「あんなに元気だったのに、どうしたの?」と。本当に体調不良なのか、精神的にきてるんじゃないかと心配してくださったのだと思います。そんな時に、板野さんから飲みに行こうと誘っていただきました。

僕からは、主に2つのことを伝えました。
① 将来のなりたい自分の理想像を忘れてないか? 
そこに立ち戻ることで、今の辛さ、重たさも乗り越えられるのではないか?
② 逃げないこと。社会人になりたては、売れるときもあるし、売れないときもあって、当然波はある。今はスキルがないけど、スキルが付いてきたら、人柄やスタンスなど天野君の良いところと合わさってもっともっと高い成果が出せると思う。その時に、一人前になれる。波を乗り越えたときに得られる達成感を目指して頑張ろう!と。

僕にとっては特に②が刺さって、出社しようと思っていました。連休明けはオフィス移転の初日で、絶対に行かなきゃ、これを逃したら行けないとも思っていました。でも、その日は締め日の前日。売り上げが全然いっていなくて、会社の近くまで行ったのに、帰ってしまいました。

まぁ、そこからはいろいろあったよね。人事トップの方からお手紙を頂いたり。2人で飲んでるところに、役員の方も飲みに来てくださったりして。

そうなんです。契約が取れなくて申し訳ない。人が嫌いなわけではなく、会社もすごく好きなんだけど、会社に行けない。だから、辞めようと思いますと言いました。

僕の方からも、「天野さんは、成長したい! A社の成長に貢献したい!という気持ちはあるけど売れなくなって、素直な性格だから申し訳なさが募りすぎて会社に行けなくなってしまった。本人の中では転職するしかない、という悪循環に陥ってしまっている。でも、天野さん本人はこれからもA社で仕事を続けたいと思っている。だから、これからもどうか面倒を見てあげてほしい」とお願いしました。

お店で人事担当者と話しをしていたら、なんとそこへ社長が登場しました!社長からは、「全部が全部、素のままだからキツイんじゃないか」というアドバイスをいただきました。人間性については褒めていただき、「人事やマネジメント、組織のための仕事だったら活きるよ」とも言っていただきました。だから、ちゃんと続けたほうがいいと。「現場経験、挫折を乗り越えた経験があるからこそ、一回人事やってみない?」と言っていただき「はい、わかりました」と即答。「よし! じゃあ上行くぞ!」と言って、爆笑しながらビルの上のオフィスに連れていかれました。

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板野 真澄

国立大学卒業後、株式会社マイナビに新卒入社。
新規事業開発部門にて、新規サービスの立ち上げを経験。エンタープライズ領域の法人営業担当、首都圏から地方への営業推進・拡販業務、リーダーとしてチームマネジメント業務に携わる。
その後、コンサルタントとしてCareer-Xにジョイン。
現在、個人のキャリア支援に伴走しながら、RPOコンサルタントとして企業の人事・採用コンサルティング業務に従事。

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