チェンジ後の努力・工夫と、そこから得たこと・学び
「自分のために」ではなく、「誰かのために」。
顧客の課題解決に邁進する中で気づいた、モチベーションの源
営業マンとしての悪戦苦闘
リクルートで担当したのは『HOT PEPPERグルメ』の広告企画営業。「トップ営業になって、友人たちに認めてもらいたい」という思いで入社したが、当初は思うような成果をあげられず、悪戦苦闘の日々だったという。
「担当していた東京郊外のエリアは、わざわざHOT PEPPERでお店を探さなくても近所で飲み食いできればいいという住民の方が多く、広告を展開してもなかなか効果が出ない環境でした。そうなると、売上は渋谷や新宿などの売れるエリアに比べて散々なもので…。このエリアの担当である限り、営業目標を大きく上回る売上を出すなんて無理だと思っていました」
その状態から脱する機会となったのが、あるクライアントの経営危機に直面したとき。オープン当初から信頼を得て取り引きしていた店舗の売り上げが悪化し、閉店の危機に陥ったのだ。その事実を聞いて鈴木が思い至ったのは、「いかに広告枠を売るかを考えることではなく、クライアントの本質的な課題を解決することこそが営業の役割なんじゃないか」ということ。そこからは、店舗を立て直すためにすべきことをクライアントの社長と一緒に考え、取り組んだ。
自分の名前で戦える人間でありたい
「人気店を調査してメニューや内装を見直したり、認知を広げるために朝早くからビラ配りをしたりと、できることを広告の売上に関係なく、地道に、泥臭く続けた」と振り返る鈴木。3カ月ほどたったときに、店舗は黒字化。閉店の危機を免れた。
「この経験をへて、クライアントの課題を探り、解決することを第一に行動するようになりましたし、自分は『自分のために』ではなく、『誰かのために』という意識で頑張った方が力を発揮できることにも気づきました」
結果、鈴木の売り上げは向上し、転勤先の名古屋でも好成績を連発。社内表彰の常連になった。
「名古屋でも、クライアントの課題を探り、解決をすることを第一に行動したところ、クライアントから徐々に信頼を得ることができ、HOT PEPPREの広告企画や枠についても、『今回はやった方がいいの?やらない方がいいの?』と意見を求められるようになりました。それに対しても、自分の意見を率直に伝えていると、そのとおりに申し込みをしてくださるようになって。気づけば売り上げが伸び、社内表彰されまくっていました」
そうして「MVPをとる」という目標を達成し、リクルートでの仕事もやりきったと感じた鈴木は、次のステップに進むことを決意。「誰かのために頑張ることのできる仕事」としてキャリアアドバイザーに興味を持ち、「30代からは、社名ではなく自分の名前で戦える人間でありたい」という思いも抱いていたことから、転職支援を行う人材系ベンチャーに転職。そこで1年半、転職支援と採用支援に携わったのち、キャリア・エックス代表・東海林の誘いを受け、キャリア・エックスの創業に携わった。