SaaS営業はきついって本当?転職前に知りたいSaaS営業のきついポイント

instagram

東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

SaaS転職

「せっかく転職するなら、今後伸びていく業界にチャレンジしていきたい」

今転職を考えている方の中には、このように思われている方も多いのではないでしょうか?

そんな方にピッタリなのが、SaaS業界です。

現代にものすごいスピードで浸透しているSaaS。Gmailやzoomなど、日常では欠かせないサービスも多く存在しています。

スマートキャンプ株式会社が出した『SaaS業界レポート』によると、国内SaaS市場のCAGR(年平均成長率)は約12.5%を維持しており、SaaSの市場規模は、2026年には2020年度実績の2倍以上となる1兆1,700億円まで成長すると予測されています。(PR timesより)

では、希望とピッタリなのでSaaS業界に転職するかというとすぐには頷けず、あまり詳しくない業界だから、SaaS業界がきつくないかどうか不安だという方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、SaaS営業に焦点を当てて、SaaS営業について以下を解説していきます。

・SaaS営業の仕事内容
・SaaS営業はなにがきついのか
・他の業界の営業と比較してSaaS業界はどうなのか

SaaS営業に少しでも興味のある方は、ぜひ最後までご覧くださいませ!


SaaS営業の仕事内容

SaaS営業がきついかを解説していく前に、まずはSaaS営業の仕事内容を見てみましょう。

SaaS業界の営業とは

SaaS業界の営業職では、営業をプロセスごとに担当でわけていることが多いです。

・インサイドセールス(お問合せから商談まで)
・フィールドセールス(商談から契約まで)
・カスタマーサクセス(契約後の顧客サポート)

担当ごとにそれぞれ目標があり、それぞれ担当が目標を達成すると、最終的に事業全体が伸びていく構図となります。

そのため、プロセスごとに全く関わりがないわけではなく、事業全体の目標を達成するためには全ての担当が力を合わせることが重要となり、各担当が連携しながら業務を進めています。

では担当ごとの仕事内容を見てみましょう。

インサイドセールスの仕事内容

インサイドセールスでは、商談獲得を目標におく会社が多いです。

お問合せがあったクライアントに対し電話やメールでアプローチを行い、商談に必要な項目をヒアリング、購入意欲の高いクライアントに対して商談の日程を提案します。

他にも、お問合せがあった全てのクライアントが商談をしてくれるわけではないので、過去にお問い合わせいただいたけれども商談まで至らなかったクライアントへのアプローチなども行います。

インサイドセールスが商談を獲得できない場合、せっかく良いサービスだったとしてもその説明ができないため売り上げを作れません。

またお問い合わせ後、一番最初に話す相手がインサイドセールスであるため、会社の売り上げを作る存在としても、会社の印象を決める存在としても重要です。

フィールドセールスの仕事内容

インサイドセールスが商談を獲得し、その後の商談を担当するのがフィールドセールスです。
「営業職」と聞いて一番最初に思い浮かぶ仕事内容は、フィールドセールスに近いと思います。

フィールドセールスでは、クライアントの契約数が目標に置かれることが多いです。

インサイドセールスが調整してくれた日時にクライアントと対面・またはオンラインにて商談を行い、自社サービスをプランとともに提案します。

そしてクロージングを行い、商談内で契約をしてもらえそうであれば契約フォロー、すぐに回答するのは難しいということであれば商談後フォローを行います。

SaaS業界におけるインサイドセールスとフィールドセールスの違いについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。

気になる方は、ぜひご覧くださいませ。

SaaS企業の営業はインサイドセールスとフィールドセールスに分かれる!それぞれの概要や違いについて解説

カスタマーサクセスの仕事内容

インサイドセールスとフィールドセールスでは契約前のクライアントを担当するのに対し、カスタマーサクセスでは契約後のクライアントを担当します。

SaaSはサブスクリプションタイプのものが多く、プランによって毎月の費用が異なります。

カスタマーサクセスでは、そのサブスクリプションの解約率の低下や、プランのアップグレード数が目標になります。

そのために、契約後のクライアントがサービスをどれくらい使用できているか確認し、より便利に使いこなせるようにフォローを行ったり、サービスの利用頻度が下がっているクライアントに対してヒアリングを行い、利用頻度の向上をはかります。

カスタマーサクセスについては、こちらの記事により詳しく記載しておりますので、気になった方はぜひご覧ください。

SaaSに必須なカスタマーサクセスの役割と企業事例を解説


SaaS営業はきつくて大変?

次にSaaS営業はきついのか、なにが大変なのかをご紹介します。

先ほどSaaS営業を3つの担当に分けてご紹介しましたが、それぞれの仕事内容によってきついこと、大変なことが違いますので、担当ごとに見ていきましょう。

インサイドセールスの仕事内容できついこと

インサイドセールスは一番初めにクライアントとコンタクトを取るお仕事なので、断られる比率が一番多いです。

怒鳴られるわけでも酷い言葉を言われるわけでもありませんが、お電話のたびに

「今忙しいのでごめんなさい。」
「資料見たかっただけなので・・・。」

という言葉が続くと、精神的にきつくなる方もいらっしゃるでしょう。

またインサイドセールスの目標は商談を取ることです。そのために、1日あたり30件〜50件ほど電話やメールでアプローチを行います。

コンスタントに毎日30件〜50件のアプローチを行わないといけない点は、インサイドセールスの大変な点の1つではないでしょうか。

もしアプローチ目標数分架電したとしても、目標の商談数が取れなければ意味がありません。
その場合は、さらにアプローチの数を増やしていかないといけませんので、数をこなしながら質を担保しなければいけない、そんなところもインサイドセールスの大変な点と言えるでしょう。

フィールドセールスの仕事内容できついこと

フィールドセールスは会社の売上に直結する仕事を行うため、インサイドセールスやカスタマーサクセスと比較して、目標達成への意識が強い人が周りに多いです。

そのようなメンバーの中で中々契約が取れないと、焦りやプレッシャーから精神的をやられることがあり、そんな時にはきついと感じるでしょう。

また、クライアントのニーズは様々で、かつ商談する相手も十人十色です。一度商談が上手くいったからと言って、全てのクライアントでうまくいくとは限りません。

どのタイプのクライアントにも合わせた提案ができるように、日々サービスの知識は身に付けなければいけませんし、クライアント企業についてや業界についても知っておかなければ刺さる提案ができませんので、インプット量が多いことも大変な点の1つです。

カスタマーサクセスの仕事内容できついこと

カスタマーサクセスでは、契約後のクライアントにサービスの使い方やメリットを伝えて解約率を下げることや、使いこなしてきたクライアントに対してより深い知識をお伝えし、機能が多く使えるプランへアップグレードを促すことが目標です。

「いかにサービスの良さを伝えられるか」が重要なポイントになるため、取り扱っているサービスが好き、もしくは良いサービスだと思っていないと後ろめたさを感じてしまい、クライアントのサポートがきついと感じてしまうでしょう。

また、サービスが最初から上手く使える人は少なく、サービスを導入してすぐのクライアントからは不満や愚痴が溢れることもあります。

1時間使って使い方を説明したけどクライアントには全然伝わらず、最終的にトライアル終了後に解約されてしまった…ということもありますので、その人にあったレベルでわかりやすく説明をすることはとても大変です。


SaaS営業は他の業界に比べてきつい?

それぞれ担当ごとにきつい点、大変な点を見てきましたが、果たしてSaaS営業は他の業界と比較したときにきつい業界なのでしょうか?

有形商材を取り扱う不動産業界、無形商材を取り扱う保険業界・広告業界の営業職と比較してみたいと思います。

不動産営業

不動産業界の営業職は、反響営業と源泉営業の2つの営業手法に分かれます。

反響営業の場合はSaaS業界と同じようにお問合せがあった方に連絡します。しかしBtoCのため、お客様によっては問合わせた覚えがなく、少し怒り気味に切られることもあります。

源泉営業の場合は、道端で看板を持っている不動産営業を見たことがある方はご存知の通り、道端で歩く方にチラシや看板を持ってお声がけをしていきます。

その他、不動産業界はまだDX化が進んでいない企業も多く、基本的には契約は紙で行うため、契約するために遠方でも出向かなければいけなかったり、内見依頼書をFAXで送らなければならず、FAXを使える場所に移動しなければいけないなんてこともあります。

結果、企業によっては残業時間が長くなるなんてことも多いです。

ただ不動産営業は取扱い金額が大きいので、インセンティブで年収1,000万円以上稼ぐ人が沢山いたり、高い営業スキルが身に付けられることが魅力です。

SaaS営業と比較すると、SaaS業界は反響営業が主流であり、toB向けなので道端でチラシを巻くことはありません。

また、効率化を促進するために使われるSaaSを販売しているので、効率化できるところは効率化していく姿勢が強く現れ、効率化できた分残業時間を短くすることが可能です。

保険営業

保険業界の営業職は新規開拓を自身で行うことが多いです。

そのため、食事会や交流会、自分の担当エリアの集会などに出向き、色々な方と出会い名刺を交換することが集客となり、その後定期的に連絡を取っていき、商品紹介、クロージングを行なっていきます。

保険に入ろうかな?と考えるタイミングは人それぞれなので、とにかく沢山の方と知り合えているかが重要なポイントとなります。

また、保険営業では基本給+インセンティブ制を取り入れている会社が多く、月によって収入に違いが出てきます。

基本給はコンスタントに成績を挙げられていると階級や役職が上がり、その際に上がる仕組みになっています。そのため、年収が上がっていく人と変わらない人の差が顕著にでてくるでしょう。

ただ保険営業は、時短勤務や成果が上がっていれば働く時間は自分で決められる、直行直帰OKなど、自由度が高く働ける環境であることが魅力です。

SaaS営業と比較すると、SaaS営業は基本給自体が高いことが多く、インセンティブ制ではないので毎月安定した収入を得ることができます。


広告代理店営業

広告業界の営業にはいくつかの営業職がありますが、今回はアカウントプランナーに絞って比較していきます。

アカウントプランナーはBtoBであることがほとんどで、企業によって割合は違いますが、新規と既存の両方を担当します。

広告を出稿したいクライアントに、自社が持っている広告枠を提案していくだけでなく、その広告媒体を使って、どのターゲットにどのように配信するべきなのかを企画してプレゼンテーションを行います。

営業スキルとともにマーケティングスキルも必要になってきますので、インプットしなければいけない知識量はかなり多いです。

また提案資料を作成するにあたって、広告運用者やデザイナーなど、別部署のメンバーとコミュニケーションをとりながら企業ごとのプロジェクトを回していくため、コミュニケーションスキルやリーダーシップ、プロジェクトの推進力が求められます。

関わる人や業務幅が広いため、納期前や業務が立て込んだ際には夜遅くまで残業をすることもあるでしょう。

ただアカウントプランナーは、高い知識やスキルが求められる仕事であるため年収は高く、幅はありますが大手のアカウントプランナーともなると基本給で年収1,000万円以上もらえる点が魅力です。

また、インターネット広告費は継続的に伸びていることから、今後も業界的にも伸びていくことが予想されるため、将来性がある仕事です。

アカウントプランナーの仕事内容について、こちらの記事でより詳しく解説しております。興味のある方は、ぜひご覧くださいませ。

アカウントプランナーは激務できつい?イメージされる理由と働く際に必要なスキルとは

SaaS営業と比較すると、SaaS営業はクライアントの事業や業界の知識は必要なものの、紹介するサービスは広告代理店営業と比較して自社サービスなので種類も限られておりインプットしやすいです。

また、自社で開発しているサービスであるため、開発者から直接話を聞いたり開発した背景を聞くことができるため、無理やり詰め込まなくても自然と覚えていけるでしょう。

SaaS営業で働くメリットとは

さて、ここまでSaaS営業の仕事内容や仕事の中できつい点、そして他の業界の営業と比較してきついのかどうなのかを見てきました。


仕事をする上できついと思うことはどの業界でも職種でも起こり得ることなので、SaaS営業が特別きついという訳ではないことが分かったのではないでしょうか?


それでは最後に、SaaS営業で働くメリットを3つご紹介いたします。

市場価値が上がる

SaaS業界は2019年から2020年にかけて130%の成長率となっており、2022年以降も同じく100%以上の成長率になることが予想されています。


解約率が低いサービスも多く、仕事の効率化ができることから一度使うと手放せなくなってしまうのかもしれませんね。

このように解約する人は少なく、逆に契約する人は年々増加していることから、SaaSの利用者は年々増加していくのでSaaS業界は今後も活発になっていくでしょう。


数年後に大企業がSaaS事業を手掛けたり、様々なSaaSプロダクトが世に出てきた場合、SaaS営業経験者は多くないので今からSaaS営業を経験しておくことで需要の高い、市場価値の高い人材になることができます。


今はまだSaaS営業経験者が少ないことから応募条件にもSaaS業界経験は書かれていることはありませんが、5年後にはSaaS企業に転職するためにSaaS業界経験が必須となることも考えられますので、ぜひ自身の市場価値を上げるためにもSaaS業界に転職するなら早めに転職することをおすすめします。

幅広い業界と関われる

手がけるサービスによりますが、例えばバックオフィス関連のSaaSを提供する企業に転職した場合には業界問わずであることから幅広い業界の方と関わることが可能です。


将来起業したいと考えている方や、自分の知識を常にアップデートしたいと考えている方は、幅広い知識を身につけることができますので向いているでしょう。

IS / FS / CSなど様々な営業職へのキャリアチェンジが可能

SaaS業界はザ モデル型という営業活動を分業するスタイルを取り入れていることがほとんどですので、営業の仕事を、IS(インサイドセールス)、FS(フィールドセールス)、CS(カスタマーサクセス)の3つに分けています。


それぞれKPIは違うものの、取り扱うサービスは同じであるため初めはインサイドセールスとして入社し、業務に慣れてきたらインサイドセールスのリーダーになることもいいですし、サービスの知識はあるのでフィールドセールスにキャリアチェンジすることも可能です。


転職時に職種チェンジをするのは年齢とともにハードルが高くなってきますが、会社内であればあまりハードル高くなくチャレンジすることができますし、自分に合う職種が何なのかを見極められる機会にもなりますので、SaaS営業に転職して様々な職種にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。


SaaS営業はきつい?やめた方がいい?

いかがでしたでしょうか?

今回は、SaaS営業への転職をご検討されている方の「SaaS営業はきついのか?」という疑問に対して、営業プロセスごとのきつさや他業界と比較してどうなのかを見てきました。

実際に見てみると、SaaS業界は効率化や社会をよりよくしようと考えて生み出されたサービスを取り扱っており、かつ比較的まだ若い企業も多いため、現代の考え方にあった社員が働きやすい職場環境、働き方を取り入れていることがわかります。

そのため、勤務時間やハラスメントという意味での「きつい」はあまりない業界と言えるでしょう。

もちろん仕事なので多少きつい点はありますが、見ていただいてわかるように、「営業であればそこつまづくよね。」といった内容が多いのではないでしょうか。


逆に、これから伸びていく業界であり、提供しているサービスも効率化を促すプロダクトや誰かの長年の悩みを解決できるプロダクトなどであるため、人の役に立てているという実感が持てる点はやりがいを感じることができるでしょう。


無形商材という難しさはあるものの、次のステップとしてSaaS営業への転職をご検討されていた方が、ぜひこの記事を読んでSaaS営業への転職を決断してくださったら幸いです。

「SaaS営業に転職することにします!」という方は、ぜひ当社にお問合せくださいませ

SaaS営業への転職実績はもちろん、2,000求人以上の中から、あなたの希望にあった求人を提案致します。

採用強化中の企業多数!SaaS営業 求人特集はこちら
キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

SaaS企業転職者へのインタビュー

新着記事