「環境を変えたい」と転職を考えている若手社会人の方へ

 

こんにちは、「キャリア・エックス」宮内 里沙です。

「今の職場が嫌だ」「とにかく環境を変えたい」…その思いだけで転職活動を始めていませんか?ネガティブな動機だけの転職は、ミスマッチを繰り返すリスクがあります。本記事では、現状の不満をポジティブなキャリアアップの原動力に変えるための思考整理術と、成功事例をご紹介します。

成果を出した上で、次のステップに進むという意識を

転職相談をされる新卒就職から1〜3年くらいの方の中には、「現状が嫌」「現状から抜け出したい」など、ネガティブな理由から転職を希望される方が多く見られます。例えば、「新卒就活時に希望どおりの仕事に就けなかったけれど、とりあえず1年頑張ったから次に行きたい」「志望度がそれほど高くない企業に入って営業をやってきてもう限界。マーケティングや人事の求人で未経験OKのものに応募したい」など…。

気持ちはわかりますが、現実は厳しいもので、何も成果を出していない状態で転職活動をするのは、かなり険しい道です。もちろん、社会人歴が短いと転職ができないというわけではなく、求人自体はあるにはあります。ただ、キャリアを中長期的に考えるなら、今の仕事か、もしくは次に選ぶ仕事において「成果を出す」というところにぜひこだわってほしいと思います。

というのは、転職市場における求人は、基本的には即戦力を求めるものですから、何も成果を出せていない人は、なかなか評価されません。ましてや、未経験からのキャリアチェンジを希望するのであればなおさらです。例えば、人事やマーケティングの求人の場合、ごくたまに未経験OKというものがありますが、「法人営業経験3年以上で、何かしらの成果を出してきた人」が条件になっていたりします。

したがって、現職で自分なりに考え、工夫して何かしらの結果を出す、他の人がやらないことを頑張る、といった積み重ねをもうしばらく続けてみる。あるいは、望む条件・仕事につくためのステップとして、たとえ収入が下がるとしても成果が求められる環境がある企業に一旦転職してそこでがむしゃらに頑張ってみる。今、営業の仕事がうまくいっていないなら、商材や業界を変えて成果を出すことに再チャレンジする(商材や業界が変われば手法も変わるため、より自分にマッチした営業の仕事につけば結果が変わるかもしれません)など、望む環境・キャリアをめざすために、一踏ん張りして成果を出す、というふうにぜひ切り替えいただきたいと思います。

【今すぐ】転職相談

成功例:地道な工夫で営業実績をあげ、異業種に転職したAさん

現職で成果をあげて転職を成功させた方の事例を1つご紹介します。4年間金融機関に勤め、他業種に転職したAさんの例です。

Aさんが担当していたのは、金融商品の個人向け営業。担当エリアは交通の便が良いとは言えない田舎。その中でAさんは、「ここまでは行かないよね?」とほかの人が思うような場所まで電車や車を乗り継いで営業をかけに行くなど、どこに潜在顧客がいるのか、どこで売り上げを上げられるのかなどを自分なりに調べ、足を運び、商談をして、成果につなげていました。

「業界の未来が見えない」というのが転職希望理由だったAさん。営業が嫌なわけではない一方、これといって希望する職種もない、望むのは、自己裁量の大きな会社で、かつ、年収が現職からあまり下がらない会社、とのことでした。そこで、将来性のある異業種で働く上では、まずは現場とマーケットと商品を知るため、いちばんの強みである営業スキルを生かして営業として転職しましょう、と、法人営業で希望の条件に合う企業を紹介。内定先企業から高い評価を得て転職が決まりました。その企業は、入社後ジョブローテーションの機会もあるので、営業以外の仕事に興味が出てくれば、移るチャンスもあります。

このように、経験を積み、成果を出したり、スキルを身につけたりして、自分の武器を持った上で転職やキャリアチェンジをめざすほうが、より成功する可能性が高まります。

今いる環境が自分に合わないまま仕事を続けることはつらいことではありますが、より良いキャリアを積んでいくには、どこかで頑張らなければなりません。今いる環境でもう少し頑張れるなら、少しでも他の人がやっていないことに取り組んでみたり、成果をあげるために自分にできることを工夫してみたりして、何かしらの成果をあげたうえで転職を考えていただきたいと思います。もちろん、今すぐにでも状況を変えたい人は、別の環境に行ってそこで成果をあげることも選択肢になりうるでしょう。ただその場合、「今より大きな会社に行きたい」「今より年収を上げたい」といった要望はなかなか叶いづらいことは理解して挑戦していただきたいと思います。

東海林 浩樹

この記事の監修者

東海林 浩樹 コンサルタント

前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

新着記事