SaaS業界とは?将来性・転職難易度・年収をわかりやすく解説

こんにちは、「キャリア・エックス」編集部です。

SaaS業界は、国内で年平均10%以上の成長を続ける高成長市場です。会計・人事・経費精算など企業の基幹業務がクラウドへ移行する流れは続いており、2029年度には国内市場が3兆円を超えるという予測もあります。 成果主義・スピード感・数値管理という働き方が特徴で、向いている人とそうでない人がはっきり分かれる業界でもあります。 本記事では、市場規模・将来性・年収相場・職種別難易度を整理し、「自分にSaaS業界は合っているのか?」を判断できるよう解説します。

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SaaS業界とは?

SaaS業界とは、クラウド経由でソフトウェアやアプリケーションを提供する業界です。従来の買い切り型ではなく、サブスクリプション型(定額制)で継続的に利用する仕組みが特徴です。

ZoomやSlack、freee、SmartHRがその代表例で、ユーザーはソフトをインストールせず、ブラウザからログインするだけで使い始めることができます。

ビジネスの観点から言えば、従来は数百万円の初期費用を払って自社サーバーにインストールしていたソフトウェアを、月額課金で「借りる」モデルに変えたのがSaaSです。

企業側にとっては初期費用が激減し、提供側にとっては継続収益が積み上がる。このビジネスモデルの合理性が、SaaS業界の急成長を支えている根本です。

従来型(オンプレミス)SaaS
使い始め方自社サーバーにインストールブラウザ上でログイン
初期費用数十万〜数百万円(大規模ではそれ以上)月額数千円〜
保守・管理自社エンジニアが対応提供会社がすべて対応
利用場所社内ネットワーク内が基本どこからでも使える

SaaS業界は将来性がある?

SaaS業界の将来性は「高い」といわれています。

市場規模と成長率は本物

富士キメラ総研の調査によると、企業向けソフトウェア53品目の国内SaaS/PaaS市場は、2029年度に3兆3,975億円に達すると予測されています。

国内IT市場全体の成長率は約5〜6%とされる中、SaaS市場の2024〜2029年の年平均成長率(CAGR)は約11.6%で、国内IT市場全体の成長率のほぼ2倍の拡大予測です。

また、Gartner「Forecast: Public Cloud End-User Spending, Worldwide, 2024」によると、2024年の世界SaaSエンドユーザー支出は約2,470億ドルに達しました。2025年には約3,000億ドル規模まで拡大する見通しです。

AI×SaaSがもう一段の成長を作る

現在、SaaS各社は競うようにAI機能の組み込みを進めています。楽楽精算がAIエージェントによる経費自動申請を2025年12月に提供開始したように、「作業を自動化するAI機能」をSaaSに統合することで、従来の機能だけでは難しかった付加価値が生まれています。

IDCの調査では、2024年の国内クラウド市場が前年比29.2%増と急拡大しており、その背景のひとつがAI需要です。SaaS×AIの流れは「一時的なブーム」ではなく、業界構造の変化として見ておくべきでしょう。

バーティカルSaaSが次の成長軸

会計・人事・経費精算など汎用カテゴリでのSaaS普及が一巡しつつある中、医療・建設・製造・介護など特定業界の業務フローに深く入り込んだ「バーティカルSaaS」も注目を集めています。業界知識が参入障壁になるため競合が少なく、業務の中核を担うほどスイッチング(乗り換え)コストが高まる特性から、解約率が低く安定した成長が見込めます。バーティカルSaaSは今後10年のSaaS業界の主戦場になると言えるでしょう。

SaaS業界は「やめとけ」と言われる理由

「SaaSはやめとけ」という声は確かに存在します。これは業界そのものの問題というよりも、SaaS特有の働き方や評価の仕組みが、人によって合う・合わないが分かれやすいためです。

SaaS業界が「やめとけ」と言われる理由は、主に次の4点です。

KPIベースの評価環境

SaaS企業の営業は分業体制が一般的で、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスがそれぞれKPI(目標指標)を持ちます。アポイント数・商談化率・受注件数・解約防止率など、自分の成果が数字として見えやすい環境です。

成果が出ているときはモチベーションに繋がりますが、うまくいっていないときには「もう少し改善しなければ」とプレッシャーに感じる場面もあるでしょう。

なお、企業によっては成果だけでなく行動プロセスも含めて評価する仕組みを取り入れているケースもあります。

競争環境の変化が早く、ポジションが流動的

同じカテゴリに複数のSaaS製品が存在しており、競合の状況は短期間で変わることもあります。製品の優位性が入れ替わることで、自分が担当しているプロダクトの営業難易度が変わるケースもあります。
そのため、「良い製品を扱っているから安定している」とは言い切れず、市場や競合の変化に合わせた対応が求められます。

プロダクトや市場の変化に継続的に対応する必要がある

SaaS企業はプロダクトのアップデートサイクルが短く、機能や料金体系が変わることも少なくありません。競合の動きも速いため、継続的に情報をアップデートしながら対応していくことが求められます。
変化を前向きに捉えられる人にとってはやりがいのある環境ですが、安定した業務を好む場合は負担に感じる可能性もあります。

成果がリアルタイムで可視化される

SaaS業界では、MRR(月次定額収益)やチャーン率(解約率)が可視化されていることが多く、自身の成果をリアルタイムで把握しやすい環境です。成果が出ているときはモチベーションに繋がりますが、改善が必要な場合にはプレッシャーを感じることもあるでしょう。

SaaS業界の転職難易度

SaaS転職の難易度は、「どの職種に入るか」で大きく変わります。未経験でも現実的に狙えるポジションがある一方、経験なしでは厳しい職種も存在します。

職種別難易度

職種難易度未経験可否一言コメント
インサイドセールス★★☆☆☆○ 可能未経験入口として最も広い。数字への耐性と行動量が鍵
フィールドセールス★★★☆☆△ 経験者有利法人営業・無形商材経験があると転職しやすい
カスタマーサクセス★★★☆☆△ 経験者有利業界未経験でも顧客折衝経験があれば狙える
マーケティング★★★★☆△ 部分的に可デジタルマーケ経験者向け。分析スキルが必須
エンジニア★★★★☆△ 経験必須開発経験は必要。SaaS特有の経験は入社後に習得可
プロダクトマネージャー★★★★★✗ 難しい事業理解・エンジニアリング・CS全域の知識が求められる

即戦力が求められる理由

SaaS業界にはスタートアップや成長フェーズの企業が多く、研修スタイルはOJT(実務を通じた育成)がメインになることが一般的です。がっつりした座学研修よりも、働きながら実務スキルを習得していくスタイルが主流です。そのため、面接では業界への理解やベーススキルをどれだけ示せるかが重要になります。

入社前にSaaSの基本や職種の役割を把握しておくことが、選考突破への近道です。

未経験で入るなら今が最もチャンスが大きい

インサイドセールスとカスタマーサクセスは、SaaS業界の拡大に伴って求人数自体が増えています。リクルートの調査では、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスを合わせた「新しい営業職」への転職者が2020〜2022年の3年間で3.29倍に増えたとされています。

職種そのものが新しく、経験者の絶対数が少ないため、意欲と論理的思考力を示せれば未経験でも採用されるケースは現実にあります。

SaaS業界の年収相場

SaaS業界の年収は、日本の全業種平均(約458万円:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」)と比べると高めの水準にありますが、「SaaS業界に入れば年収が上がる」という単純な話ではありません。

職種・企業ステージ・個人の成果によって、同じ業界でも200万円以上の差が生まれます。

以下は複数の転職媒体・調査をもとにした目安レンジです。企業規模や成果インセンティブによって上下しますので、参考値として捉えてください。

職種未経験〜メンバー経験者・シニアマネージャー以上
インサイドセールス350〜450万円450〜600万円600〜800万円
フィールドセールス450〜550万円550〜800万円800万円〜(インセンティブ込みで1,000万円超も)
カスタマーサクセス400〜500万円500〜700万円700〜1,000万円
マーケティング400〜500万円500〜700万円700〜900万円
エンジニア(バックエンド等)450〜600万円600〜900万円900万円〜

年収を上げるうえで知っておくべき構造

SaaS企業の年収は「ベース+インセンティブ」で構成されることが多く、特に営業系職種はインセンティブ比率が高い設計になっています。つまり、成果を出した分だけ年収が上がりやすい反面、成果が出なければベースのみの状態が続きます。

スタートアップ段階の企業ではストックオプションで報酬を補う設計も多く、IPO時に数百万〜数千万円の価値になるケースもありますが、当然リスクも伴います。

未経験からSaaS業界に入るには?

未経験からSaaS業界への転職は、ルートを間違えなければ現実的に可能です。ただし「どこでもいい」ではなく、入り口の職種と前職の経験の活かし方を戦略的に考えることが重要です。

最も現実的な入口はインサイドセールス

未経験で狙うなら、まずインサイドセールスが第一候補です。トークスクリプトや商談フローが整備されている企業が多く、数字を追う習慣と論理的なコミュニケーション力があれば、業界未経験でも採用されるケースがあります。

営業職経験者はもちろん、コールセンターや接客業出身者が活躍している事例も多い職種です。インサイドセールスで実績を作ったあと、フィールドセールスやカスタマーサクセスにキャリアを広げるルートが、SaaS業界での標準的なキャリアパスになっています。

営業経験は最大の武器になる

前職で法人営業経験がある場合、それはSaaS転職において大きな強みです。「顧客の課題を引き出してソリューションを提案する」という無形商材営業のスキルは、SaaS営業の核心と重なります。

特に保険・不動産・人材・広告など、クロージングのプレッシャーが高い業界出身者はSaaS企業から評価されやすい傾向があります。過去の実績を「受注件数・達成率」などの数字で示せることが、面接を突破する大きなポイントです。

データで考える習慣があるかどうかが分かれ目

SaaS業界では、どの職種でも数字を扱うことが日常です。商談化率・解約率・LTV(顧客生涯価値)など、日々の業務がKPIに紐付いて管理されます。「感覚でやっていた」から「なぜその数字になったかを分析して次に活かす」思考への切り替えが求められます。

転職前にSaaS系の資料や用語(MRR・チャーン・ARRなど)を自分で調べ、面接で自分の経験に当てはめて伝えられる状態にしておくと、評価が大きく変わります。

どんな人がSaaS業界に向いている?

SaaS業界への転職を検討するとき、スキルの有無より先に「この業界の空気が自分に合うか」を確認することのほうが重要です。

向いている人の特徴

  • 数字で物事を考えるのが苦にならない
  • 成果が出なかった理由を自分で振り返り、改善できる
  • 変化や新しい情報のキャッチアップを楽しめる
  • 成果主義の評価体系を「公平」と感じられる
  • スピードが速い環境でストレスより刺激を感じる
  • 短いサイクルでフィードバックを受けて成長したい

向いていない可能性がある人の特徴

  • 安定した業務フローの中で着実に仕事を積み重ねたい
  • チームへの貢献を数字以外の形で評価されたい
  • ゆっくりと深く一つの仕事に取り組みたい
  • 新しいツール・知識のキャッチアップに負担を感じる

「向いていない=入れない」ではない

「向いていない」が当てはまるからSaaSに入れない、という話ではありません。ただし、入ってから「思っていたのと違う」と感じるケースの多くは、こうした気質のミスマッチからきています。自分が「やめとけと言われる理由」にどれだけ共感するかを、入社前に一度整理しておくことが重要です。

もし判断に迷う場合は、SaaS業界の職種特性や企業フェーズを踏まえたうえで、第三者に客観的に整理してもらうのも有効です。無料キャリア相談では、あなたの経験がどのポジションに合うのかを具体的にお伝えできます。

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よくある質問(FAQ)

SaaS業界は本当に将来性がある? 

国内市場は2029年度に3兆3,975億円(2024年度比+73%)という予測があり(富士キメラ総研)、成長自体は本物です。加えてAI機能の統合という追い風もあります。ただし「業界全体が成長する」と「自分のキャリアが伸びる」は別問題で、どの職種・企業フェーズに入るかで個人の成長機会は大きく変わります。

未経験でも入れる?

インサイドセールスは、SaaS業界の中で最も未経験採用の間口が広い職種です。論理的なコミュニケーション力と数字に向き合う姿勢があれば、業界未経験でも採用される実例は多くあります。前職の実績を数値で語れる準備をしておくことが、選考突破の鍵になります。

年収は高い?

インサイドセールスの入社時想定は350〜450万円程度ですが、成果を出せば早期に600万円以上を狙えます。フィールドセールスはインセンティブ次第で1,000万円超も現実的な水準です。日本の全業種平均(約458万円)より高い傾向にありますが、成果主義のため個人差が大きい点を理解したうえで比較してください。

なぜ「やめとけ」と言われる?

主に「KPI管理の厳しさ」「変化への対応を求め続けられる疲弊感」「競争激化による不安定さ」の3点から来ています。業界が悪いのではなく、成果主義・スピード重視の環境が全員に合うわけではない、という話です。自分の気質と照らし合わせて判断することが重要です。

転職難易度はどのくらい?

インサイドセールスは難易度が低め(★★)で未経験可能なケースが多い一方、プロダクトマネージャーやフィールドセールスは即戦力を求める難易度の高いポジションです。職種ごとに求められるスキルと経験が明確に異なるため、「SaaS業界への転職が難しいかどうか」は入る職種によって答えが変わります。

まとめ|結局、SaaS業界に向いているか?

SaaS業界への転職は、「市場の成長に乗りたい」「成果主義の環境で早く結果を出したい」「数字で自分を証明できる」という人にとって、現時点で日本で最も報酬と成長機会のバランスが取れている業界の一つです。国内市場は2029年まで年平均11.6%成長の見通しがあり、AI×SaaSという次の成長フェーズも始まっています。

一方で、成果主義のプレッシャー・変化の速さ・常時KPI管理という環境は、合わない人には消耗が大きい。「やめとけ」という声はそこから来ています。

判断の基準はシンプルです。「数字で評価される環境が公平だと思えるか」。これがYESなら、SaaS業界への転職は積極的に検討する価値があります。

入り口はインサイドセールスが最も広く、実績を積めばフィールドセールス・カスタマーサクセス・マネジメントへのキャリアパスが開きます。まずは求人を眺めるだけでなく、面接で「自分の経験をSaaS文脈でどう語るか」を準備することが、転職成功の最初のステップです。

職種ごとの難易度や自分の経験との合致度を具体的に確認したい方は、無料キャリア相談で個別にご案内できます。

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東海林 浩樹

この記事の監修者

東海林 浩樹 コンサルタント

前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

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