履歴書・職務経歴書の自己PRの書き方・例文 転職でのコツを解説

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

転職ノウハウ

履歴書を作成する際に、多くの人が悩む自己PR。


「なにを書けば良いのか分からない」、「うまく伝えられているのか不安」とつまずくことも珍しくありません。


そこで大切にするのは、企業の業務内容を確認したうえで、自分のスキルの棚卸し、経験・価値観を深堀って自己PRへつなげていくことです。


職種によってもアピールポイントは異なっていきますので、本記事はそれを踏まえて、自己PRの作成方法を具体的に解説します。

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履歴書の自己PRの作り方(簡単3ステップ)


自己PRは、どのようなステップで作成していけばよいのか。ここでは、スムーズに的確に自分自身をアピールするための工程を紹介します。

希望職種の業務内容を書き出す

希望職種の業務内容を詳細に把握することから自己PR作成は始まります。


企業のホームページや転職サイトはもちろん、インターネットを検索すれば先輩社員のインタビュー記事、ソーシャルメディアでの発信内容、口コミサイトの企業レビューなど、様々なメディアから情報を収集できます。


たとえば、営業職を例にとると、新規開拓から既存顧客のフォロー、商談、契約締結という基本的な業務の流れに加え、商品知識の習得方法、営業チーム内での役割分担、目標設定や評価の仕組みなどまで、より詳細に理解を深められるとベターでしょう。


なるべく多くの情報をキャッチすることで、次のステップへ進んだ際の解像度が高まります。

必要なスキル・経験を書き出す

職種の業務内容を把握したうえで、次はそれに合わせたスキルと経験を書き出していきます。


ハードスキルについては、業界特有の資格(IT業界であれば、ITパスポートなど)、知識(商品知識、法律知識、業界動向など)、実務スキル(ExcelやPowerPointなどのPC操作、プレゼンテーションスキル、企画書作成能力など)、経験(営業・接客経験など)を具体的にリストアップ。


ソフトスキルについては、コミュニケーション能力の中でも、プレゼンテーション力なのか、傾聴力なのか、交渉力なのかなど、より詳細なレベルまで分解して考えていきましょう。


必要なスキル・経験が分からない場合は、求人票の必須スキルや求めている人物像といった項目が参考になります。

 該当する自分の経験を書き出す

最後は、これまでの職務経歴を網羅的に振り返り、希望職種に必要なスキル・経験との関連性を見出します。


たとえばマネージャ―募集であれば、単に「マネージャーを務めた」という事実だけでなく、どのような課題に直面し、どのように解決策を立案し、部下や関係部署をまとめ、成果をあげたのかまで掘り下げます。


また、通常業務においては、業務プロセスの改善を主導したプロジェクトや、予算制約や人員不足といった困難な状況下でも創意工夫により目標を達成した実績を具体的に整理。


その際の成果は、「年間売上高を前年比120%に成長させた」、「工数を30%削減し、残業時間の改善を実現した」、「顧客満足度調査のスコアを4から4.5にまで向上させた」といった具体的な数値と合わせてアピールすることで、より説得力が高まります。

自己PR例文まとめ(職種・強み別)


ここでは、具体的にイメージできるよう自己PRの例文を職種や強みごとに紹介します。

自己PRの文章は「結論から」書く

自己PRの文章を効果的に書くには、冒頭で一番伝えたい強みを明確に示すことが重要です。


この際、抽象的な表現は避け、具体的で自分らしい強みをアピールすることが大切に。


たとえば、「真面目さ」や「努力家」といった表現ではなく、「データにもとづいた改善提案力」や「戦略的な営業力」など、自身の経験にもとづいた独自の強みを挙げることで、採用担当の興味を惹きます。


そのうえで、裏付けとなる内容を具体的に記載。「いつ」、「どこで」、「どのような状況で」、「どのような行動をとり」、「どのような結果を得たか」を明確に示します。


そして、最後にその経験から得られた学びや気づきを述べることで、単なる成功体験の羅列ではなく、成長のストーリーとして伝わりやすい自己PRが完成します。

【職種別】自己PR例文集


営業、マーケティング、エンジニアの職種ごとに例文をピックアップします。

営業職

<例文>

私の強みは、データ分析にもとづいた戦略的な営業アプローチと、顧客との信頼関係構築力です。

前職の製造業の営業では、既存顧客の取引データを詳細に分析し、業種別・規模別の購買パターンを可視化することで、効果的なクロスセル戦略を立案・実行しました。その結果、既存顧客の取引額を平均で前年比125%に拡大させることができました。

また、新規開拓においては、商談の質を重視したアプローチを実践し、年間30社以上の案件を獲得しました。

貴社においても培ったものを活かして、新規市場の開拓と既存顧客の深耕に貢献したいと考えています。


<ポイント>

営業職を目指す場合は、コミュニケーション力、傾聴力、論理的に話す能力が求められます。それらの備えていることを、具体的にアピールすることがポイントです。

たとえば、例文では既存顧客との関係構築などでコミュニケーション力や傾聴力があることを発信し、戦略的なアプローチへの取り組みおよび成果で論理性が高いことを伝えています。

マーケティング職

<例文>

私の強みは、広告効果の分析力と、クライアントニーズを的確に把握するコミュニケーション力です。

前職の広告代理店では、デジタルマーケティングを担当。特に、アパレルブランドのクロスメディアキャンペーンでは、SNS広告とテレビCMの相乗効果を検証し、コストを20%削減しながら、商品の認知度を1.5倍に向上させることができました。

また、注力したのが、クライアントの事業課題を深く理解するためのコミュニケーションです。

定期的な会議では、売上データやユーザーの声を詳細に分析し、クライアントの経営層に対して具体的な数値とインサイトにもとづく提案を行いました。他にも社内の連携においては、プロジェクトリーダーとしてデータを活用したクリエイティブの効果検証を導入し、A/Bテストによる継続的な改善サイクルを確立したことで、広告のクリック率を平均40%向上させました。

貴社においても培ったものを活かし、より戦略的なマーケティングソリューションの提供に貢献したいと考えています。


<ポイント>

マーケティング職では分析力、コミュニケーション力、情報収集力が重要です。


この自己PR例文において、分析力については、「SNS広告とテレビCMの相乗効果を検証」し、その結果として「プロモーション費用を20%削減しながら、商品の認知度を1.5倍に向上」という定量的な成果を提示。


コミュニケーション力については、社外と社内の両方での実践例を示しています。また、情報収集力についても、「売上データやユーザーの声を詳細に分析」して、活用した実績をアピールしています。

エンジニア職

<例文>

私の強みは、技術的な課題を分かりやすく説明するコミュニケーション力と、複雑な問題を体系的に解決する論理的思考力です。

前職では、自社の基幹システムの刷新プロジェクトにおいて、経営層や現場との要件定義から設計・開発まで一貫して担当。特に、非エンジニアのステークホルダーに対して技術的な選択肢とその影響を分かりやすく説明し、最適な解決策の合意形成を実現しました。

また、既存サービスのUI改善では、ユーザビリティテストの結果を踏まえて、操作手順の削減とインターフェースの直感性向上に注力。問題点を論理的に分析し、複数の改良を段階的に実施しました。

他にも、常に新しい技術のキャッチアップを心がけ、機械学習の知識習得にも取り組んでおり、将来的にはAI技術を活用したシステム開発にも挑戦したいと考えています。

貴社では、この経験を活かしつつ、最新技術への探究心を持って、より革新的なシステム開発に貢献していきたいと考えています。


<ポイント>

エンジニア職で大切になるのは、コミュニケーション力、論理的思考力、学習意欲です。そこでこの例文では、非エンジニアとのやり取りと成果でコミュニケーション力についてアピール。


また、UIの改善を例に挙げ、論理的思考力を備えていることを伝えています。最後に現在取り組んでいることを記載し、学習意欲も高いことを理解してもらえるようにしました。

【強み別】自己PR例文集

続いては職種ごとではなく、自身の強みに焦点を置いた自己PR例も紹介します。

向上心

私の強みは、現状に満足せず、常に高い目標を設定して挑戦し続ける向上心です。

前職のアパレルショップでは、店長として接客サービスの品質向上に取り組み、お客様の購買行動分析と、スタッフの接客スキル向上プログラムの導入を実現しました。この取り組みにより最終的に客単価を25%向上させながら、リピート率を1.5倍に高めることができました。

また、自分自身でもファッションアドバイザーなどの資格取得に挑戦し、より専門的な知識を習得しました。

貴社においても、この向上心と販売サービスの専門スキルを活かしたいと考えています。

粘り強さ

私の強みは、困難な状況でも諦めることなく成果を追求する粘り強さです。

前職の製造設備メーカー時代は、コロナ禍での訪問制限が続く環境で、オンラインを活用した商談の仕組みづくりに注力。生産現場が抱える課題についてWeb会議で丁寧なヒアリングを重ね、将来の効率化を見据えた設備投資の提案を行いました。

その結果、2年間取引が途絶えていた顧客から、工場の自動化プロジェクトに伴う大型設備の受注を獲得することができました。

また、一度は導入を見送られた製品に対しても、定期的な情報提供とフォローを継続的に行い、1年後に本格導入が決定するなど、長期的な視点での関係構築も実践してきました。

貴社においては、この粘り強さを活かし、どのような環境でも成果を出し続けられる営業として貢献していきたいと考えています。

計画

私の強みは、目標達成に向けて緻密な計画を立て、確実に実行する能力です。

前職の小売チェーンでは、新店舗のオープンプロジェクトにおいて、3ヶ月前から週単位でのタスク管理表を作成し、人員配置から商品構成、販促施策までを段階的に実施していきました。

特に、スタッフの採用・教育では、研修項目を50のチェックポイントに分解し、習熟度を可視化することで、オープン後に即戦力として活躍できる体制を整えました。

その結果、初月から売上目標の120%を達成し、接客満足度調査でもエリアトップの評価を獲得。この成功事例を他店舗にも活かし、計6店舗の立ち上げを成功に導きました。

貴社においても、この能力を活かし、店舗開発や既存店運営の改善に貢献していきたいと考えています。

行動力

私の強みは、課題を発見したらすぐに行動を起こし、改善を実現することです。

前職のカスタマーサポートでは、問い合わせ対応の遅延が課題となっていた際、独自に顧客の声を分析し、よくある問い合わせ内容をFAQにまとめる取り組みを自発的に開始しました。2週間で100件以上の問い合わせ内容を分類・整理し、ナレッジベースを構築したことで、対応時間を平均30%削減することができました。

また、新入社員の教育プログラムにも改善の余地を感じ、先輩社員によるメンター制度を提案・導入。制度設計から運用マニュアルの作成まで率先して取り組みました。

貴社においては、この行動力を活かし、業務改善や組織活性化に向けて積極的に提案・行動できる人材として貢献していきたいと考えています。

例文活用法!オリジナルの自己PRを作るコツ

例文はあくまでも“例”になりますので、自分用に変更するためには工夫が必要です。ここでは、そのコツを解説します。

エピソードを自分の内容にアレンジする

例文の基本構成は強み→行動→成果の流れになっています。その流れをベースにしながら、同じような性質の課題や取り組みを自身の経験から探し出し、置き換えていきましょう。


重要なのは、単なる数字の書き換えではなく、その成果に至るまでのプロセスや工夫を、自身の経験にもとづいて具体的に書き出すことです。

1つに絞って客観的に書く

自己PRを作成する際は、「1つに絞って客観的に書く」ようにしましょう。


複数の強みや経験を詰め込もうとすると、伝えたいことがぶれてしまいます。たとえば、「粘り強さ」を主張したい場合、その他の要素(コミュニケーション力や分析力など)は補足的な位置づけとし、「粘り強さ」を中心に据えた一貫したストーリーを構築します。


そのうえで客観性を担保するため、具体的な数値や第三者からの評価を含めたり、「なぜそのような行動をとったのか」、「どのような工夫を行ったのか」、「その結果として何が改善されたのか」という考え・行動・結果という流れで記述したりすることも効果的です。

例文やコツを参考に、効果的に自己PRをしよう


応募先企業にマッチする経験や特性を持っていても、それらを的確に伝えられなければ、書類選考で落選してしまうことも珍しくありません。


一方で、うまく自己PRできれば、企業の評価は各段にアップします。


履歴書は客観的事実にもとづいて記載することが重要なので、少しでも書き方に迷っている方は気軽に相談してみてください!

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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