華やかなイメージがあり、憧れる人も多い広告代理店。その人気から、転職するのは難しいとの声がありますが、実際のところはどうなのでしょうか？
この記事では、転職難易度や必要とされるスキル、そして転職を実現するためのポイントなどについて詳しく解説します。
広告代理店への転職を検討されている方は、ぜひご覧ください。
目次
広告代理店への転職は難しい？
テレビや雑誌、ネットなど、さまざまなメディアを動かし広告を展開する広告代理店は、華やかなイメージがあり、就職・転職人気ともに高いのが特徴です。
特に電通や博報堂といった大手の総合広告代理店には、大量の応募者が集まりがちです。どうしても業界経験者が有利な傾向にあり、未経験者の転職難易度は高いと言えます。
ただ、インターネット広告の需要拡大などを受け、各社とも営業を中心に中途採用を強化しており、業界未経験者が活躍しているケースも増えつつあります。各社が求めている経験・スキルを効果的にアピールすれば、転職は十分可能と言えるでしょう。
なお、企業規模などによって転職難易度は変わるため、次の項目で詳しく説明します。
企業規模別・広告代理店の転職難易度
広告代理店にはいくつかの種類があります。企業規模や種類別に、広告代理店の特徴と転職難易度を解説します。
大手総合広告代理店
大手総合広告代理店は、テレビや雑誌、インターネットなどあらゆる広告メディアを扱い、広告の企画・制作、出稿、運用、振り返りなどを一貫して行います。
さまざまな媒体を組み合わせながら、総合的で大規模なサービス提供を行えるのも特徴です。企業規模は大きく、電通や博報堂、ADKなどが代表例です。
いずれの企業も近年は中途採用を積極化していますが、人気も非常に高いため、転職難易度は高いと言えます。
専門広告代理店
総合広告代理店とは異なり、インターネット広告や新聞広告、交通広告など、一つの媒体に特化した広告代理店を指します。
それぞれの分野に専門的なノウハウを持っており、その媒体で最大の広告効果を目指します。転職難易度は、専門分野によってまちまちです。
例えば交通広告や新聞広告などの専門代理店は企業規模が比較的小さいため、求人数も少ない傾向にあります。
一方、インターネット広告代理店は、サイバーエージェントや電通デジタルなど規模が大きい企業も多く、インターネット広告の需要拡大により中途採用にも積極的です。
大手ほど転職人気も高いですが、採用ニーズは旺盛であり転職チャンスも多いでしょう。
中小・ベンチャー広告代理店
近年では、専門分野に特化した中小・ベンチャー広告代理店も増えています。
例えば、運用型広告に特化した代理店や、リスティング広告、ソーシャル広告、動画広告などに強みを持つ代理店など、Web分野で強みを持つ広告代理店が挙げられます。
企業規模はいずれも小さいですが、会社そのものが成長期にあるところでは採用ニーズは旺盛です。営業経験やマーケティング経験などをアピールできれば、転職可能性は比較的高いと言えるでしょう。
ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーとは、特定の事業会社を広告主とする、専属の広告代理店を指します。
自動車メーカーや鉄道会社、メーカーなど大手企業の広告部門がハウスエージェンシーとして独立するケースが多いようです。
広告主が大手企業であるため、安定的な業績拡大が見込まれる点が特徴です。そのため、一定の求人ニーズはあるものの、転職人気も高い傾向にあり、転職難易度は高めです。
職種別・広告代理店の転職難易度
次に、広告代理店における職種別の転職難易度について解説します。
営業職
クライアントから広告を受注し、戦略立案から実際の広告展開までを幅広く担当するのが営業職です。
インターネット分野を中心に、広告代理店に寄せられる広告出稿ニーズも拡大しています。そのため、営業職はどの企業においてもニーズが高く、転職チャンスは大きいでしょう。
大手広告代理店になるほど転職人気は高く、難易度も高まる傾向にありますが、例えば電通ではパートナービジネスへと領域を拡大しており、デジタルやIT分野に強みを持つ人材や、企業の課題解決経験豊富な人材など、業界未経験者も多数採用しています。
企業ごとの求める人材像に合った経験・スキルをアピールできれば、大手への転職可能性も高められるでしょう。
企画系職種
市場調査や分析を行うマーケティング系職種や、広告戦略に合った広告物の企画・政策などを手掛けるクリエイティブ系職種といった、いわゆる企画系職種も、中途採用ニーズは旺盛です。
ただ、営業ほど採用人数は多いとは言えず、かつ各領域の専門スキルが求められる傾向にあるため、転職難易度は高いでしょう。
エンジニア職
市場データをもとにニーズを分析したり、出稿した広告の効果を分析・改善したり、広告の運用を行ったりする専門職です。
ビッグデータをもとに課題解決策を考えるデータサイエンティストなどの職種も含まれます。
大手総合代理店やネット広告代理店を中心に一定の採用ニーズはありますが、いずれもエンジニアとしての経験が求められるため、転職難易度は高めです。
広告代理店の魅力とやりがい
広告代理店で働く魅力と、やりがいについて解説します。
広告代理店が転職市場で人気な理由
広告代理店が転職先として人気を集めている理由の一つは、社会に対して影響力のある大きな仕事ができる点にあります。
クライアントの課題解決や目標達成のため、効果的なメディア戦略を考えクリエイティブを生み出すことで、社会に大きな影響を与えることができます。
大きな予算を任される機会が多いのも特徴であり、責任がある一方でその分、広告の成果が得られた時のやりがい、喜びも大きいでしょう。
これらに魅力を感じ、よりやりがいを得たい、世の中への影響を与える仕事がしたい、介在価値を得たいなどと考える人が、広告代理店を目指しているようです。
多様な職種と成長機会がある
広告代理店には、さまざまな職種があります。
クライアントに対応する営業職のほか、マーケティングや広告枠のプランニングを行うプランナーや、広告のビジュアルやコピーなどを考え、クリエイティブを生み出すクリエイター、広告運用やビッグデータ分析などでプロジェクト全体を支えるエンジニアなど、さまざまな役割を持つ人が協働し、より良い戦略やクリエイティブを生み出しています。
それぞれが各分野で経験・スキルを磨き、互いに刺激し合うことで成長できる点も、広告代理店の魅力です。
キャリアパスと将来性
各分野で専門スキルを磨ける広告代理店は、キャリアパスも多様です。
営業であれば、社内でマネージャーとしてステップアップする道のほか、豊富な営業経験を活かして他分野の営業として活躍したり、営業のプロとして独立するケースも考えられます。
マーケティング分野やクリエイティブ分野でも、その道のプロとしてスキルを磨き上げることで、多方面で活躍できるでしょう。
大手企業から中小・ベンチャーまでと、さまざまな企業規模や業種のクライアントを担当することで、幅広い経験を積むことができる点も、大きな強みになるでしょう。
広告代理店で必要とされるスキル
広告代理店への転職を検討している人に向けて、広告代理店で必要とされるスキルをご紹介します。
対人折衝力
広告代理店は、広告を通してクライアントの課題を解決し、売り上げ拡大やブランド力向上につなげるパートナーです。
顧客とじっくりコミュニケーションを取り、傾聴力を発揮しながらニーズを引き出せる対人折衝力に長けた人は、広告代理店でも力を発揮できるでしょう。
情報収集力
広告業界においては、トレンドを的確にキャッチする情報収集力が重要視されます。
日ごろからアンテナを張り、最新の情報を取り入れる姿勢は、営業、クリエイティブなどどの職種においても求められます。
実行力・目標達成力
広告代理店の役割は、広告を通じてクライアントの課題を解決することです。
そのためにフットワーク良く行動し、壁にぶつかっても粘り強く臨み続け、目標達成に導く力は広告代理店において必要不可欠です。
目標達成意欲が高く、最後まであきらめず走り続けた経験がある人は、即戦力として評価される可能性があるでしょう。
提案力
広告代理店では、広告展開やメディア戦略、広告効果などをクライアントに説明する機会が多いことから、提案力は必須です。
社内においても、クライアントの意向を制作部門にわかりやすく伝える力、クリエイティブの意図を説明する力などが求められます。
相手が理解しやすく、かつ説得力のある提案ができる人は、広告代理店で力を発揮しやすいと考えられます。
広告代理店への転職成功のポイント
未経験から広告代理店への転職を目指す場合の、転職成功のポイントについて解説します。
必要とされるスキルを前面にアピールする
対人折衝力や提案力などといった、広告代理店で必要とされるスキルのほか、各企業が求めている経験・スキルを調べ、前面にアピールしましょう。
その際、具体的なエピソードを交えたり、数字を用いて実績をアピールしたりすると、ポテンシャルの高さが伝わりやすくなります。
広告に関する知識をインプットしておく
広告業界の経験がない人は、関連する知識をあらかじめインプットしておきましょう。
例えばインターネット広告に関する知識やマーケティングに関する知識など、広告業界に必要とされる基礎知識を独学しておくと、意欲の高さが伝わる可能性があります。
Googleアナリティクス個人認定資格やネットマーケティング検定など、広告業界で活かせる資格の勉強を始めるのも一つの方法です。
貢献イメージを語る
これまでの職務経歴を振り返って経験やスキル、強みの棚卸しを行い、志望する広告代理店との共通点を洗い出しましょう。
その共通点をベースに「未経験でもこのスキルや強みを活かして活躍できる」などと貢献イメージを具体的に語ることで、入社後の活躍ぶりを想像してもらいやすくなるでしょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用すれば、希望条件に合い、かつ未経験でも応募可能な広告代理店の求人を紹介してくれます。
応募企業で評価されそうな経験・スキルを洗い出し、効果的に伝えてくれることも期待できるでしょう。
広告代理店への転職に強みを持っている転職エージェントは、抱えている求人数も多く、転職成功事例も多数保有しているのでお勧めです。
まとめ
ここまでご説明したように、広告代理店は人気業界であり、転職難易度は比較的高めです。一方で、中途採用ニーズは旺盛であり、転職チャンス自体は多いと言えます。
自身の強みと志望企業との共通項を洗い出すなど、しっかり準備してから転職活動に臨めば、業界未経験であっても転職可能性は十分にあります。
キャリア・エックスは広告代理店への転職に強みを持っており、転職成功事例も豊富です。広告業界を熟知した専任のキャリアコンサルタントが、内定獲得まで伴走します。
広告代理店に興味を持っている方は、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。
