個人事業主から会社員に転職する方法は? 

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

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会社を設立せず個人で事業を営む「個人事業主」。これまでの経験やスキルを武器に、個人事業主としてさまざまな企業と仕事をしている方は少なくありません。


ただ中には、個人事業主としての経験を活かして、企業の正社員になりたいと考えている方もいるようです。


この記事では、個人事業主から会社員に転職するポイントやコツなどについて詳しく解説します。

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個人事業主から正社員への転職は可能?

個人事業主から企業の正社員に転職するのは、もちろん可能です。


個人事業主として得た知識や経験、スキルを活かせる領域であれば、即戦力として評価されるでしょう。しかし、自営業から正社員に再就職するにあたっては必ず乗り越えなければならない偏見のハードルがあります。


この記事では個人事業主からの再就職の実情を紹介していきます。

個人事業主から企業の正社員に転職する際の懸念事項

企業によっては次のような懸念を抱かれる可能性があります。

組織の和を尊重できるか

個人事業主として長く活躍してきた人に対しては、スキルを期待する一方で、どうしても「自分のペースを貫くタイプで、チームワークが苦手なのではないか」「独立心が強く、組織の和を乱してしまうのではないか」との懸念が付きまといます。


転職活動では、応募書類や面接を通して組織やチームで動いてきた経験などをアピールし、懸念を払しょくする必要があります。

ビジネスマナーが備わっているか

中には学校卒業後、企業に就職せず個人事業主になったという人もいることでしょう。


この場合、「一般的なビジネスマナーを備えていないのではないか」と不安視される可能性があります。面接などでの受け答えや立ち居振る舞いに、十分気を配る必要があるでしょう。

「逃げの転職」ではないか

個人事業主を辞めて正社員を目指す人の中には、「個人事業主として成果が上げられず、収入が確保しにくかった」というケースもあります。


そのため「ビジネスパーソンとしてのスキルが低いのではないか」「取引先とうまく関係性を構築する力が低いのではないか」などと懸念される可能性があります。


希望の転職を叶えるためには、転職活動を通して前向きな「転職する理由」を明確に伝えることが大切です。

個人事業主から正社員への転職・再就職の流れを解説

個人事業主から正社員に転職・再就職する際の流れとポイントをご紹介します。

1.履歴書・職務経歴書を作成する

まずは応募書類を準備しましょう。履歴書や職務経歴書の書き方は、会社員と同様です。


これまで手掛けてきた業務を職歴欄にまとめ、応募企業との共通点をアピールしましょう。


特に、個人事業主ならではの経営視点や、財務経理に関する知識、取引先の開拓経験やクライアントとの信頼関係構築経験などは、アピールポイントになります。

履歴書の職歴欄への記載例

2.企業の求人に応募する

自分の経験やスキル、希望条件に合った求人を探し、応募しましょう。


転職先の探し方は、転職エージェント、転職サイト、スカウトサービス、SNS、転職フェアやイベントなどさまざまな方法があります。


転職エージェントを活用する場合は、転職エージェントに登録のうえ、キャリアアドバイザーに経験やスキル、希望条件を伝え、自身に合致する求人の紹介を受け、その中から希望する企業に応募します。

3.面接を受ける

書類選考を突破したら、面接を受けます。なぜ個人事業主を選んだのか、そして個人事業主を辞めてこの会社に入社したいのか、この2点は必ずと言っていいほど確認されるので、開湯を準備しておきましょう。


ビジネスマナーにも留意し、前述の「企業が抱きがちな懸念事項」の払しょくを意識することが大切です。

4.内定を得る

内定を承諾すると、その企業への入社が決まります。


入社予定企業が副業OKである場合、個人事業主を副業として継続する方法もありますが、続けない場合は税務署に「廃業届」を提出する必要があります。


これまでの取引先やクライアントへの挨拶も、入社前に行っておきましょう。

個人事業主から正社員への転職・再就職を成功させるコツ

個人事業主から正社員への転職・再就職を成功させるポイントは、主に次の5点です。

個人事業主に理解のある業種に応募する

多くの企業が人手不足に苦しんでいる今、個人事業主として活躍してきた経験を効果的にアピールし、懸念されがちな事項を潰していけば、多くの企業は高く評価するでしょう。


特に、副業OKとしている企業、業務委託スタッフを募集している企業は、個人事業主に対する懸念や不安が少なく、採用選考もスムーズに進むと考えられます。

経験・スキルを上手くアピールする

個人事業主の場合、手掛けてきた業務が多岐にわたるケースが多いと考えられます。


職務経歴書では、手掛けてきた案件を単に羅列したり、これまで培った経験・スキルを総合的にアピールしたりするのではなく、応募先企業が求める経験・スキルや人材像に合った業務経験やスキルをピックアップしてアピールすることが大切です。

チームで業務を進めた経験をアピールする

前述のように、個人事業主に対して「チームワークが苦手なのではないか」「組織の和を乱すのではないか」などの懸念を抱く企業は少なからずあります。


クライアントや取引先と協働し、協力し合いながら業務を進めた経験や、チームやプロジェクト単位で物事に取り組んだ経験があれば、前面にアピールするといいでしょう。

転職理由をポジティブに言い換える

個人事業主から正社員への転職を目指す人の中には、例えば「思うような収入が得られなかったから」「取引先とうまくいかなかったから」などネガティブな理由で転職する人もいるかと思います。


ただ、転職理由をそのまま伝えてしまうと、「実力が足りないのではないか」「関係性の構築が不得意なのではないか」などと不安視されてしまいます。


例えばですが、「思うような収入が得られなかった」のであれば「自分のスキルが求められる環境で思う存分力を発揮したいと思った」、「取引先とうまくいかなかった」のであれば「信頼できる仲間と共に、協力し合いながら成果を上げられる環境で働きたいと思った」など、できるだけポジティブに言い換えるといいでしょう。

業務委託からスタートする

いきなり正社員になるのは難しいと感じた場合は、まずは個人事業主のまま、企業と業務委託契約を結んで働くという方法があります。


そこで高い成果を上げ評価されれば、正社員への道が開ける可能性があります。求人サイトなどで業務委託の求人を募集しているケースがあるのでチェックしてみるといいでしょう。

個人事業主から正社員になる3つのメリット

個人事業主から正社員になるメリットは、主に次の3つです。

収入が安定する

個人事業主は安定的な発注があれば高収入も見込めますが、仕事量が減少すれば収入も減ってしまいます。


正社員になれば、「収入が確保できるだろうか」という不安から解放されるでしょう。給与だけでなく各種手当や福利厚生なども、会社員ならではのメリットと言えるでしょう。

雇用保険・労災保険に加入できる

正社員として企業に所属すれば、健康保険や厚生年金保険、雇用保険や労災保険などに加入でき、安心を得られるでしょう。


厚生年金に加入することで、国民年金のみよりも将来受け取れる年金額が増額されます。


また、個人事業主が加入する国民健康保険とは違い、健康保険は会社が半分を負担してくれるため、個人の負担額が減ります。

心理的な安心感が得られる

正社員として企業に属することで、キャリアアップのサポートが受けられるほか、研修などの学ぶ機会も得やすくなります。


自分の将来像がイメージしやすく、キャリアプランも描きやすいため、心理的に安心感を得やすいでしょう。


社会的な信用も得られるため、ローンやクレジットカードの審査に通りやすくなるメリットもあります。

個人事業主から正社員になる3つのデメリット

個人事業主から正社員になるメリットが多い一方で、デメリットも考えられます。

収入を大きく増やすチャンスは少ない

個人事業主では、大きな発注を得たり、努力して多くの仕事量をこなしたりすれば、高収入を得ることも可能です。


正社員になれば毎月安定的な収入が得られる一方で、収入を大きく増やすチャンスは減るでしょう。

働く時間や場所が制限される

個人事業主は、自分の裁量で働く時間を調整したり、働く場所を自由に選んだりすることができますが、正社員になると多くの場合、定められた就業時間を守らなければなりません。


働く場所も限定されるケースが多く、オフィスに通勤する手間や時間もかかるでしょう。これまで自分のペースで自由に働いてきた人にとっては、息苦しさを感じるかもしれません。

主体的なキャリア構築がしにくい

正社員になると、必ずしもやりたい仕事ばかりに携われるとは限りません。


意図せぬ役割を任されたり、希望に合わない異動や転勤を命じられたりするなど、会社主導でキャリア構築が進む可能性があります。


もちろん、多くの企業では本人の希望を尊重していますが、会社や組織の方針と合わせなければならない場面も多いと考えられます。

個人事業主が正社員に転職する方法

個人事業主が正社員に転職を目指す場合、主に次のような方法が考えられます。

求人サイトを使う

求人サイトでは、希望の業界や職種、条件などで求人を検索することができます。個人事業主として培った経験・スキルを活かせそうな求人を、自分の力で検索し探し出すことができます。


業務委託の求人を探せるサイトも多いので、まずは業務委託としての入社を目指すという場合も有効でしょう。

ハローワークを利用する

国が所管する公共職業相談所で、全国に500カ所以上あります。企業が無料で求人を出せるため、求人数が非常に多く、業界や職種、雇用形態も多岐にわたる点が特徴です。


地域密着型の、いわゆる「地元求人」が多いので、地元で働きたいという人は有効活用できるでしょう。

業務で得た人脈を活用する

個人事業主として活動する中で培った人脈を活かして、求人を探す方法もあります。個人で仕事を請け負う中、自身の専門領域の中でさまざまな人脈ができたことでしょう。


仕事でつながった知人であれば、自身の経験やスキル、人間性などをある程度理解しているので、自分に合った求人を紹介してくれる可能性があります。

以前の勤務先に出戻る

個人事業主になる前に、会社員として勤めた経験があるならば、その会社に再入社するという道もあります。


最近では、有効な人材獲得の手段として、退職した元従業員を採用する「アルムナイ採用」を取り入れる企業が増えています。


当時の経験を活かして個人事業主として独立したのであれば、培った経験・スキルがフルに活かせると考えられるうえ、組織風土や文化も理解できているので、即戦力として力を発揮できる可能性が高いでしょう。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーが経験やスキル、希望条件に合った求人を紹介し、転職成功まで伴走してくれます。


企業への応募や面接日の調整などを代行してもらえるので、個人事業主として働きながら転職活動する場合は強い味方になるでしょう。

個人事業主から会社員への転職を成功させるには、転職エージェントの活用がオススメ

個人事業主として多くの仕事を抱えている場合、転職活動との両立に難しさを感じている方も多いと思います。


転職エージェントを活用すれば、忙しい中でも転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。


キャリア・エックスでは、専任のキャリアアドバイザーが、正社員への転職・再就職をサポートしています。


個人事業主として培った経験・スキルを活かすことができ、かつ希望条件に合った求人を提示しているほか、応募や面接などのスケジューリング、条件面の交渉なども行っているため、効率的に転職活動を進めることが可能です。


また、キャリアアドバイザーが企業と求職者の間に立ち、双方の懸念や不安を払しょくしながら、相互理解を深めるためのサポートも行っています。


個人事業主からの転職・再就職に不安を感じている方は、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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