Change Make Agent

嶋村に次なる転機が訪れたのは、リクルートライフスタイルとの3年間の契約期間を終えようとしていたとき。「クライアントの課題の解決策を考える仕事をしたい」「東京で働きたい」の2点を重視し、PRやマーケティング、リサーチ会社などに応募。大手のPR会社やリサーチ会社など複数の企業に内定した。一方で、当時、キャリア・エックスの前職でキャリアアドバイザーとして嶋村に伴走していた鈴木から、キャリアコンサルタントの仕事に向いていることを示唆された。

「広告企画営業の仕事を通して、クライアントの課題に対する解決策を考えることにやりがいを感じていたので、それならマーケット分析や企画の仕事が合っているだろうと考えていましたが、鈴木と面談を重ねるうちに、自分がやりがいを感じていたのは、数字を分析してクライアントにとって最も良い方法を考えることだけでなく、考えた結果が相手のためになっていることを実感することだということが明確になってきたんです。

キャリアコンサルタントはまさにそういう仕事ですし、リクルートライフスタイルで先輩にくじけていた自分を前向きに変えてもらったように、自分も、悩み、迷っている人たちの解決策を一緒に見出したいと素直に思えたので、キャリア・エックスで働くことにしました」

ゴールを一緒に見つけられるプロフェッショナル

キャリア・エックスでは、主に20代の求職者のキャリアチェンジやステップアップの支援を担当。個々の求職者と一緒になってキャリアのゴールを設計し、そのために今つけるべきスキルや進むべき道を考え、アドバイスしている。

「キャリアの最終的なゴールを明確に描いている人はそう多くなく、ほとんどの人は、あまり意識していないか、漠然としたイメージを抱いているだけの場合がほとんどです。ただ、私が人に貢献して、感謝されることに喜びを感じるように、誰にでも、働くうえで大事にしたいことや、モチベーションの源、達成感を感じるポイントなどはあるもの。そして、多くの場合、それは過去の経験を振り返ると見えてきます。

そのポイントを面談で細かく丁寧にヒアリングして言語化したうえで、未来のゴールが何なのか、そのためにこれからどんなスキルを身につけるべきか、そのスキルはどこに転職するとつけられるのかなどを考え、その人に合った業種や職種、ポジションを紹介することを心がけています」

さらには、転職の成功だけで終わらない関係づくりも意識している。

「その人の最終的なゴールを一緒に描いたからには、転職が決まったからといって『では、いつかまた会いましょう。頑張ってください』で終わる関係にはしたくありません。転職先でどのように活躍していて、目指すゴールにたどり着けそうかどうか、ゴールに近づくには、今いる会社でこのあと何をすべきか、あるいは、再度転職すべきかなどを一緒に考え、長期的にサポートしていきたい。そのために、折を見て連絡をとり、状況を聞くようにしています」

目指すのは、どんな求職者のゴールも一緒に見つけられるプロフェッショナルだ。

「今は20代の方を中心に担当していますが、事業企画や経営企画などより難度の高い職種や、経営ボードメンバーなどを目指す方などに対しても的確に提案できるキャリアアドバイザーになりたいですね。

そのためには、日々変化する業界の動向や企業の取り組み、さまざまな職種に求められることなどについてもっともっと詳しく理解する必要がありますし、求職者の方々のやりたいことやできることを理解する精度を高めていかなければなりません。自分自身が学び続けることはもちろん、業界動向や企業の情報などをより効率的に社内で共有し、皆が同じレベルで知識が持てるよう、社内の仕組みも整えていきたいと思っています」