20代の方々が鍛えておくとよいスキル
人生100年時代を迎え、働く期間も長くなる中、必要とされる場所で長く働き続けるために20代の方々が鍛えておくとよいスキルについてご紹介します
どんな業種・職種でも通用するポータブルスキルを鍛えよう
キャリア・エックスに転職相談をしてくださる方には、未経験職種への転職を希望される20代の方が多くいらっしゃいます。その方々の中でコアスキルを持っている方は極めてそう多くありません。
ただ、私自身はそれでもまったく構わないと考えていて、むしろ大事なのは、ポータブルスキルと呼ばれるような、業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力を持つことだと思います。というのは、今、10年後や20年後に起こる変化やなくなる仕事などが予測されていますが、それが本当にそうなるのかはわからないし、今の20代の方はその先もまだまだ働いていかなくてはなりません。となったときに大事なのは、どんな業種・職種でも通用する力を持っていることだからです。
ポータブルスキルは、厚生労働省が定義したり、経済産業省が「社会人基礎力」として提示したりしていますが、その中でとくに鍛えておけるとよいと思うのは、次の3つです。
1.前に踏み出す力
自分の人生を、昨日よりも今日、今日よりも明日、より前に踏み出していこう、よりよくしていこうと動くことは、これからの時代においてずっと必要になる力です。
転職相談を受けていると、「転職しようと思っているけれど、失敗したらと思うと怖い」「転職に失敗してしまったら人生終わりなんじゃないか」など、前に踏み出すことを恐れていらっしゃる方がすごく多いと感じます。でも、今いる環境が正解と思えないのなら、まず一歩転職活動を始めてほしいと思います。
2.自分自身の人生について意思を持って考える力
多くの企業が終身雇用を前提に正社員採用をしていた時代から、今は、企業が業務委託を増やしたり、正社員として採用しても定年までの雇用は想定していていなかったりする時代になってきています。会社は自分を守ってくれないし、「この会社にいれば自分の人生は安泰だ」と思える企業はどこにもなくなってきているのです。
このような時代においては、セルフ・リーダーシップを発揮して自分の人生の舵取りをしていかなければなりません。「この会社にいれば自分の人生は安泰なんじゃないか」と思考停止してしまうのではなく、どんなふうに生きていきたいのかを考え、意思を持って人生を選択していくことが必要です。
3.多様性を受容し、チームワークをする力
人と協働することや、立場や視点・考え方の違いを受容して働くことは、どの企業においても求められます。
これら3つの力を20代から鍛えておくことが、時代の変化に柔軟に対応し、長くキャリアを積んでいく秘訣になると思います。