事業開発のキャリアパスとは?業務内容や求められるスキル・経験も解説

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

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事業企画という職種名を聞いて、「なんとなく興味は沸くけど、詳しくは分からない…」という方は多いでしょう。


企業の成長を左右する重要なポジションではあるものの、広く知られてはいないのが現実です。


では、この仕事は具体的にどんな役割を担っているのでしょう。詳細な業務内容に加えて、キャリアパスや求められるスキル・経験、転職する際のポイントなどを本記事で解説していきます。

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事業開発とはどんな仕事?

事業開発とは、新規事業の立ち上げに向けた各種リサーチから軌道に乗せるまでのフェーズ、つまり0から1をつくり上げるポジションです。ここでは、よく混同されがちな事業企画職、経営企画職との違いを説明します。

事業開発と事業企画の違いは?

事業開発が新規事業をつくり上げるポジションなのに対して、事業企画は既存の事業を発展させる役割を担います。


0を1にするのではなく、1を10まで成長させるために、プロジェクトの企画・実行・管理などを行っていく仕事です。


また、企業によっては事業企画部門の一部として、新規事業を担当する事業開発が含まれている場合もあり、混同されやすくなっています。

事業開発と経営企画の違いは?

経営企画は一つの事業にとどまらず、文字通り会社全体の経営戦略の立案~管理を担っているポジションです。


事業開発と同じく、企画・管理部門系の仕事ではあるものの、携わる対象は大きく異なっており、複数の事業はもちろんのこと、会社のコーポレートブランディングやSDGs、CSRへの取り組みといったことにも関わります。

事業開発における主な業務内容

混同されやすいポジションとの違いは解説してきましたが、具体的にどんな実務を行っているのでしょうか。事業開発の主な業務内容について、いくつかピックアップしていきます。

市場調査・分析

新しい事業を生み出すための“はじめの一歩”となるのが、マーケットのニーズや動向の調査・分析です。


様々な調査を行ったうえで、新規事業のアイデアを出して、実現性の有無を分析。自社の既存事業とのシナジーなども含めて検討し、具体化に向けて動き出すかどうか議論を重ねていきます。

新規事業計画・戦略の策定

アイデアを事業としてカタチにするためには、他社との差別化を意識したコンセプト・サービスの立案、マネタイズに向けたビジネスモデルの構築などが必要となります。


それらの実現に向けた目標・KPIの立案~実行までを合わせて、事業開発のポジションで総合的に担当します。

関係部署やステークホルダーとの折衝

新規事業の立ち上げに向けては、経営陣やステークホルダーの理解が必要不可欠です。


そのために事業計画などを詳細に練り、目的やミッションについてのプレゼンテーションを行っていきます。


また、正式に事業が動き出すことが決定すれば、社内の各関係部署と綿密にやり取りを行い、関係性を築いたうえでプロジェクト全体をマネジメントします。

転職による事業開発へのキャリアパスとは?

ここでは「事業開発の仕事へチャレンジしてみたい」という想いを持っている方に対して、どんなキャリアパスを歩めば、事業開発への“道”が拓けるのか、いくつかパターンを紹介します。

マーケターから事業開発へ

新規事業の立ち上げにあたっては、市場にどのようなニーズがあるのかを調査したり、どんなターゲットにどうサービスを訴求するか検討したりといった、マーケティングのフェーズが必ず発生します。


マーケター経験者であれば、事業開発のポジションにキャリアチェンジしても、スキルを活かせる可能性は大いにあると考えられるでしょう。


「これまで培ってきたマーケティング経験を活かして、新しいフィールドにチャレンジしたい」といった考えを持っている方にとって、事業開発は魅力ある選択肢の一つになると言えます。

企画職から事業開発へ

営業企画や販促企画、経営企画といった、企画職の経験者は、事業開発への親和性が高いと言えます。


それぞれの領域において戦略を練ったり、関係者と協働してプロジェクトを管理したりした経験は、その対象が新規事業に変わったとしても、大いに活かすことができるでしょう。


もちろん、キャリアチェンジ後に仕事の進め方などに慣れるため、一定のオンボーディング期間は必要となるものの、比較的スムーズに業務に馴染むことができると想定され、実際に事業開発へのキャリアパスとして珍しくないケースです。

営業職から事業開発へ

営業から事業開発へ進むキャリアパスのもっとも大きな強みは、“現場の最前線”を体感していることでしょう。


特に同じ業界の営業経験があれば、クライアントやエンドユーザーにどんなニーズ、課題があるかを深く知っているため、机上のデータでは分からない、新規事業のアイデアを発信・カタチにすることが可能です。


また、実務を通じてコミュニケーションスキルが磨かれていると想定されるため、経営陣・ステークホルダーへのプレゼンテーションや関係部署との連携にも、培ってきたものを活かせると考えられます。

ITエンジニア職から事業開発へ

IT分野に限られるものの、ITエンジニアの経験をもとに、事業開発にキャリアチェンジを果たすケースも徐々に増えてきています。


DX推進やAI活用といったニーズが拡大しているからだと考えられ、それらの分野で新規事業をカタチにするためには、ITの専門知識が欠かせません。


すでに決まったサービスを実装していくだけにとどまらず、企画フェーズから関わりたいと考えているITエンジニアの方は、事業開発にチャレンジすることを検討してみるべきでしょう。


技術的な知見はもちろん、営業職と同様に“現場にいたからこそ分かるニーズ”もキャリアチェンジの際の“武器”になるはずです。

コンサルタントから事業開発へ

コンサルタントから事業開発へのキャリアチェンジも、比較的多いキャリアパスのパターンです。


コンサルティング業界で身に付けた論理的思考や戦略立案、プロジェクトマネジメントの経験などは、事業開発との親和性があり、即戦力に近い立ち位置で活躍することができるでしょう。


外部からアドバイスやサポートをする仕事に物足りなさを感じているコンサルタントの方であれば、自社のさらなる発展を加速させる事業開発の仕事へチャレンジすることで、新しいやりがいや発見を手にできるはずです。

事業開発で求められるスキルとは?

事業を立ち上げ、軌道に乗せるまでの工程には、様々なスキルや知見が求められます。具体的にそれはどのようなものなのか、いくつか例を挙げていきましょう。

リサーチ・分析スキル

新しい事業は、マーケットのニーズに沿っていたり、課題解決につながったりするものでなければ発展しません。


そこで、市場ではどのような事業・サービスが期待されているのか、必ず調査・分析が行われているため、そのスキルを持っていることは事業開発へのキャリアチェンジにきっと役立つはずです。

企画スキル

調べた情報をもとに新規事業開発を進めるためには、革新的なアイデア・企画立案スキルが求められます。

ありきたりで競合と似たようなものでは、評価にはつながりません。これまでにない、かつマーケットの期待に応える事業を生み出すことで、会社の発展に大きく貢献することができるのです。

プレゼンテーションスキル

いくら革新的で魅力的な新規事業を企画したとしても、それが経営陣やステークホルダーといった決裁者たちに響かなければ意味がありません。


自分たちで考えた事業を的確にプレゼンテーションできるスキルも、事業開発のポジションにおいては、非常に重要になってきます。

コミュニケーションスキル

事業の立ち上げが決まれば、それを実際につくり上げる開発部門や販売を担当する営業部門などと協力して、プロジェクトを推進していきます。


各部門の関係者と信頼関係を築きながら、事業を成功させるためには、高いレベルのコミュニケーションスキルを欠かすことができません。

総合的なスキル

ここまでピックアップしてきたスキルに加え、プロジェクトマネジメントスキルや交渉力、各業界特有の知見など、事業開発には様々なものが求められます。


とはいえ、必ずしも各領域のスペシャリストである必要はありません。幅広いスキルを総合的に身に付けている人材が、事業開発のポジションで活躍しやすい人材だと考えられます。

事業開発への転職を成功させるために大切なこと

ここまで解説してきた内容を踏まえ、実際に事業開発へ転職しようと考えたときには、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。大切になるポイントを解説します。

時間をかけて自己分析を行う

事業開発は、経験者が多くいるというポジションではなく、この記事を読んでいる方も、これからキャリアチェンジを考えている方がマジョリティなはずです。


とはいえ、企業はなるべく即戦力として活躍できる人材の採用を優先しているため、これまでのキャリアで培った事業開発に親和性の高いスキル・経験を積極的に探し出す必要があります。


それに向けた工程が自己分析であり、キャリアを振り返りながら転職の“武器”となるものを見つけると同時に、自分にどんな分野の事業開発が向いているかも合わせて検討しておくべきでしょう。

活かせるスキル・経験を積極的にアピールする

事業開発の仕事につながるスキル・経験をピックアップした後は、それを積極的に応募先の企業へアピールしなければいけません。


特に職種未経験からの転職であれば、履歴書や職務経歴書の作成段階から自分のキャリアが事業開発と親和性があると伝えたうえで、面接の場で言語化する必要もあります。


書類作成・面接対策に不安がある場合は、転職エージェントなど、第三者からのアドバイスも積極的に活用して、入念に準備を行い、的確に企業へ“自分自身”を伝えられるよう意識しましょう。

関わる事業に当事者意識を持つ

事業開発と一括りにまとめたとしても、業界や企業の置かれている状況などによって、関わるプロジェクト・仕事内容は異なります。


職種だけに惹かれて応募を繰り返していては、時間を浪費することにつながってしまうでしょう。募集を行っている企業や業界についてしっかりと調べたうえで、自分の志向と照らし合わせ、当事者意識を持って仕事へ向き合えるかどうかを判断することが、転職の成否を大きく左右します。

条件面をしっかりとすり合わせる

書類選考や面接のシーンでは、どうしても“選ばれている立場”になって、質問や要望を口に出すことを躊躇してしまいがちです。


しかし、あくまでも“お互いを知る場”として対等にコミュニケーションを進めないと、入社後にギャップが生まれたり、転職が失敗になってしまったりする可能性が高まります。


任せられる仕事内容や希望する働き方、譲れない給与額など、条件を事前にしっかりとすり合わせ、お互いに納得できる状態、不透明なことがない状態で入社を決めるようにしましょう。

様々なキャリアを活かせる事業開発は魅力あるポジション

事業開発は0から1をつくり上げ、会社の成長に大きく貢献できる魅力ある仕事です。


一見すると難易度の高いポジションにも見えますが、様々な職種からのキャリアチェンジの例もあり、培った経験を活かして、転身できる可能性も大いにあると言えるでしょう。


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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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