コンサルは激務?実態と年収について詳しく解説

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東海林 浩樹
前職リクルート時代、採用チーム責任者として約3000人の面接を経験。 様々な人生と向き合わせて頂く中で、「その一個人の人生において、よりよい機会を提供していけるか」が全ての一歩だと確信しました。転職するしないに関わらず、「ご自身が気づいていない強み」「生きるエネルギーの源泉」を発掘することを私の使命と捉え、皆様にとって、気軽にご相談できるパートナーでありたいと考えております。

コンサル

コンサルタントの仕事に興味を持っているものの、激務とのイメージから二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかと思います。


この記事では、コンサルが激務と言われている理由と実際の残業時間、激務になりがちなコンサルの種類などについて詳しく解説します。

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コンサルは激務なのか

コンサルティングファームは残業が多く、激務なイメージがありますよね。


実際は、時期によっては残業が増えることもありますが、比較的業務量が安定していて残業がないときもあります。担当するプロジェクトの難易度によっても、忙しさは変わるようです。


また、コンサルティングファームによっては働き方改革を徹底し、残業時間の削減に力を入れているところもあるようです。


そのため、「激務なときはあるものの、常に激務であるとは言えない」というのが実際のようです。

コンサルが激務と思われている理由

ではなぜ、「コンサルは激務」とのイメージが根強いのでしょうか?考えられる理由について解説します。

インプット量が多い

多くのコンサルティングファームは、さまざまな業界の企業と取引を行っています。そのため、コンサルタントもさまざまな業界のプロジェクトに関わる機会があります。


一つのプロジェクトにアサインされたら、その業界に関する知識を一から収集しなければならず、かつクライアント企業に関する情報も理解する必要があります。


最適な課題解決方法を提案するためには、クライアントに関わるあらゆる知識をインプットしなければならないため、インプット量の多さから「激務」と思われているようです。

クライアントとの関係構築が重要視される

コンサルタントは、クライアントのさまざまな部署とコミュニケーションを取りながら、課題を抽出し、より良い課題解決策を練り上げる必要があります。


また、提案を実行し、成功に導くためには、現場の関係者の協力が必要不可欠です。


そのためには、クライアントと積極的にコミュニケーションを取って関係性を深め、強固な信頼関係を構築することが重要です。


地道な働きかけや努力が必要であることから、「激務」「きつそう」などと思われているケースもあります。

作成資料が多い

コンサルタントは日常的に、非常に多くの資料を作成します。クライアントのヒアリング内容、情報収集内容、データの分析結果などを踏まえ、課題解決のための提案資料を作り上げます。


ミスや抜け漏れなく、クライアントニーズに沿った提案資料を作り上げるだけでなく、見やすさ、わかりやすさなども追求する必要があります。


上司のチェックも厳重になるため、何度も修正を重ねてブラッシュアップしなければならないケースもあり、資料作成に追われて激務だと感じる人もいるようです。

ミーティングが多い

コンサルタントは、ミーティングが多いのも特徴です。


クライアントとの情報共有や、プロジェクト内での進捗管理や関係者同士の認識合わせなど、社内外で頻繁にミーティングの機会があります。


プロジェクトを精度高く、円滑に進めるために必要なことではありますが、ミーティングの多さに辛さを感じる人も少なくないようです。

コンサルの忙しさは時期によって異なる

コンサルタントの忙しさは、プロジェクトの時期によって大きく異なります。忙しい時期は、主に次の3つのタイミングです。

プロジェクト開始直後

プロジェクト開始直後は、最も忙しい期間と言えます。


まずは、クライアントに関する情報を収集し、資料を読み込むなどして知識を深め、クライアントにヒアリングを行うなどして細かい情報をインプットします。


その後、データ収集および分析、目標設定と計画の立案、仮説の設定などを一気に進め、プロジェクトを進めるうえでの土台を作る必要があります。


社内外のミーティングも特にこの時期に集中するため、時間に追われがちになるでしょう。

中間報告・中間振り返り

データ分析および仮説検証の後に、クライアントに向けて中間報告を行いますが、その報告会前後も、激務になりやすい傾向にあります。


クライアントが理解しやすく、かつ納得度の高い報告を行うために、精度の高い資料作成およびプレゼンテーションが求められます。


上司からのフィードバックをもとに、何度もブラッシュアップする必要があるため、場合によっては大幅な残業を余儀なくされるケースもあります。

最終報告・最終振り返り

課題解決に必要なデータ分析と検証が終わったら、課題解決の方向性と具体的なアクションプランを提案する最終報告を行います。


その最終報告前も、どうしても激務になりがちです。


最終報告はクライアントの経営陣や役員クラスに行うケースもあるため、中間報告以上のクオリティが求められます。


そのため、社内で何度も議論し、ブラッシュアップを行ったうえで最終報告に臨む必要があり、激務になりがちです。

残業時間で見る、激務なコンサルファームとは

コンサルティングファームの種類別に、激務とされるコンサルティングファームを見てみましょう。ここでは、転職・就職情報プラットフォーム「OpenWork」の残業時間情報をもとに解説します。

戦略コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームは、企業の経営者やCxO層を相手に、企業が抱える経営課題の解決や、さらなる成長戦略を提案します。


大手企業の経営層を相手に、財務諸表を読み解きながら課題解決策を提案するため、どうしても激務になりがちです。


代表的な戦略系コンサルティングファームとして、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーの3社が挙げられますが、マッキンゼーは月80時間近い残業となっています。


残る2社も、70時間前後の残業時間となっています。


ただ一方で、有給休暇消化率も比較的高く、オンオフのメリハリを持って働く人が多いようです。


●マッキンゼー・アンド・カンパニー

・残業時間(月間):79.4時間
・有給休暇消化率:77.0%


●ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)

・残業時間(月間):69.0時間
・有給休暇消化率:65.9%


●ベイン・アンド・カンパニー

・残業時間(月間):72.4時間
・有給休暇消化率:73.6%

総合コンサルティングファーム

総合コンサルティングファームは、企業が抱えるさまざまな課題に対して、幅広く対応するコンサルティングファームです。


経営戦略や業務改善などはもちろん、組織改革やシステム導入、人材戦略、マーケティング戦略なども担当し、総合的なコンサルティングサービスを行います。


代表的なファームは、アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティングなどが挙げられます。


コンサルティング範囲の広さなどから、数年前までは各社とも長時間労働が問題視されていましたが、近年は働き方改革が進み、戦略系コンサルティングファームに比べると残業時間は少ない傾向にあります。


●アクセンチュア

・残業時間(月間):30.4時間
・有給休暇消化率:71.3%


●デロイトトーマツコンサルティング

・残業時間(月間):53.5時間
・有給休暇消化率:63.4%


●PwCコンサルティング

・残業時間(月間):42.6時間
・有給休暇消化率:60.5%


●EYストラテジー・アンド・コンサルティング

・残業時間(月間):45.8時間
・有給休暇消化率:59.7%


●KPMGコンサルティング

・残業時間(月間):41.5時間
・有給休暇消化率:62.7%

ITコンサルティングファーム

ITを活用して企業の課題解決を行うITコンサルティングファームは、近年DX化推進やセキュリティ強化、ITガバナンス対応など、ニーズが拡大しています。


代表的なITコンサルティングファームは、野村総合研究所(NRI)、アビームコンサルティング、日本IBMなどが挙げられます。


日系企業を中心に残業時間は減少傾向にあり、戦略系、総合系に比べても少なめとなっています。


●野村総合研究所(NRI)

・残業時間(月間):45.1時間
・有給休暇消化率:56.4%


●アビームコンサルティング

・残業時間(月間):34.1時間
・有給休暇消化率:66.5%


●日本アイ・ビー・エム(IBM)

・残業時間(月間):33.6時間
・有給休暇消化率:54.4%

コンサルが激務でも人気な理由

このように、一時期よりは残業時間が減ったとはいえ、時期によっては激務であるコンサルティング業界ですが、転職人気は高く、異業界から転身を目指す人も少なくありません。


激務と言われる中でも人気がある理由について、解説します。

市場価値が高められる

コンサルタントとしてさまざまな企業の経営課題に取り組むことで、多くの経験・スキルが身につき、市場価値が高められると考えられています。


仕事を通じて、財務諸表を読み解く力や課題発見力、分析力や提案力など、さまざまなビジネススキルが磨かれるうえ、企業の経営陣などと対峙し、経営改革や事業変革に携わることで、ビジネス変革力が身につけられるでしょう。


場数を踏むにつれ、コンサルタントとしてステップアップが目指せるほか、コンサルティングファーム出身者は「ポストコンサル」としてさまざまな事業会社で高く評価されています。


キャリアの可能性が大きく広がる点にも、魅力を感じる人が多いようです。

年収が高い

コンサルタントは一般的に、給与水準が高いとされています。


企業が抱えるさまざまな課題解決に取り組む仕事であり、高度なスキルと専門性が必要とされるほか、コンサルタントの働きがクライアント企業の業績拡大や今後の成長に直結するため、提供する高いバリューに対して高い報酬で報いるケースが多いためです。


コンサルティングファームの給与の高さに注目し、「年収の水準を上げたい」「頑張った分給与に反映してほしい」と考える人が、コンサルタントを目指すケースは多いようです。

仕事内容が楽しい・面白い

コンサルタントは、企業の経営課題に向き合い、解決のために行動し続けます。


企業の業績や将来性を大きく左右する立場であり、責任は非常に重いですが、その分やりがいも非常に大きいのが特徴です。


自身の働きで、経営内容が大きく改善したり、業務改革が実現できたり、新規事業が立ち上がったりするため、介在価値を感じる機会が多いでしょう。


若くして経営陣と対峙するなど、裁量を与えられるケースが多く、ビジネスパーソンとしての成長も早い点に魅力を感じる人も多いようです。


コンサルタントへの転職事例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

※関連リンク:2度の転職支援を経て希望の総合系コンサルティングファームにキャリアチェンジ!そのステップとは

コンサルの平均年収

年収水準が高いとされるコンサルティングファームですが、「OpenWork」の平均年収に関する情報をもとに平均年収をご紹介します。


年収水準のおおよそのイメージとしてご覧ください。

戦略コンサルティングの平均年収

戦略系コンサルティングファームは、企業の経営や事業戦略など難易度の高い案件に関わることが多いうえ、成果主義の外資系ファームが多いことから、他のコンサルティングファームに比べても年収水準が高い傾向にあります。


●マッキンゼー・アンド・カンパニー

・平均年収:1318万円
・職種別平均年収:コンサルタント1421万円、アナリスト840万円


●ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)

・平均年収:1543万円
・職種別平均年収:コンサルタント1613万円


●ベイン・アンド・カンパニー

・平均年収:1305万円
・職種別平均年収:コンサルタント1324万円

総合コンサルティングの平均年収

幅広い領域に対してコンサルティングサービスを提供する総合コンサルティングファームも、年収水準は高い傾向にあります。


●アクセンチュア

・平均年収:866万円
・職種別平均年収:コンサルタント932万円、アナリスト568万円、マネージャー1156万円


●デロイトトーマツコンサルティング

・平均年収:954万円
・職種別平均年収:コンサルタント948万円、アナリスト577万円、マネージャー1272万円


●PwCコンサルティング

・平均年収:989万円
・職種別平均年収:コンサルタント994万円、アソシエイト757万円、マネージャー1253万円


●EYストラテジー・アンド・コンサルティング

・平均年収:910万円
・職種別平均年収:コンサルタント899万円、マネージャー1236万円


●KPMGコンサルティング

・平均年収:896万円
・職種別平均年収:コンサルタント884万円、マネージャー1209万円

ITコンサルティングの平均年収

企業のITに関わる課題解決を担当するIT系コンサルティングファームは、近年上流工程だけでなく実行支援まで関わるケースが多く、総合力を発揮するファームでは給与水準も高くなる傾向にあります。


●野村総合研究所(NRI)

・平均年収:988万円
・職種別平均年収:コンサルタント1094万円、プロジェクトマネージャー1257万円


●アビームコンサルティング

・平均年収:821万円
・職種別平均年収:コンサルタント812万円、アナリスト544万円、マネージャー1219万円


●日本アイ・ビー・エム(IBM)

・平均年収:916万円
・職種別平均年収:コンサルタント878万円、プロジェクトマネージャー1068万円

※関連リンク:【2025年最新】コンサルの平均年収は高い?企業別、役職別に紹介

忙しいコンサル業界も働き方改革は進んでいる

一昔前までは、実際に「激務でなかなか帰れない」というケースも多かったコンサルティング業界ですが、近年は働き方改革が進んでいます。

残業時間を管理・制限する企業が増えている

長時間労働や残業時間の多さが問題視されたことを受け、残業時間を管理し制限を設ける企業が増えています。


残業が多い従業員には、個別に指導が入り、早い退社を推奨されるケースもあるようです。

フレックスタイム制を活用する企業が増えている

フレックスタイム制とは、1日の労働時間を固定せず、日々の始業時間・終業時間を従業員が決められる制度です。


業務量などに応じて、自分のペースで働く時間を決められることから、取り入れるコンサルティングファームが増えています。


忙しい中でも、フレックスタイムを活用しながら、メリハリを持って働くコンサルタントが増えているようです。

リモートワーク可能な企業が増えている

コンサルタントはミーティングなどで客先に出向く機会が多いうえ、資料作成などPCワークも多いことから、リモートワークとの相性がいいのが特徴です。


通勤時間を削減し生産性高く働いてもらうために、リモートワークを取り入れる企業も増えています。


なお、コンサルティング業界への転職で重視されることについては、以下の記事をご覧ください。

※関連リンク:未経験からコンサルタントへの転職で重視されることとは?適した年齢や対策方法など

コンサルタントは必ずしも激務とは言えない!コンサルティング業界に興味を持ったらキャリア・エックスへ

ここまでご説明したように、コンサルタントの仕事は忙しくはあるものの、常に激務とは言えません。


プロジェクトのタイミングによって波があり、激務となりやすい期間とそうでない期間があるのが特徴です。


一方、コンサルティングファーム各社では、働き方改革に取り組み、コンサルタント一人ひとりが働きやすい環境を整備しつつあります。


年収水準の高さや、やりがいの大きさ、将来性の高さなどもあり、コンサルタントとして働く魅力は大きいと言えるでしょう。


キャリア・エックスでは、多数のコンサルティング業界の求人を保有しており、求職者の方々の経験やスキル、希望などに沿った案件をご紹介しています。


そして、各コンサルティングファームに合ったアピール方法を共に考えるなど、転職実現のためのサポートも行っています。


働く環境や残業時間が気になる場合は、求職者の代わりに応募企業に確認することも可能です。


転職を検討している方は、自分に合ったコンサルティングファームに出会うためにも、ぜひキャリア・エックスにご相談ください。

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キャリアエックス編集部

過去2回の転職を行い、大企業・ベンチャー企業を経験。ベンチャー企業では、人材紹介事業の立ち上げを行い、WEBマーケティング兼人事として採用面接を実施。これまで執筆した転職関連記事は100本以上。
転職希望者・採用担当者それぞれの経験をもとに、「ためになる」リアルな情報を発信したいと考えています。

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