現在、様々な業界で営業職として活躍している皆さん、SaaS営業という仕事を御存じですか?
聞いたことがないという方でも、「クラウドサービス」という言葉は馴染みがあるのではないでしょうか?
「クラウドサービス」はSaaSの別の呼び名と言えます。
SaaSは2022年には世界市場が約15兆円に到達する見込みがあると言われています。
新型コロナ感染症の影響により、テレワーク環境の構築を目的とした需要が増加したことにより、国内の市場規模も益々、発展すると見られています。
成長が今後期待されるSaaS業界で、営業職として活躍を検討してみませんか?
この記事では
・SaaSとは?
・SaaS営業とは?
・SaaS業界について
・SaaS営業の求人動向
・どんな人材が求められるか?
について解説していきます。
ぜひ、最後まで読み進めて頂けますと幸いです。
SaaSとは?
SaaSとは、「Software as a Service」の略です。
一般的には「サース」や「サーズ」と呼ばれており、インターネットを通じてソフトウェアを利用できるサービスのことを指します。
「クラウドサービス」とも呼ばれているのでこちらのほうがピンと来る人が多いかもしれません。
従来のソフトウェアは、企業内のサーバーやコンピューターにインストールする必要がありましたが、SaaSの場合はサービスを提供する側のサーバーでソフトウェアを稼働させるので、ユーザーはインターネット経由でソフトウェアの機能を活用できます。
最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」というのは、SaaSを利用する料金形態の1つです。
チャーンレート(解約率)やLTV(顧客生涯価値)などが重要な指標になっており、顧客に継続して自社サービスを利用してもらうことで利益を得るビジネスモデルになっています。
近年では、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業で業務サービスのデジタル化が進み、ますます発展していると言われています。
代表的なSaaSの一例
ここでは、我々の生活に馴染みのあるSaaSを下記の3つ紹介します。
- Microsoft
- Zoom
いわずもがな、誰もが知っている世界的有名企業です。
近年は様々な携帯通信会社がキャリアメールの無い格安プランを提案している為、gmailを利用している人も多いのではないでしょうか。
そのgmailがGoogleが提供しているSaaSになります。
Googleが提供するサービスの特徴は、複数の端末からアクセスできることです。
さきほどのgmailは1人のユーザーが同じアカウントにスマホやタブレット、パソコンからログインすることができます。
また、1つのデータに複数のユーザーがアクセスできる点も特徴として挙げられます。
これにより、1つのデータを複数人で編集することが可能になりました。
Microsoft
こちらの言わずと知れた世界的企業です。
現在、提供しているSaaSサービスはMicrosoft365。
これだけ聞くとあまり聞き覚えのないサービスかもしれません。
しかし、中身はWord、Excel、Powerpointといった馴染みのあるものになっています。
過去これらのソフトウェアは、パソコンにインストールしなくては利用できませんでしたが、最近ではサブスクリプション型のSaaSとして提供されるようになりました。
これにより、高い金額を支払ってインストールするのではなく、定期的に安価で利用でき、いつでも最新版のサービスを扱うことが可能になりました。
Zoom
近年の、コロナウイルス感染症の世界的流行で一気に知名度が上がったweb会議システムです。
今では、web会議のこと自体をZoomと呼ぶ人がいるくらい、存在感を確率させました。
Zoomが出てくるまでは、web会議といえばSkypeが主流でした。
なぜ、ZoomがSkypeに打って変わったのか、それは使い勝手の良さにあります。
Skypeは自分自身と相手もユーザー情報登録が必要でした。
しかし、ZoomはURLリンクだけで映像電話が繋がります。
そういった利用の手軽さに真っ先に対応したことが現在の普及に至った要因と考えられます。
SaaS営業は3つの職種で構成されている
SaaS企業の多くは営業を細分化しており、主に下記の3つに分けられます。
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
インサイドセールス
電話やメール、web会議ツールなどを利用して、顧客と直接対面せずに営業をかける職種です。
1番最初に顧客と接点を持つことになるので、企業やサービスの第一印象を決める大事な存在になってます。
数多くの顧客と接点を持つことで、マーケットの理解を深め、顧客規模やニーズごとにセグメント分けをし、顧客の課題や要望をプロダクト組織にフィードバックすることもあります。
フィールドセールス
従来の営業スタイルで顧客の元へ出向き、直接対面で営業をかけて、クロージングまで対応する職種です。
しかし、従来の営業とは違う点があります。
インサイドセールスが得た、成約見込み顧客情報を元に営業先を決めており、成約の可能性が高い顧客と対面することが多いので、従来の営業より効率的に営業活動を行うことができます。
カスタマーサクセス
顧客の不満や課題をヒアリングし、自社サービスを継続して利用し続けてもらうように働きかける職種です。
SaaS企業の特徴的な職種で、SaaSビジネスの中で重要指数の1つである解約率(チャーンレート)の低下を防ぎ、顧客満足度やリピート率に貢献する役割を担っています。
よく、カスタマーサポートと混同されますが、仕事の基本スタンスに大きな違いがあり、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせがあってからの対応が基本です。
その一方で、カスタマーサクセスは事前に、顧客の要望や課題を事前に察知して、問い合わせが来る前に動き出します。
国内SaaS業界の現状
SaaS情報メディア「ボクシルマガジン」を運営するスマートキャンプ株式会社は、
SaaS業界の市場規模や最新トレンドなどをまとめた「SaaS業界レポート2020」を発刊しました。
そのレポートの内容が大まかに下記の通りです。
- 国内SaaS市場は年間平均成長率が約13%の勢いで成長している。
- 2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けてテレワーク導入が進み、企業における働き方が大きく変化した。そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としてSaaSが注目されるようになった。
- 国内SaaSスタートアップによる資金調達金額も増加しており、2017年の約400億円、2018年の約570億円から2019年には約750億円に達している。
- 2019年以降、マーケティングオートメーションSaaSを提供する株式会社フロムスクラッチが100億円、労務管理SaaSを提供する株式会社SmartHRが61.5億円、建設プロジェクト管理SaaSを提供する株式会社アンドパッドが60億円、オンライン商談SaaSを提供するベルフェイス株式会社が52億円の資金調達を行うとなど、大型の資金調達が続いておりSaaSスタートアップ1社あたりの平均資金調達金額も2018年の3.0億円から2019年には4.8億円へと上昇した。
要約すると、2019年から毎年約13%の成長率で、2020年ではコロナ禍による働き方の変化でSaaSが注目されるようになりました。
大型の資金調達を行う企業も増えており、これからも期待できる業界だと言えます。
今後はどうなっていくか
アーリーステージのSaaS企業に特化したVCファンドを運用するOneCapital株式会社が、SaaS市場の動向や今後のトレンド予測、VCから見た伸びるSaaSスタートアップの特徴や大企業がスタートアップへ出資する上でのベストプラクティスなどをまとめたレポート「Japan SaaS Insights 2021」を公表しました。
その内容によると、今後は、飲食店向け・建設業界向けなどの特定分野に特化したSaaSの提案が進み、SaaSの枠組みがさらに拡大していくと予想されています。
また、リモートワークを支援するSaaS、契約のデジタル化やサイバーセキュリティへの対応を支援するSaaSもより普及していくでしょう。
気になるSaaS営業の求人動向
上のグラフを見ると、SaaS企業は2017年からわずか3年で倍以上に増えていることが分かります。
企業が増えることで、その分SaaS関連求人も増えています。
SaaS企業の求人数の推移
大手転職求人サイト「doda」(デューダ)がdoda転職求人倍率レポートを公表しており、以下はIT・通信 における求人倍率です。
求人倍率 | 前年同月差 | |
2021年4月 | 8.34 | +2.37 |
2021年5月 | 8.25 | +0.39 |
2021年6月 | 7.84 | +0.79 |
引用:doda転職求人倍率レポート 業種別・職種別に読み解く転職市場動向
他業種における2021年4月の求人倍率は、金融が1.43、商社・流通が0.81
という結果でした。
このように他業種と比べて、IT系企業の求人数が増えいていることから、SaaS企業の求人も増えていると推察されます。
SaaS営業として求められる人材とは
SaaS企業から営業として求められる人材とは、どのような人材なのでしょうか。
以下の4つが挙げられます。
- 課題解決型の営業経験がある
- BtoBの企業で働いた経験がある
- 長期的な視点で顧客と関係構築できる
- 特定の分野に特化した営業経験がある
課題解決型の営業経験がある
SaaSは従来の売り切り型の営業とは違い、サブスクリプションのような継続して利用してもらうことで、利益を得るビジネスモデルです。
継続利用が前提のSaaSサービスは、顧客からの信頼を失った時点で解約されてしまうリスクを避けなければなりません。
顧客からの信頼を得るには、顧客の課題を一緒に解決していくことが必須になってきます。
売り切り型と課題解決型の営業はスタイルが全く異なるため、課題解決型の営業経験がある人材はSaaS企業で重宝されます。
BtoBの企業で働いた経験がある
SaaS営業は基本的にBtoBの企業が多いため、BtoBの企業で営業として働いた経験がある人材はニーズが高いです。
また、BtoBの商材はBtoCの商材よりも単価が高いことが多く、営業の難易度が高いです。
そのため、課題解決に向けた提案やメリットをプレゼンする力が求められ、そのような経験や商材を売るためのメソッドがSaaS営業でも活かされます。
長期的な視点で顧客と関係構築できる
SaaS営業は、契約した時点では大きな金額が動くようなことはありません。
サブスクリプション型の料金形態がメインであることが理由です。
仮に月5万円の契約をとった場合、10年継続して利用されると600万円の案件になります。
「魅力のない商品でも売れるのが優秀な営業」という価値観もありますが、SaaS営業ではそれは通用しません。
顧客にとって魅力のない商品を提案しても、長期的な関係を築くのは難しいでしょう。
SaaS営業では、売り切り型の考えでは無く、顧客と長期的な関係を築く視点が求められます。
特定の分野に特化した営業の経験がある
今後SaaS業界では、飲食業や建築業などの特定の分野に特化した提案が進められると前述しました。
そのことから飲食・建築業で営業経験のある人材が求められると予想されます。
また、直接的な営業経験がなくても、飲食店の経営や管理職などの経験があれば求人応募に有利に働く判断材料になることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまで、SaaSの解説から始まり、SaaS営業とは・SaaS業界の現状・
SaaS営業に求められる人材について解説してきました。
本記事が、SaaS営業へ興味を持つきっかけになれば幸いです。
弊社キャリア・エックスでは、未経験からSaaS業界へのキャリアチェンジを多数支援しています。ご興味ある方は、以下よりぜひお気軽にご相談ください!