企業の経営課題などに向き合い、解決に導くコンサルタント。これまでの経験を活かして、コンサルタントとして活躍してみたいと考えている人もいらっしゃるかと思います。
この記事では、コンサルタントの仕事内容やコンサルタントの種類、コンサルタントに向いている人の特徴、そして転職の際に有利になる資格などについて解説します。コンサルタントに興味を持っている方は、ぜひご覧ください。
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目次
コンサルタントとは
コンサルタントは、クライアントである企業が抱えるさまざまな課題に対して、解決のためのサポートをする仕事です。
企業は、業務改善や経営の立て直し、事業戦略、生産性向上、IT戦略、業務改善、DX化の推進など、さまざまな課題を抱えています。
コンサルタントは、企業からの相談を受けるだけでなく、クライアントに深く入り込んでさまざまな部署や立場の人にヒアリングを行い、調査・分析したうえで解決までの道筋を設計します。
そのうえで、具体的な戦略を立て、プロジェクト単位で課題解決に取り組みます。
コンサルタントの主な役職・キャリアについて
コンサルタントは、大きく4段階の役職に分かれます。
まずはアナリストとしてキャリアをスタートし、その後経験と実績に応じてコンサルタント、マネジャー、パートナーと昇格していきます。
コンサルタントの種類と主な仕事内容は?
コンサルタントの種類は、大きく次のように分けることができます。
戦略コンサルタント
戦略コンサルタントは、企業の経営者やCxO層を相手に、さらなる成長戦略を提案する仕事です。企業の経営戦略はもちろん、マーケティング戦略や新規事業の立案、ビジネス開発なども手掛けます。
経営に近い立場で、経営数字を見ながら課題解決に取り組むことになるため、財務諸表を読み解く力が求められます。
また、大手企業の経営層を相手にすることが多いため、コミュニケーション力や論理的思考力も必要とされます。
経営コンサルタント
経営コンサルタントは、企業が抱える経営課題を分析し、解決に導くのが仕事です。
戦略コンサルタントと役割は似ていますが、戦略コンサルタントが企業の方向性を決めサポートする一方で、経営コンサルタントは、企業が現在抱えている経営課題全般について、幅広い解決策を提示します。
例えば、事業計画やITや人事、財務など、経営だけでなく現場が抱える課題について、解決までサポートします。
経営陣はもちろん、現場の担当者ともやり取りしながら課題を洗い出す必要があるため、コミュニケーション力や傾聴力などが求められます。
業務コンサルタント
業務コンサルタントは、主に企業の業務プロセスの改善や、業務効率化の推進などを担当する役割です。
企業内の業務フローを確認・分析したうえで、改善すべき点を洗い出して改善策を提案し、必要なシステム導入サポートなども行います。
業務フローを分析して論理的に解決策を導き出すための論理的思考力や、現場社員のニーズを引き出すコミュニケーション力が重要視されます。
また、業務プロセス改善などには、ITが必ずと言っていいほど関わるため、ITに関する知識も必要とされます。
ITコンサルタント
ITを活用して企業の課題を解決に導くのがITコンサルタントの仕事です。企業のIT戦略全般やITガバナンス、セキュリティ、DX化推進のためのコンサルティングなども担います。
企業の課題解決には、ほぼすべてITが関わります。
課題解決のための戦略を精緻に練るために、ITに関する高い知識とスキルはもちろん、最新のIT技術やIT業界動向にも精通していることが求められる傾向にあります。
システムコンサルタント
システムコンサルタントは、ITを活用して企業の課題解決を行う仕事です。
ITコンサルタントと似ていますが、システムコンサルタントはITシステムの導入から設計、開発、導入サポートなど、よりシステムに特化し、現場に即した課題解決に臨むのが特徴です。
したがって、高度なITスキルや知識が求められるほか、現場のニーズを引き出すコミュニケーション力なども必要とされます。
人事コンサルタント
人事コンサルタントは、採用や育成といった人材戦略や組織の課題解決など、人材に関わるコンサルティングを行う仕事です。
人や組織に関する課題を発見し、人材戦略の見直しや採用戦略立案などのほか、人材育成・教育研修のコンサルティングや組織風土改革、組織の意識改革なども手掛けます。
そのため、人事に関する幅広い知識を持ち、人事周りに関する最新の情報を常に把握していることが求められます。
企業の現場に入り込んで人事や組織の課題をつかむ必要があるため、さまざまな立場の人と信頼関係を築く力も重視される傾向にあります。
営業コンサルタント
営業コンサルタントは、企業の営業部門が抱える課題を解決し、業績向上に寄与するのが仕事です。
クライアントである企業のプロダクトやサービス、組織体制などを理解したうえで、市場調査などを行い、戦略立案から実行支援までトータルに手掛けます。
営業プロセスの見直しや営業ツールの導入、営業の人材戦略の見直しや人材育成なども手掛けるケースが多く、営業活動全般にわたってサポートを行います。
営業としての現場経験はもちろん、ヒアリング力やコミュニケーション力、分析力、問題解決力などが求められます。
建設コンサルタント
建設コンサルタントは、建築プロジェクト全般に対して技術的なコンサルティングを行う仕事です。
発注主である国や地方自治体、建設会社などと連携しながら、道路や鉄道などといったインフラ工事の事前調査や設計、工事中の施工管理などを担当します。
土木や建築に関する専門的な知識が必要不可欠であるほか、クライアントや現場担当者とのコミュニケーションスキル、そしてプロジェクト管理能力が求められます。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、主に求職者などの個人に対し、職業選択やキャリア設計、キャリア開発などに関するアドバイスを行う仕事です。
2016年に国家資格となり、資格取得者は企業の人事部門や大学のキャリアセンター、人材紹介会社などで活躍しています。
キャリアや労働市場に関する知識や、カウンセリング能力などが必要とされるほか、キャリアに悩む個人の話を傾聴する力や、感情に流されず冷静に物事を判断する力なども求められる仕事です。
コンサルタントの将来性について
経済環境、事業環境の目まぐるしい変化を背景に、企業の事業改革や業務改善、業務効率化、成長戦略などに関するニーズは旺盛であり、各コンサルティングファームに寄せられる案件も拡大傾向が続いています。
最近では、企業が自社の業務においてAIを導入するケースが増えており、AI活用に関するコンサルティングニーズも拡大しています。
外資系の戦略コンサルティングファームやITに強みを持つファームなどで、AIに関する知見を持つ人材をコンサルタントとして採用する動きもあります。
企業を取り巻く変化に臨機応変に対応し、AIを始め新しい技術や知識を柔軟に取り入れられる人は、コンサルタントとして長く活躍できるでしょう。
また、コンサル経験者「ポストコンサル」は、課題解決力やプロジェクトマネジメント力が備わっており、クライアントとの信頼関係構築力も高いことから、転職市場で高く評価される傾向があります。
コンサルタントとして一定の経験を積んだ後も、さまざまな可能性が広がっており、コンサルタントの将来性は高いと言えるでしょう。
コンサルタントのやりがいとは
コンサルタントの仕事のやりがいや醍醐味について解説します。
やりがい
コンサルタントのやりがいは、クライアントである企業の課題を自分の手で解決できる点です。
経営戦略に関わる難易度の高い課題も多いですが、プロジェクトを組み、さまざまな立場の人と議論を交わしながら戦略を立て、無事に課題解決を実現できたときには、この上ない達成感を得られるでしょう。
顧客に直接感謝の言葉をもらえる機会もあり、やりがいを感じられる場面は多いと思います。また、コンサルタントの仕事は、さまざまな専門知識が求められます。
難易度の高いプロジェクトをいくつも経験する中で、自分自身の成長も感じられるでしょう。
大変なことや厳しいこともある
一方で、企業の経営に関わる難しい課題に臨むことになるため、プレッシャーやストレスを感じることも多いでしょう。企業からの無理な要望も多く、きつい、しんどいと感じる場面も少なくありません。
コンサルティングファームにおいても働き方改革が進められ、業務時間は縮小傾向にありますが、残業は多くなりがちです。
一般的には複数のプロジェクトを同時で進めることになるため、タイミングによっては業務が重なり、ハードワークを強いられることもあるでしょう。
コンサルタントへの転職に有利となる資格
主に未経験からコンサルタントへの転職を目指す場合、有利に働く可能性が高い資格は次の5つです。
・MBA
・公認会計士
・税理士
・中小企業診断士
・TOEIC・TOEFL
①MBA
MBA(経営学修士)は資格ではなく、ビジネススクールで1年ないし2年学び、修了後に授与される学位です。
ビジネススクールのMBAプログラムでは、経営戦略やファイナンスなど、企業経営に関する知識を体系的に学び、身につけることができます。
MBAを取れば、経営に関するさまざまな知識があるとの証明になるため、特に経営コンサルタントや戦略コンサルタントなどにおいて優位に働くでしょう。
②公認会計士
公認会計士は、企業の財務情報を監査する資格です。
企業の財務諸表を読み解き、経営状況を正しく判断できることから、コンサルティングファームで高く評価されており、特に財務系の知識が求められるコンサルタントではかなり優位に働く資格です。
資格を取得するには、国家試験に合格する必要がありますが、合格率10%程度という難関であり、かなりの狭き門です。
③税理士
税理士とは、企業の税金の申告や、税務・会計業務を行う、税金の専門家です。
国家資格の中でも難易度が高い資格と言われており、公認会計士と並び狭き門となっています。
企業の経営改革に関わるには、税金の知識は必要不可欠であり、大手コンサルティングファームでも高く評価される資格です。
④中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題に対して、経営状態を良好にするために調査分析・助言を行うスペシャリストです。
企業の経営状態を多角的に分析して問題点を洗い出し、改善策を練ることができるため、コンサルタントとして大きな武器になるでしょう。
⑤TOEIC・TOEFL
コンサルタントは、業務で英語を使うケースが多いのが特徴です。
特に外資系コンサルティングファームの場合は、社内のやり取りは基本英語というところが多く、社内コミュニケーションの上でも英語力が必須とされています。
TOEICでいえば、外資系コンサルティングファームでは800点以上が基本であり、日系でも最低700点以上が目安となります。
ビジネス英語力を見るために、TOEFLを確認するコンサルティングファームもあります。評価されるTOEFLスコアは100点が一つの目安になるようです。
コンサルタントに向いている人は?
次のような特徴を持つ人は、コンサルタントに向いていると言えるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
コンサルタントは、クライアントのさまざまな部署とコミュニケーションを取りながら、課題を抽出し、より良い課題解決策を練り上げる必要があります。
また、大手クライアントの大型案件であれば、プロジェクトに関わるメンバー数も多いことから、社内でのコミュニケーションも必須です。
コミュニケーション力に自信がある人であれば、コンサルタントとして活躍できる素地があると言えるでしょう。
学習意欲が高い
学習意欲が高く、さまざまなことを自分から学びに行く姿勢がある人は、コンサルタントに向いています。
コンサルティングファームの多くは、あらゆる業界・企業の案件を請け負っており、そこで働くコンサルタントも、さまざまな業界の案件に関わることになります。
わからないことがあっても意欲的に学び、幅広い知識を吸収できる人であれば、どんなクライアントの案件であっても興味を持って取り組むことができ、表面化していない課題を掘り起こすこともできるでしょう。
また、クライアントに関する知識を収集することで、信頼関係を構築しやすくなるという利点もあります。
論理的思考力がある
企業へのヒアリングや、調査・分析などをもとに、最適な戦略を練るためには、論理的思考力が必須と言えます。
また、企業に提案する際には、合理的なロジックをもとに、論理的に筋道を立てて物事を説明することで、企業に意思決定してもらう必要もあります。
普段から論理的に物事を考えたり、自分の意見や考えを合理的に説明できたりする人は、コンサルタントに向いているでしょう。
何事にもポジティブに取り組める
ここまでご説明したように、コンサルタントの仕事はやりがいがある一方で、難易度が高く大変な側面もあります。
企業の高い要求に応えねばならずプレッシャーを感じたり、思わぬ問題が発生して悩み苦しんだりする場面もあるでしょう。
そんなハードな場面においても、ポジティブな気持ちで取り組める人、壁にぶつかっても果敢にチャレンジし、その経験を糧にできる人は、コンサルタントとして活躍できるでしょう。
よくある質問
コンサルタントに関して、よくある質問とその回答をご紹介します。
コンサルタントは何をする職業ですか?
コンサルタントはクライアントである企業が抱える課題を洗い出して分析し、解決策や改善策を提案し、実行までをサポートする職業です。
いずれの課題も、企業の将来や方向性を決めるものであり、「企業経営のパートナー」として伴走することが求められます。
コンサルタントの仕事内容の具体例は?
前述のように、コンサルタントにはさまざまな種類があり、仕事内容も異なりますが、共通する仕事内容の具体例は次の通りです。
・クライアントの現状分析と課題の特定
・クライアントの課題解決のための戦略立案
・提案した戦略を実行に移すためのサポート
・上記過程におけるクライアントとの関係性構築
・戦略実行後の効果測定、継続的な改善支援
コンサルタントの仕事内容に興味を持ったら、キャリア・エックスにご相談を
コンサルティング業界の求人ニーズは旺盛であり、コンサルタント未経験者にもチャンスが広がっています。
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そして、各コンサルティングファームに合ったアピール方法を共に考えるなど、転職実現のために伴走しています。
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