日系の総合コンサルティングファームである、株式会社ベイカレント・コンサルティング。IT・デジタル分野を始め、幅広い事業領域のコンサルティングサービスを手掛け、業績を伸ばしています。
そんなベイカレント・コンサルティングに注目し、転職を検討している方もいらっしゃることと思いますが、その際に気になるのは「年収」です。
この記事では、ベイカレント・コンサルティングの年収、働き方、転職難易度などについて解説します。ベイカレント・コンサルティングに興味を持っている方は是非ご覧ください。
目次
- 1 ベイカレント・コンサルティングとはどんな会社?
- 2 ベイカレント・コンサルティングの平均年収は1,350万円
- 3 ベイカレント・コンサルティングと競合他社を比較した際の年収の特徴
- 4 ベイカレント・コンサルティングの評価制度について
- 5 【カテゴリ別】ベイカレント・コンサルティングの平均年収
- 6 ベイカレント・コンサルティングの新卒の年収
- 7 ベイカレント・コンサルティングの年収が高い理由
- 8 ベイカレント・コンサルティングの福利厚生について
- 9 ベイカレント・コンサルティングは激務で大変?
- 10 ベイカレント・コンサルティングが「やばい」と言われるのはなぜ?
- 11 ベイカレント・コンサルティングの転職難易度は?
- 12 転職のことならキャリア・エックス
- 13 まとめ
ベイカレント・コンサルティングとはどんな会社?
ベイカレント・コンサルティングは、日系の独立コンサルティングファームです。
創業時はシステムインテグレーションおよびアウトソーシング事業を手掛けていたため、特にIT・デジタル分野に強く、現在では大企業や官公庁向けにITを中心としたコンサルティングサービスを幅広く提供しています。
2024年9月に持株会社制に移行し、ベイカレント・コンサルティングは「株式会社ベイカレント」に商号変更されました。
その中、コンサルティング事業を承継する会社が株式会社ベイカレント・コンサルティング、ITサービス事業を承継する会社が株式会社ベイカレント・テクノロジーとして存続しています。

ベイカレント・コンサルティングの事業内容
ベイカレント・コンサルティングは、大手コンサルティングファームの中で唯一の日系独立コンサルティングファームです。
2024年9月に持株会社制に移行しましたが、他のコンサルティングファームとは異なり、親会社や海外本社などの意向を考慮する必要はなく、独立性を保っています。
また同社では、産業やテーマなどの垣根なくすべてのコンサルタントが同じ部門に所属し、さまざまな分野の戦略立案や実行支援などを手掛ける「ワンプール制」を取っています。
コンサルティングファームでは一般的に、業界やテーマごとに部門が設置され、コンサルタントは担当する業界やテーマの案件に専念しますが、ワンプール制であるベイカレント・コンサルティングでは、特定の分野に縛られず、幅広い経験を積むことが可能です。
ベイカレント・コンサルティングの平均年収は1,350万円
ベイカレント・コンサルティングの有価証券報告書によると、過去5年間の平均年収は下記の通りです。20代から年収1000万円を目指せることから、転職先として魅力的な環境と言えます。

なお、国税庁の民間給与実態統計調査(2023年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの平均給与は459.5万円で、コンサルティングファームが所属する「学術研究,専門・技術サービス業」の平均給与は551.0万円となっており、ベイカレント・コンサルティングの給与水準の高さがうかがえます。
※出典:ベイカレント「IR情報」
ベイカレント・コンサルティングの賞与(ボーナス)
ベイカレント・コンサルティングでは、毎年3月に年俸提示があり、それを14分割した額が毎月の給与として支払われます。
そして、残りの2カ月分が賞与として6月と12月に支給されます。
したがって、賞与は基本的には月給と同額になりますが、業績・評価によって若干の上下があるため、月給の-10%〜+ 10%が目安になります。
ベイカレント・コンサルティングの年収偏差値
「年収偏差値」とは、自身の年収が、同年代や同業界などの中でどの位置にいるのかを数値化した指標です。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに試算する「年収偏差値チェッカー」を使って、ベイカレント・コンサルティングの直近の平均年収1350万円、年齢31歳で算定したところ、年収偏差値は「124.1」という結果になりました。
なお、国税庁「民間給与実態統計調査」(2023年)の30~34歳の平均給与431万円で試算したところ(年齢31歳、学歴・業種・企業規模指定なし)、年収偏差値は53.9という結果となりました。
ここからも、ベイカレント・コンサルティングの年収偏差値はかなりの高水準であると言えるでしょう。
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
ベイカレント・コンサルティングの平均手取り
ベイカレント・コンサルティングの平均年収をもとに、手取り年収額を計算したものが下表になります。
31歳、平均年収1350万円の場合、想定される税金や社会保険料を差し引いた手取り年収は945万6410円になります。これを14分割(2カ月分は賞与)した手取り月給は、67万5457円になります。
なお、これらは転職サイト・タレントスクエアが、国税庁・日本年金機構・全国健康保険協会の公式情報をもとに作成した「【2025年最新版】手取り計算ツール」により算出しています。

ベイカレント・コンサルティングと競合他社を比較した際の年収の特徴
ベイカレント・コンサルティングの平均年収と、大手コンサルティングファーム各社の平均年収をまとめました。
高年収とされる外資系コンサルティングファームに引けを取らない年収水準であることがわかります。
なお、ベイカレント・コンサルティング以外は、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」に掲載されている、社員・元社員の回答データを基にしています。

ベイカレント・コンサルティングの評価制度について
ベイカレント・コンサルティングでは、定性評価と定量評価があり、定性評価ではリーダーシップ、チームワーク、インプレッション、プレゼンス、行動規範の遵守の5つにおいて、上司により5段階(S~D)で評価されます。
定量評価では、年間の稼働実績と売上が基準に達しているか、職位ごとに判断されるほか、採用活動への貢献など社内への貢献度合いも評価に含まれます。
【カテゴリ別】ベイカレント・コンサルティングの平均年収
ベイカレント・コンサルティングの職種別・役職別の年収をご紹介します。
《職種別》ベイカレント・コンサルティングの平均年収
ベイカレント・コンサルティングの職種や役職ごとの年収は公開されていません。コンサルに特化した転職エージェント「MyVision」によると、職種・役職別の年収は次の通りです。

《年齢別》ベイカレント・コンサルティングの平均年収
「OpenWork」によると、ベイカレント・コンサルティングの年齢別平均年収は次の通りです。いずれも社員および元社員の回答によるものであり、在籍時期や在籍期間によっても変わるため、あくまで参考としてご覧ください。

ベイカレント・コンサルティングの新卒の年収
ベイカレントの「新卒募集要項2026」によると、新卒のコンサルタント職の想定年収は600万円(年2回の賞与を含む)です。
なお、システムコンサルタントは500万円、コンサルタントサポート職は月給30万円(別に賞与年2回)、事務職は月給22万5000円(別に賞与年2回)となっており、コンサルタント職はほかの職種よりも給与水準が高く設定されていることがわかります。
なお、日系コンサルティングファーム各社の初任給は次の通りであり、業界内でも高水準と言えるでしょう。
・アビームコンサルティング:大学卒月給37万300円(別に賞与年2回)
・野村総合研究所;大学卒月給33万6500円(住宅手当60,000円含む、別に賞与年2回)
・大和総研:大学卒月給30万円(別に賞与年2回)
※出典:ベイカレント「新卒募集要項2026」
ベイカレント・コンサルティングの採用大学の傾向は?
ベイカレント・コンサルティングでは例年、100~150名程度の新卒採用を行っており、その多くがコンサルタント職です。
採用大学実績は公表されていませんが、大手就活情報サイトや同社採用ページの社員インタビューなどを見ると、主に次のような大学の採用実績があるようです。
・慶應義塾大学
・早稲田大学
・東京大学
・京都大学
・同志社大学
・明治大学
・中央大学
・関西学院大学
・法政大学
ベイカレント・コンサルティングの年収が高い理由
前述のように、ベイカレント・コンサルティングの年収はコンサルティング業界の中でも高水準です。年収が高い理由について解説します。
コンサルティング業界全体の給与水準が高いため
コンサルティング業界は、ほかの業界に比べても給与水準が高い傾向にあります。
コンサルタントは、クライアント企業が抱える課題解決に取り組む仕事であり、高度なスキルと専門性が必要とされます。
コンサルタントの働きがクライアント企業の業績拡大に直結するため、提供する高いバリューに対して高い報酬で報いるケースが多いようです。
人材獲得が難しくなってきているため
就職人気、転職人気ともに高いコンサルティング業界ですが、昨今の労働力人口の減少による人手不足の深刻化で、人材獲得競争が激化しています。
特に、即戦力としての活躍が期待できる中途採用においては、各社とも人材の取り合いとなっており、優秀な人材に対しては高い給与を提示するケースが増えているようです。
その中、ベイカレント・コンサルティングは業績好調であり、優秀な人材確保が急務であることから、高年収となっていると予想されます。
グローバル本社へのフィーが不要なため
日本で事業展開する外資系コンサルティングファームの多くは、親会社であるグローバル本社に対してマネジメントフィーを支払っています。
一方、ベイカレント・コンサルティングは日系の独立コンサルティングファームであり、親会社などへのフィーは必要ありません。
そのコスト分を給与に反映できることも、高年収の理由の一つであると推察されます。
実力主義のため
前述のように、ベイカレント・コンサルティングの評価基準には定性評価と定量評価がありますが、定量評価では、年間の稼働実績と売上が基準に達しているかどうかが評価のポイントになります。
実力があり高い売上・成果を上げている人であれば、定量評価が上がり、年収に反映されるため、高年収になりやすいと言えます。
ベイカレント・コンサルティングの福利厚生について
ベイカレント・コンサルティングでは、社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、多様な福利厚生を用意しています。同社の採用情報ページから、代表的なものをご紹介します。
※参考:ベイカレント・コンサルティング「福利厚生」
「リフレッシュ」に関する制度
旅行や健康関連商品の購入などに利用できる「カフェテリアポイント」が毎年5万円相当分付与されます。また、契約施設、ホテル等の割引特典もあるため、リフレッシュに活用する社員も多いようです。
「健康・医療」に関する制度
ベイカレント・コンサルティングには、体調不良時に取得できる有給休暇「シックリーブ」のほか、介護休暇、子どもの看護休暇や私傷病休暇などといった特別休暇があります。
また、本人だけでなく被扶養者も対象となる健康診断や人間ドッグ、自社健康保険組合も整備されています。
「子育て」に関する制度
育児休暇・産前産後休業のほか、子どもが中学校に入学するまで育児短時間勤務制度を利用することができます。
また、ベビーシッター費用補助、企業主導型保育園もあり、仕事と育児を両立しやすい環境が整備されています。
「キャリアサポート」に関する制度
社外研修受講補助や資格取得補助など、コンサルタントのスキルアップ・キャリアアップを支える制度が充実しています。
また、体系的なトレーニング制度を整えることで、中長期的な人材育成を推進。豊富なトレーニングメニューを展開し、職位や求められる役割に応じたスキル開発を促進しています。
「資産形成」に関する制度
社員の資産形成に関する施策にも注力しており、従業員持株会制度、企業型確定拠出年金制度などを設けています。
ベイカレント・コンサルティングは激務で大変?
コンサルティング業界は一般的に、激務であるとのイメージが根強くあります。
コンサルタントは1つのプロジェクトにアサインされたら、その業界やテーマについて一から知識を習得する必要があります。
また、クライアント企業の課題を解決するためには、クライアントを徹底的に理解することも重要であり、インプット量の多さから「激務」と思われているようです。
その中、ベイカレント・コンサルティングでは、適性を踏まえた複数の専門性を築くため「ワンプール制」を導入しており、若いうちから多様な産業やテーマに触れる機会があることから、より膨大なインプットが必要だと考えられます。
ただ、同社では現在、高品質なコンサルティングサービスの提供と長時間労働の抑制・有給休暇取得の両立に努めており、厳格な労務管理が行われています。
経営陣やプロジェクトリーダークラスのコンサルタントを中心に、相互に長時間労働に関する注意喚起を行っているほか、長時間労働になり得るプロジェクトの早期発見・改善をする仕組みを構築しています。
これらの取り組みにより、月間平均残業時間は22時間(2024年2月期)となっており、「激務で大変」というイメージは実態に即しているとは言えないようです。
※関連記事:「コンサルは激務?実態と年収について詳しく解説」
ベイカレント・コンサルティングが「やばい」と言われるのはなぜ?
ベイカレント・コンサルティングについて調べていると、「やばい」などのネガティブな言葉を目にすることがあります。
「やばい」と言われる理由としては、以下のようなものがあるようです。
・年収の水準が高すぎる
・激務とのイメージが強い
・「ワンプール制」でインプット量が膨大
・戦略系の案件が少ない
・クライアント常駐案件が多い
ただ、激務に関しては前述のように、足元でかなり改善されています。キャリアサポートについてもさまざまな制度が整備されており、手厚いと評価する声もあります。
高年収だからこそのプレッシャーや責任の重さもありますが、その分やりがいを持って働ける環境があるとも言えます。
ベイカレント・コンサルティングの転職難易度は?
ベイカレント・コンサルティングでは中途採用に力を入れており、コンサルティング業界未経験者にも広く門戸を開いています。
「中途募集要項」ページを見ると、コンサルタント職の必須条件は「社会人経験3年以上」「日本語ビジネスレベル」であり、コンサルティングファームでの就業経験は「歓迎する」と記されています。
ただ、適性検査のほかケース面接もあるため、問題集を解いたり第三者に練習相手になってもらったりするなど、十分に事前準備を行うことが重要です。
ベイカレント・コンサルティングでは中途採用の門戸が開かれている一方で、年収が高く残業削減にも注力していることから、転職市場でも人気の高い企業であり、転職難易度は高いと言えるでしょう。
自身の経験・スキルを棚卸して、これまでの経験がどのように活かせるのか、具体的にアピールすることが大切です。
ベイカレント・コンサルティングが求める人物像
ベイカレント・コンサルティングでは、「行動規範」として次の5つを挙げています。
・Value:限られた時間で成果を出す
・Initiative:主体的に考えて動く
・Fair-Minded:何事も謙虚に受け入れる
・Integrity:誠実に行動し、人格を常に磨く
・Aspiration:向上心を持ち、限界を突破していく
これらを備え、日々行動できる人物が求められていると考えられます。
中途採用における選考フロー
ベイカレント・コンサルティングの中途選考フローは、次の通りです。(応募職種などにより選考フローが異なる場合があります。)
1.書類選考
2.Webテスト(適性検査)
3.一次面接(ケース面接)
4.二次面接
5.最終面接
6.オファー面接
Webテストは、GABテストが多く出題される傾向にあるようです。
面接回数は人によって異なり、通常2~3回ですが、一次面接のタイミングでケース面接が行われる可能性が高いです。ケース面接では、出題された質問に対して限られた時間内に課題解決方法を考えプレゼンテーションを行います。
練習問題を解くだけでなく、第三者を相手に模擬面接を行い、ケース面接でのやり取りに慣れておくことも重要です。
転職のことならキャリア・エックス
ベイカレント・コンサルティングは日系独立ファームとして大企業や官公庁など幅広い顧客に対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
その中、コンサルタント職は「ワンプール制」によりさまざまな現場で経験を積む機会があることから、成長のチャンスも多く、早期のスキルアップが期待できるでしょう。
私たちキャリア・エックスは、ベイカレント・コンサルティングを始めコンサルティングファームの中途採用案件を数多く取り扱っています。
企業及び募集職種ごとに、どのような人が評価されるのかを把握しているため、転職実現まで伴走することが可能です。ベイカレント・コンサルティングに興味を持っている方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
ここまでに、ベイカレント・コンサルティングの年収や働く環境、採用の傾向などについてさまざまな角度から解説してきました。
ベイカレント・コンサルティングについての理解が深まったことで、「働いてみたい」と思った方もいるのではないでしょうか。
高年収に加えてキャリアアップの機会が多く、魅力的な環境がある一方で、天職人気も高く、転職を実現するためには十分な準備が必要です。
特にケース面接は、過去の傾向を見ながら対策を練り、何度も練習を重ねることが重要です。
キャリア・エックスでは、求職者一人ひとりの経験を共に棚卸しし、ベイカレント・コンサルティングで評価されやすい経験やスキル、強みを洗い出した上で、効果的にアピールできるようサポートしています。
また、ケース面接の事例などナレッジも豊富であり、ケース面接を含めた模擬面接も実施していますので、キャリア・エックスをぜひご活用ください。